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三尊天井を考える(2014年10月13日)
今日は皆さんが好む、テクニカル面からの株価検討です。基本的に見えなくなったら、時間軸を変えることが…鉄則ですね。その為に3つのチャートを用意しました。一つは2年程度の日足推移、そうして5年程度の週足推移とバブル崩壊後の日経平均株価の月足です。
如何でしょうか?
カタルは10月3日の「今日の市況」に於いて…、本文の中で「日経平均株価は三尊天井のかたちを形成し、今週は大幅な陰線ですから…、まだ株価が多少は下がり、下値はあるのでしょう。」と述べています。実際に、その通りの展開に先週はなりました。チャートの基本の一つである「三尊天井」を形成しましたね。この16000円前後にある壁は、かなり強いものなのでしょう。日足より週足の方が、綺麗にこの形を示していますね。
ただ週足、月足を見ると…、また違った形に見えます。週足の移動平均線は26週線と52週線を示していますが、丁度、先週の安値は心地よい株価位置に見えます。一方、月足に目を移すと…2007年の2月の18300円の壁を前にして、16000円前後のラインで株価がもたつくのは当然の帰結ですね。ここで重要なのは、この揉み合いが「右肩上がり」の揉み合いと言う事が、月足を見ると…感じられると思います。日本経済は1997年~1998年辺りで、バブルの清算が完了したのです。丁度、山一證券や日債銀などが…倒産した辺りです。面白いでしょう。日債銀や長銀は、興銀と並んで日本の産業基盤を創る為に設けられた、銀行システムですね。役割を終えた銀行が倒産したのですね。
ところが…ITバブルを切っ掛けに、日本経済は立ち上がらず、政策の選択ミスを連発し…株価は1万円を割れる未曽有の構造改革まで…落とし込まれました。小泉・竹中改革ですね。過剰な不良債権処理が実施された清貧思想の蔓延です。ワイワイ騒ぐメディアがそもそも悪いのです。
その後、外資系金融機関の参入もあり、外国資本の力で立ち上がったのが2003年から2006年の相場です。しかしCDSなどの金融デリバティブに依存する足の早い資本だったため、膨張した金融を支えきれずに崩壊、この陰で日銀もグローバル化の意味を取り違え、金融を引き締めたのでダブルパンチで…日本経済は痛めつけられました。しかし2009年、日産のマーチ移転が切っ掛けになり、過剰な空洞化が進み、今はその揺り戻しの過程にあります。その動きが、為替相場の推移からも感じられると思います。月足の青のラインは、円ドル相場の推移を示しています。
今回は円安の進行がマイナスと言われていますが…2009年から始まった過剰な生産移転が生んだ弊害なのでしょう。2007年6月の為替は124円、その前は135円、147円なのですね。カタルの行き過ぎた生産移転と言う認識が正しいとすれば、おそらく、今回はこの124円を抜くのでしょう。為替も株式相場も2007年の水準を上回ると考えるのが、一般的な認識です。現在実行されている日銀の異次元緩和は、確実に日本を構造的に変化させるものです。
この構造的変化とは…実質成長率を主体に置くデフレ環境から、名目成長率重視のインフレへの世界への転換を意味します。ひょっとすれば…為替は過剰の反応し、バブル時の159円90銭の壁も突破し、行き過ぎる事も最終的には考えられると思います。如何に…孫さんの米国資産のスプリント買収が、理に叶った行動か…お分かり頂けると思います。さて、もう少し目先にスタンスを移しましょう。
このような観点から見て行くと…月足で見た、この中段揉み合いは、単なる通過点の一コマだとの認識が、出来ることでしょう。昨日は気掛かりなG20の動向を問題にしましたが…日本は兎も角、欧州はとても自己資本比率の引き上げなど…の更なる金融規制に応じる体力はなく、時間が掛かります。オバマは、既に賞味期限が切れた政権ですから…次期政権になると過剰な金融規制の弊害が、指摘されると考えています。基本的に金融デリバティブの発展により、グローバル化が進み、世界中にまき散らされたマネーが、リーマンの破たんで、システム崩壊したのです。
それを補ったのが、各国の中央銀行です。しかし実際に新興国は活動しており、拡大したマネーが縮む道理がありません。中央銀行は悪戯に資金を引き揚げられないのです。民間金融が中央銀行の穴埋めをしたマネーの不足分を再び肩代わりするまで、相当の期間が必要と思われます。現状の欧州は既に日本化現象で苦しんでいます。つまりデフレが深刻なのです。
10年程度のスパンでしょう。G20の自己資本比率規制など…常識的に考え、おかしな水準です。16%もの自己資本で…融資をして儲かるのでしょうか? それとも金融デリバティブの活用と言うのは、カタルが考えている以上に、もっとレバレッジが高いのでしょうか? なかなか中央銀行の依存から、世界経済は抜け出せないと思いますね。慌てて中央銀行が資金を引き上げると…途端に、世界経済に歪が生まれます。此処をカタルは指摘しているのです。日本は2006年に日銀が、一旦は供給したマネーを絞ったのですね。だからリーマンショックの金融危機とダブルで、日本経済は打撃を受け二番底に株価は沈んだのです。
