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コラム

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金利の二面性(2014年10月05日)

今日は…金利の話を考えてみようと思います。日本の金利水準は、世界でも類をみないほど低く、しかも長い期間、低いままなのですね。この意味をどう考えるか? 日本は安全だと言う考え方もありますし…、逆に、「凍てつく経済」と言う意味もあります。

ベルリンの壁崩壊から始まった市場経済の拡大が、先進各国に日本化現象が広がっている様に…行き過ぎた為に調整入りしたのではないかと…考えているのです。この切っ掛けは米国金融システムの崩壊です。米国では相変わらず、厳しい自己資本比率規制に躍起になっています。しかし16%~20%と言う高い水準は、常識的に考えて…今回のようなシステム崩壊を、念頭に置いた過剰な規制水準に思えます。これでは金融機関は低い利鞘でもあり、利益がでませんね。故にカタルは、オバマは日本の金融庁と同じで体質で、清貧思想論者だと思っています。これを補うのが、世界の中央銀行です。FRBも、ECBも日銀も挙って量的緩和、ECBはこれからですが…。デフレに懸念を示し、日本化現象を避けようと躍起ですね。ようやく米国は立ち上がり始めています。

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日本の長期金利の推移をみると…、不動産開発のダヴィンチが創業した1997年頃、我が国の不動産バブルの清算は峠を越えたのです。しかし政策の失敗により、再び沈むわけですね。1997年までの下降トレンドは、バブルの清算の為で…必要な構造改革でした。しかしそれ以後は、政策運営のミスが重なり…更にBRICsの台頭が、金融デリバティブの発達で加速しました。その為に、日本はバブルの清算と構造改革と言う空洞化に悩まされます。90年代に入り行われた度重なる大型の財政出動が続き財政を圧迫します。しかし折角の大型投資も、的を少し外していました。でも中には、光通信網の拡充など…今日のクラウド環境整備のIT投資の基盤を作ったことも事実です。

2003年からの立ち直りもチャンスでしたね。しかしあと僅かでしたが、日銀のマネタリーベースの削減と米国の金融危機が重なり、再び奈落の底へ…。今回は3回目の正直です。今回は、日銀が量的緩和を用いている為に…金利は上昇しません。…ですが、この量的緩和を通じて経済を立て直し、生産活動が活発になるかどうか…。従来通りの財政政策では、駄目なのですね。スマートコミュニティーに対応した政策を実行しないと、新しい時代が開けません。ようやく…スパコンの実用化を始め、クラウド技術も進化し、新しい時代が幕開けします。車の自動走行技術の発展、007のIVIなどの開発はこの範疇に属します。増大する医療費に対するクラウド環境の整備、遺伝子データからオーダーメイド治療など…どんどん情報が蓄積され、人類は飛躍的な発展期をむかえます。丁度、産業革命の時期をイメージすると良いですね。凸版印刷の発明や蒸気機関を利用した鉄道開発など…と、イメージはダブります。

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一般的に金利が低いと言うのは「安全」と言う側面があります。良くメディアは円が買われると、「安全を求めるマネーの回避の動き」との解説が見られます。一方、ブラジルの様に…高金利の国は、物価が上昇し投資活動が盛んなのですね。ブラジルの実質GDP推移を見てください。基本的に金利水準は、安全性を示すとも言えますが…逆にリスクはありますが、経済成長が高くなると、金利は高くなるのですね。盛んに活動しているのです。このブラジルの実質成長率推移をみると、カタルのこれまでの解説が、理解できると思います。1989年のベルリンの壁崩壊時の実質GDPは、6360億ブラジルレアル(BL)だったものを1とすると…わが国の不動産市況が収益還元法価格に到達した1997年は7451億BL(2.143%/年UP)だったものが…、2003年前後を起点に、一気に角度を変えて成長します。2003年は8200BLでしたが、2009年には10338BL(4.345%/年UP)、そうして2014年は12017BL(4.231%/年UP)です。

つまり2003年前後を起点に、金融デリバティブが急速に発展し、これまで2.1%程度の上昇だったものが、一気に4.3%台に加速します。これが米国で起こった金融デリバティブの発展で…新興国の経済が加速した一例です。中国も同じ傾向です。しかし金価格、原油価格でも良いのですが…、金融危機を切っ掛けに、この所、お金の流れが変わり始めていますね。少し速度が落ち始めました。最近の銅などの下落も、この動きの一環です。銅の価格の方が、もっとドラスティックに金融デリバティブの活動を感じられますね。一応、グラフを付けておきましょうか…。ベルリンの壁崩壊から始まった、一連の新興国の市場経済化の動きを感じて貰えましたでしょうか…。

