散髪屋のおばちゃん…他(2004年09月15日)
(番外編)散髪屋のおばちゃん
某社の近くにはおばちゃんがやっている散髪屋があった。ここの散髪屋は外資系の証券やアセット会社、著名アナリスト、ストラテジスト、在日代表クラスまで結構来る。おばちゃんはとっても耳年間。いろいろな話が入ってくる。しかも結構有名な著名人から・・・・・私が散髪にいくと必ずそういった話や相場の話しになるのだ。
「ちょっとさ~先日フェレリティ(フィデリティって言えない、舌が回らないのであろう)の人が来 てねXXが面白いって言うんだよね。どう思う?」とか・・・・「ゴールドマンの人がね、KKが良いって言うんだけど、どうしようかなって思ってんのよね~」とか「UUU証券の支店長がね1年前にTT通信買って大儲けしたのよ~やっぱりあのクラスだといろいろ情報は入ってくんのかしらね~」とか・・・「この間さ~RR証券のアナリストの人がねベーベーレシオ(BBレシオ)というのから判断したらHHHの業績が回復するから買えっていうのよ~どう思う?」とか・・
行くたびにいろいろな情報を持っているのだ。著名な人やえらい人も散髪屋では気をゆするのであろう。気軽にいろいろな話をするみたいだ。いろいろな裏話や情報が入ってくる。しかしそれを使えるかどうかは別の話・・・・おばちゃんは某国内証券と付き合いがありそこの課長にいろいろ買わされていた。
おばちゃん:「先日さ~WW証券の課長がさ~~この課長ってのがやり手なんだけどさ~いつも変な聞いた事のないものを買わせるんだよ。なにせやり手でしょ・・断れなくてね~」
私:「なに買わされたん?」
おばちゃん:「それがさ~見てもなにがなんだかわかんないのよ~えらい長い債券かなにかで金利も0.X%しかないみたいなの・・」
私:「それはひどいな~ちょっと低すぎるよね!しかもドルでしょ?なんで0.X%なんだろ?」と言っている時 私は髭をそってもらっていた。すると突然そのやり手課長がやってきたのである。
課長:「こんにちは~おばちゃんいる?あ!どうもどうも おばちゃんちょっと良いのが出たんで真っ先によったんよ!」
おばちゃん:「それよりもさ~先日のへんなの買うの止めたいんだけれども・・・」
課長:「え!!なんで!?あんないいものどうして?」
おばちゃん:「ある外資系の人に聞いたら金利も低くすぎるし、損だっていうのよ~」
課長:「え~おかしいな~海外と日本のスワップレートと為替予約考えたらいいっていうことがわかるはずなのに?外資系の人ならばそれぐらいわかるはずなのにな~」とおばちゃんが素人だと思って強烈にええかげんなセールストークを駆使する課長・・・
おばちゃん:「そんなことよりあれなしにしてよ~」
課長:「え!?それはもう無理だよ~あ!!ごめん!!ちょっと急用思い出した。おばちゃんまた来るわ!」とそそくさ退散してしまった。
おばちゃん:「ね!やり手でしょ!」一体なにがやり手なのかはまったくわからなかったが、入ってくる情報を消化するのって難しいな~と感じたものである。
ゴルフ好きなRくん
Rくんはとってもゴルフ好きである。
若いのにハンディが10とか12とか行っていたと記憶している。それだけに力の入れ様は普通ではなかった。いつも頭の中はゴルフ、ゴルフ・・・・・時間のある時はいつもパッティングの練習をしている。近くにスポーツジムがあり、そこに絨毯ではあるがパッティングが練習できる場所があった。Rくんはそこに入り浸り・・・・・・
昼休みは当然そこで練習。みっちり1時間はやる。
「ここは絨毯の目がこまかいので練習にはいいんですよね!毎日やるとタッチの感覚がちがってくるんですよ!」と・・・昼食は自分の席で練習がおわってから。仕事中でも暇や隙があるとジムに行って練習・・・・・では時間がない時はどうするにか?
答えはパターがいつも用意してあり”絨毯の目が粗いのとカップがないというやや納得行かない部分はあるものの自席の周りでパターの練習”である。
「いまいちタッチの感覚がわかんないんですけど、いつもグリップを握っていないほうがリスクは大きいんですよ!」とのたまう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
彼が近くにいる時にゴルフの話でもしようものならば、突然話に参加して「それは違いますよ。そんなことだからいつまでたっても100前後なんですよ!」と言われてしまう。ある日 Rくんに言ってみた。
「Rくんはすごいな~そこまでゴルフだけに集中できて。」と・・”だけ”という部分にクレッシェンドでアクセントを思いっきりつけて、いやみたっぷりに言ってみた。
すると「まあ私ぐらいになろうと思ったらそれぐらいの努力はしなきゃだめですね。もっと私を見習ってください!」と真顔で返されてしまった。
私は「その努力を仕事にむけなよ”!」という言葉を用意していたのだが、その言葉を出す事の無意味さを感じさせる返答だった。・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある時逆に質問されてしまった。
「そんなにゴルフもしないし、お酒も飲まないですよね?いったいなにが楽しくて生きてんですか?たしか女もいないですよね?」と・・・・なんという単刀直入・・ストレート・・これにはさすがになにも言えなかった・・・・言葉がないってやつ・・しかも年下なのになんという無礼な・・・・彼は”ゴルフ=人生”という構図ができており、それをしない人は人生の楽しみ方をしらないという考えに支配されていた。
「ほかにも楽しい事いっぱいあんのにな~」と思っても、それを言う事の無意味さを感じさせるRくんだった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そう言えばある外資系銀行にはゴルフの練習スペースがたしかあったと記憶している。机4つ分くらいのスペースが隅っこにあり、練習マットとウエッジが何本かあった。そこで社員が素振りをしているのをなんどか見た事がある。あ・・そうそう確かアプローチもできるようになっていた・・・・クッションにむかってうてるように・・・・・