カタルは述べています。日銀の異次元緩和が現状以上のペースで進む以上、株価は上がり続け、地価も上がり、やがて正常な名目成長率が期待されるような希望の溢れる経済に変化します。オバマは金融マンを、他人の金で博打をして、多額の報酬をせしめていると…負の面ばかりに焦点を充てて金融の世界を見ていますが、これは間違った認識ですね。確かに金融マンの行き過ぎはありましたが…その事と世界経済のグローバル化とは、別の視点の筈です。この辺りの認識が、世界の政策指導者にあるかどうか…。経済活動の活発化には、お金が欠かせないのです。FRBのイエレン女史が、これからどんな判断を示すか…非常に重要なのです。おそらくNY市場の下げは、このG20の動向を懸念したものと思われます。株価が下がると、人間は何故か? その事を考えますからね。頭のいい人が、世界をリードしているのです。大丈夫でしょう。
さてカタルの考えるデッサンが共有できたでしょうか…問題は目先ですが…、指数で上下する環境ですから…8月の下げと同じように一過性の下げだと考えています。日本株は確実にステップ・アップしています。ROE重視の経営スタイルに変化し始めていますね。過剰な内部留保は自社株買いに変化するでしょう。先進国のROE経営は自然な現象です。悪戯に利益率の低い産業にしがみ付くのは間違いですね。日本はこれまで雇用の確保の為に無駄な公共事業投資など実施してきました。そうして死に体の産業にも資本を流したのですね。だから非効率になったのです。円安進行で原材料高を価格転換できない企業など…本来は日本に必要ないのです。
すき家のように…人手不足が報じられている環境だから、ようやく効率的な産業の育成が出来るのですね。だから労働の流動化は必要なのです。古い考え方を持ち出し、正社員が善で契約社員が悪だとか…の認識は、非常に非効率な考え方です。メディアの人はこの点を良く考えて欲しいのです。成功報酬型の仕事が一般化するのが当たり前、カタルは現役時代、自分のノルマを消化し、更に支店のノルマを消化するために奔走しました。それでも時間が余ったのです。だから仲間を誘い麻雀をしていました。基本的に証券マンのノルマなど…立会時間+α程度で消化できますね。付き合い残業などと言う…無駄な時間を使う必要なないのです。だから嫌になって歩合の世界に入ったのですね。成功報酬型の労働体系が広がるのが当然の帰結ですよ。
企業は弱者救済の場ではありません。企業の金で人を留学させ人を育てたのに…恩も返さず楽天の三木谷さんの様に起業する人間が増えていますね。グローバル化の論理と日本村論理の境界線を何処に引くのか…この問題ですね。市場原理主義者のカタルは、現役時代、アメリカの属州になれば良いとさえ思っていました。しかし日本にも良いところが沢山あります。話が、また逸れましたね。
目先の株価でした。おそらく200日線を割り込む辺りが下値の目安と考えています。現在の200日線は15123円ですね。だから15000円を割れれば…だいたい調整は底値圏になると考えています。カタルの考える任天堂型の三尊天井からの上昇なら…この後に訪れる新高値は果敢に買い進まねばなりません。怯んでは駄目ですね。日銀は追加緩和をして名目の世界へのスピードを上げるかもしれません。アクセルを踏み込めば…一気に加速する時間概念に既になっています。
良いですか…昨年5月の高値は、異次元緩和の理想買いですね。年末の新興御三家と指数買いの偽物相場が、その高値を取ったのです。今回はどうでしょう。新興御三家の活躍はないですね。日本通信の相場も終わっており、単にヘッジファンドの指数買いの仕掛けにより高値を更新したのです。たとえ、わずかでも高値を更新しているのです。この現象は確実に玉が沈んでいるのです。異次元緩和は、確実に実社会に浸透しているのですね。今度は人気株も生まれ、一気にこのラインを放れ2007年の18300円台の高値を抜く動きになると考えています。だからこの下げは非常に美味しい下げなのでしょう。
カタルは貧乏人だから…反転してから、買い参加しようと考えています。僅かな読み違えで…今度は投げたくないですからね。買える状態なのですが…もう少し待ってから参戦するつもりです。勿論、銘柄はケネディクス一本です。何しろAUMを1473億円も…この半期で本当に増額できるものなのか…やはり楽しみですね。この増額は全体の1割を超えますね。つまり年率換算では、20%以上の成長と言う事ですね。それでは、また明日。カタルの予想など外れると思って…無理をする事はありませんからね。株なんか、遅れるくらいが丁度いいのです。慌てて上手に買おうとしないことです。