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大切なのは、これから何が起こるか?
カタルは、今度はこれまで空洞化で低迷していた先進国が、スマートコミュニティーを通じて成長が加速すると読んでいる訳です。ただ…新しい動きに入るためには、資金が活発に動かないとなりません。その為、信用創造機能の復権を掲げ、1300兆円の逆襲が、日本の場合、目玉になると考えている訳です。投資活動が活発になれば、資金需要が増し、金利が上昇します。現状の国債金利は0.52%前後ですが…2%台になるのが正常な形だと考えています。問題は…政策のアクセルの踏み方次第なのです。

国会質疑で、実質賃金と名目賃金が話題になり、アベノミクスの是非を問う論争が繰り広げられていますが、これは初期段階では、当たり前なのですね。物価高に庶民は苦しむのです。日本の過去の高度成長を見て御覧なさい。貰う給料は1万円台だったのですね。毎年引き上がり、とうとう20万円になりましたが…ここでストップです。わが国のGDP成長も、長く横ばいのままです。量的緩和とは…何か? 資金を安全資産から追い出すわけです。仕方なく国債運用が出来ないので、融資先がない地銀などはリートを購入したりします。そうすると…リートの利回りは下がり4%台になりましたね。都心では運用利回りを確保するのが難しいから、最近は、地方都市への物色が始まりました。それが先頃の不動産統計です。新幹線開発に沸き、金沢の西口周辺の商業地が、全国で1位の値上がりで…15.8%の上昇でしたね。この背景は日銀の量的緩和が起点になっているのですね。

このような事例が増えると…、お金に対する需要が増えどんどん加速しますね。今はこの進展度合いと…空洞化の揺り戻しの速度計算ですね。ファナックは栃木県の壬生町に70万平米の土地を取得しました。そうして2016年秋の稼働を目指します。東京ドームは4万4755平米なので…約15個分の敷地面積です。如何に大型投資か…その規模がお分かり頂けると思います。だから今回は…本物の株価上昇だと述べているのです。ファナックの国内投資は、ほんの一例ですよ。昨日は、重工を批判しましたがMRJがこれから本格生産を迎え、設備投資に入りますね。こんな事例はザラにあります。

日銀の量的緩和は、確実に効いているのです。だから黒田さんがほくそ笑むわけです。日銀は、やろうと思えば、なんでも出来るのですね。ただ問題があります。国会審議などでアベノミクスの失敗論が盛んになると…日銀の量的緩和政策が、変更されるかもしれませんね。もしそのようになっても、結局最後は、無駄なのですね。ガラガラポンが待ち構えているのです。既に、日銀はかなりの規模の国債を買い入れていますからね。だから上がる株は、もう決まっていると言っているのですが…ただスピードの問題が残るのですね。途中の振幅で、信用取引をしている追証に遭います。これが問題なのですね。だから金持ちは羨ましいのですね。株が下がるほど嬉しい訳です。

日銀が量的緩和を続けても…それを上回る資金需要が生まれ、金利が上昇し始めるようなら…アベノミクスは大成功になります。ただ同時に、ガラガラポンもあるのですね。一気に円が200円とか…の水準になり、超インフレのコントロールできない世界になるリスクもあるのです。これが最も恐いのですが…。その時は、日本の不動産も暴騰します。円は劣化しますが…不動産や株は上がり続けますね。つまり、どっちに転んでも既にルビコン川を渡ったわけです。どうせ、最後の賭けをする政策しか…日本に蔓延した清貧思想を一掃することは出来ないのです。だって、借金はGDPの2倍だものね。日本郵政の売却は、嘗てのNTT上場に繋がるのですね。

ケネディクスは、必ずその動きに先行し、株価が大幅に上昇します。5年や10年、どうってことはありません。売り買いのバランスを上手く利用すれば、その期間に資産規模は100倍程度に、なるかもしれませんね。1億なら100億円です。10万円の人は1000万ですね。1300兆円の逆襲は、始まったばかりなのです。