凄腕ストラテジスト是山金蔵の

是金レポート

ワーカホリックOさん…他(2004年09月14日)

ワーカホリックOさん

Oさんは猛烈社員・・・言葉は悪いがいい意味でワーカホリックである。昔小川ローザで”オーモレッツウウ”というのがあったが、ほんまにオーモウレッツ
なのだ。本当にいつ寝ているのか?いつ休んでいるのかがわからないほど働く。むかしは猛烈社員というのがあった。(今は死語)まさに生きる化石・・・・・。毎日深夜2時 3時は当たり前!土曜日、日曜日もない!会社で働いているのである。

なんでそれがわかるかと言えば月曜日の朝PCを稼動させてメールチェックするとOさんから日曜日の深夜3時とかの時間帯で業務のメールが会社のPCから入っていたりするからである。「なんじゃこの日曜日の深夜3時のメールは?!」と驚く。しかも英語の超長文・・・・さすがの私も読まずに捨てることに対して気が引ける・・・・・・でも結局読まずに捨てるのだが・・・(と・・言うのは英語の文章を読むと強烈に眠気が襲って業務に支障がでるからである。業務遂行のために私は泣く泣く英語のメールは必ず読まずに削除することにしていた!

でもそれでやってきても外資暦14年!なんとかなるものだ!)
朝も7:30~8時には来る。でも昨日かえったのは大体午前2~3時。いつぞやはお客さんと飲んでいて試しに深夜電話したら、ほんまにいたので驚いた事もあった。気力も体力もぴか一!私も長い人生の中であんなの見た事がないと思った。本当にいつ寝ているのか?・・・・・・・・・・・・・・・・接待でお客さんと飲む。12時にお開き・・・その後会社に帰ってロンドンとミーティングする。しかも英語で・・・・土曜日お客さんと接待ゴルフ・・6時くらいに東京・・・会社にかえって業務に就く。私はいつも気が引けながら帰路につく。と・・いうのは私は休まなければ死んでしまうから!仕方がないのだ!Oさんはスーパーマンだ。体力・気力ともに・・・・・・

デリバティブが理解できない上司

ある日ある会社で株式先物部が株式部の傘下になったことがあった。株式部のヘッドが上司になる。その上司がある日質問してきた。
上司:「コールってのはなんだ?」
部下:「コールというのは一般には”買う権利”って言われています。」
上司:「なるほどな~でもそれを売るってことはどういうことだ?」
部下:「コールを売ると言う事はデルタがマイナスになりますからショートデルタ、ショートガンマですね。べガもショートになります。つまりボラティリティの上昇は不利になると言う事です。 プラスになるのはセータだけです。そういった意味ではリスクパラメーターを計測すると ネガティブな部分が多いという判断になり、一般的にはデルタに関係なくフォワードなみのリスクを考える場合が多いようです。」
上司:「お前なに言っとんじゃ?訳の分からない事をいうたらあかんで!?コールを売るということは買う権利を売るということだから、買いを売るんだろうが。ということは売り買いでちゃらってことだろうが!デリバティブのプロとか言うてたいしたことないな~もっと勉強せえよ!」と・・・・

こうなると悲劇・・・ある別の日

上司:「エクイティスワップってしっているか?」
部下:「はいしっています。今xx銀行でそのトランザクションを進めています。」
上司:「本当か?なかなかやるじゃないか!どんなやつだ?」
部下:「はい今回のトランザクションはヘッジのスキームで銀行の抽出された保有株式のリターンとライボーの交換という形を取ります。リターンスワップですね。」
上司:「??」
部下:「もっとわかりやすく言えば、海外にSPCをつくって保有株式を飛ばします。ポイントは真性売却で名義は本体に残したままになると言いうことです。そしてSPCのなかでヘッジをかけて、そのトラッキングをSPC2に飛ばします。このSPC2がトリプルAの債券を発行して、 銀行は真性売却で得た資金を使ってこの債券を買います。つまりこの債券は保有株式と先物のヘッジのトラッキングをもろかぶる事になります。真性売却で資産を圧縮し、しかも名義は残っている。圧縮された資産はトリプルAの債券に変わる訳ですから、銀行にはBIS規制上も有利な案件と言えます。」

上司:「お前な~いいかげんにせえよ。適当なことばっかし言って!本当のプロはな~誰にでも理解できるように言うもんだ。コール売りは売り買いでチャラというようにな!だいたいなんで株と変動金利がなんで交換できるんだ!だいたい株を売ったのに名義が残るなんておかしいじゃないか。もっと勉強したほうがいいぞ!」と・・・自分が理解できないものはすべて”もっと勉強しろよ!”で片づける。だいたい買う権利を売るからちゃらなんて発想がどこから生まれるのであろうか?