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行き先は…決まってる(2014年10月19日)
疑心暗鬼ながら…株価は反発の兆しが見え始めています。もともとNY市場の株価推移も割高圏と言われていました。現状はPER14.5倍とか…の記事を見ました。過去平均は14倍だとか…つまり割高面が修正された株価位置なのでしょう。売る方も馬鹿ではありませんから、まだ在庫があったとしても…戻りを売りますね。でも基本的にメディアがワイワイ言うようになれば…峠です。これは当たり前の現象です。
今回は日本発ではなく…NY発のイメージですね。世界同時株安の現象です。今日の新聞には、この度の株価解説で、世界景気後退より…初めて?「リスク回避」の文字が掲載されていたように感じます。この「リスク回避」の文字には、様々な解釈が生まれますからね。これまでの流れからすれば、ドイツのロシア制裁の影響の表面化…から、最近は中国の停滞も含め、世界景気の後退面が強調されていましたね。しかしおかしいでしょう。好調な筈の米国景気が震源地になるなんて…。いくらグローバル化が進んでいても…です。だからカタルは清貧思想である「G20で表面化した金融規制」を疑っているのです。
中国では人民銀行が、先月、国営大手行に5000億元の資本を投下し、為替を17.4円とすると8兆7000億円規模ですね。そうして、今度は地方銀行に2000億元の供給だとか…。一方、米国は伸び悩む住宅投資の新基準が水面下で動いており、ファニーメイやフレディマックの信用補完姿勢が変わると…言われているようです。頭金が3%ですって…すごいですね。米国では特例ですよ。おかしいのは日本だけですよ。日本はマイナス金利になっても…札割れが生じているほどの「流動性の罠」が顕在化しています。なかなか…投資活動に火が付きませんね。日本経済の実質から名目への転換は、容易でないことを示しています。この為か…ケネディクスの株価も冴えません。まぁ、アイフルなどと比較すれば充分に強いとも言えますが…、全体の株安を跳ね返すような勢いは、今の所、感じられませんね。
先日、発表されたAUM残高推移をみれば分かるように…、社長が表明していた1兆4000億円レベルの達成が出来るのかどうか…怪しいものです。しかし反面、来期販売を見込むブリッジ投資と思われる大型の商業施設への投資も実施されていましたね。子会社保有のホテルも、阪急阪神ホテルズとの合意に至ったようです。まぁ、順調というか…程々のイメージかな。でも株価は正直です。きっと日銀の札割れなどの現象を、敏感に感じ取っているのでしょう。
日本の明暗を分けるのは、明らかに実質から名目の世界への転換です。
何故、ユーロ圏が、いつも、もたつくのか…。イギリスのEU離脱も言われるような状況は、資産価格の考え方にも起因しているのでしょう。トマ・ピクテ教授の講義は盛況だったようで…立ち見が出たとか…。基本的に彼の考え方は、資本・所得倍数の上昇、富のものさしである資本と所得が資本家に集中する格差拡大、つまり格差大国になった米国の歪みを指摘していますが、同時に…これは資産効果の役割を認めていますね。
GDP大国を維持できているのは、資産効果が健在な米国や中国などです。名目の世界への移行するためには…、現状は清貧思想が蔓延し、流動性の罠に陥っているので…、資産効果が生まれる政策実行が正しい戦略です。好調なロンドンは資産価格の上昇が鮮明でしたが、欧州全体では金融機関の弱体化で、資産効果が生まれてないのですね。米国と欧州の違いは、この辺りにも…起因しているのでしょう。板ガラスの100円割れは象徴的です。カタルは欧州の立ち上がりから、一時は、期待していた程だったのです。
異次元緩和により…と言うより、実際は…実施より政策転換を述べた期待感だけの理想買いに…現状の日本株は終始しています。なかなか二段上げがスタートしないので、米国の様にQE2(量的緩和政策第二段「実際は三段目」)のスタートが望まれます。日本株の明暗は、この辺りの政策実行にあるのでしょう。ルビコン川を渡っているから、既に行先は決まっているのですが…。問題は、アクセルの踏み方なのですね。今はチャンスですね。円が再び買われ106円水準です。次の金融政策決定会合は10月31日か、11月18日、19日の両日ですね。
いつもそうですね。カタルが政策批判を展開する時は相場が悪い時です。消費増税反動が長引く結果を受け、9月に実施するかと期待しましたが…株屋的な発想でしたね。どっちにしても、もう一本道なのです。政策議論をする余裕は、既にないでしょう。それだけ大量に日銀は国債を抱えています。この償還までの限られた時間しか残ってないのですね。だから政策官僚は、次々に政策を立ち上げていますね。法人減税と引き換えに賃上げだとか…相続税だとか…。何れも実質の世界から、名目の世界への転換を示すものですね。
まぁ市場が何処で、この現象を織り込みに行くのか…。既に決まった道と時間の戦いですね。今回の急激な下げで、カウラ売り比率が示すように…、完全に市場マインドは転換しています。今日の日経新聞の表現の仕方もそうです。カタルには二段上げの準備は整ったように見えますが…、果たして、現実はどう動くのか。この辺りの時間概念が理解できるようになれば、既にカタル君は億万長者なのです。それではまた明日。