« 2005年03月 | 戻る | 2005年06月 »
2005年05月19日
何故日本株を買わないのか?
ヘッジファンドが破綻のうわさを受けてNY発の急落相場であったが、徐々に海外市場は落ち着きを取り戻す。5/18にNYが132ドル戻ったことで、ほぼヘッジファンド破綻というなんの根拠もないうわさが出る前のレベルまで相場は戻ったこととなる。
まあ破綻はうわさだけで本当になにもなかったわけなのだが、(うわさによる解約ってのはあったようだが、うわさって本当に怖い。。。)戻って当たり前なのだが、なかなかそうはいかない市場もあるようだ。
日経平均、TOPIXと年初来安値水準からなかなか脱出できないでいる。ザラ場の雰囲気もなんか悪くて、一言で言えば「なんか上がる気せえへんな~」という感じだ。
日経はいまだ800円、7.5%も下の水準である。今回の下げはGLG破綻のうわさがNY下げにつながったNY発株安の構図。
その本尊が戻っているのに、その余波をうけて下がった日本市場は戻れない。。。
悪い材料だけでなく、。先日のGDPのようにいい材料でさえ粗を探して悪いほうへ悪いほうへ考えてしまう展開。
そして識者と称する人々は、何故いい材料のはずが悪い材料と化して相場が下がったかを、解説する。
それってなんか違うでしょ?アホちゃうか?いいものは素直にいいって思えばええのとちゃうのお??
5/19の日経新聞の18面を見ると、東証一部予想PERが半年振りの低水準とある。1株あたりの純利益が増えているのに、うわさで株価が急落して安値で推移、その結果予想PERが18日時点で連結18.71倍に。。。。
記事にもあるが日本を代表する一流企業が7倍とか5倍といった信じられないところに位置している。しかも経済と企業業績のトレンドは上向き。
これが大きなポイントなんや。トレンドが上向き。アメリカや欧州は同じPERでもトレンドは下向きか横ばいなんやな~ぜんぜん違う。
新聞ではあるストラテジストが売られている要因を「相対的な割安感は強まっているが、素材産業を中心とする数年後の利益減速懸念が重しになっている。」と述べている。
数年後の利益減速懸念????それが重し???今期はOK、来期もOK、その次もOKで。。。数年後利益が減速。。。。それでもう売るの????PER5倍の企業だったら3倍くらいになっちゃうんじゃないのかな~そいでもって配当利回り2%とか3%とかあって、もしかしたら増配するかもしれへんのでしょ。
それってどう考えても安かない?第一、数年先の利益なんかいったい誰がわかんのお??。。。。と素直に感じるのであるが。。。。
坊主にくけりゃ袈裟までにくい。。。なんでもかんでも売りの材料にしてしまっているのが今の日本の相場。数年後の利益減速懸念って。。。あんた。。。。。数年後は企業努力でもっと利益あがっとるかもしれへんでえ~
PER10倍以下で配当利回り1~3%、中期成長率10%。。。。こんな企業がご~ろごろ。仮に目先株上がらんでも、ここで買わなどこで買うんだろうか?
2005年05月18日
ヘッジファンド破綻の条件
先日某ヘッジファンドの人と話をしていて”ヘッジファンド破綻の条件”という話題になった。
ヘッジファンド破綻と言うのはどういうことを指すのやろうか?と
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
1.某ファンドEファンドみたいに30%ロスカットルールにひっかかってポジションを全部アンワインドさせられる。
2. LTCMや某国内大手マルチストラテジー型のEファンドみたいに、Prime Broker(PB)からマージンコールがかかったにも関わらず、それを埋めることができなくなった。おまけにポジションはPBに取り上げられちゃっって清算された。
ふつうはこの2つがヘッジファンドの破綻だ。
もう一つ加えるなら、バリュー投資専門のPみたいに(途中)解約に応じなくなった場合も私は破綻だと思う。と。。。言う話になった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回は破綻などではなく、”破綻の噂”の一人歩きである。怖いのは、パフォーマンスの低迷===>うわさの一人歩き====>解約の増加====>さらなるパフォーマンスの悪化....のスパイラル的にシュリンクへの恐怖だ。
そう今回の破綻話のポイントは、銀行の取り付け騒ぎのように”あそこが危ない”的な話がひろまって、ほんまに破綻するところが出てくることだ。
しかしあまりに実態が無いため、現状においてはそういった極端な動きも見られない。
ヘッジファンドの収益悪化は市場のボラティリティが低迷しているからに他ならない。ボラティリティさえ回復すれば、収益はいっきに回復する可能性がある。
じゃあボラティリティを上げればええのじゃない?と出てきたのが今回のヘッジファンド破綻話ではなかろうか?それによってボラティリティが上昇すれば、うれしいファンドは数多い。。。。。。
で。。確かに一時的のボラティrティは上昇し、相場はレンジを変更した。が。。すぐにボラティリティも収束する。
ヘッジファンド破綻のはなし。。。もうええかげんに飽きたからそろそろやめにせえへん?
2005年05月13日
ヘッジファンド破綻??
米市場がヘッジファンドの破綻懸念で下げたと言うコメントが市場に多く見られる。
先日朝のニュースでもホリコ氏がこれに関して言及していたが、皆少し敏感になっているようだ。
それはヘッジファンドが1万ファンド、1兆ドルを超えると言うマーケットになっているからである。そして知らない人はどうしてもLTCMに関連づけて考えてしまう。「えらいこっちゃ~またヘッジファンド危機かいな。」と。。全世界でLTCMを救済にいったあのときの姿がダブル。。。
高いレバレッジ、流動性の問題、リスクの高い資産からの逃避。。。。その結果ファンドはアンワインドできなくなり、PB(プライムブローカー)はポジションを凍結し、結果破綻に追い込まれる
一番懸念されるのは
①若干言われているようなポジションがあり、損失をファンドが被る。
②うわさが広がり、ファンドが破綻するのでは?という風評が広がる。
③風評が広がり一人歩きする。
④投資家に不安が広がる。
⑤一部の投資家に解約の動きが出始める。
⑥解約の動きが徐々に広がり、ファンドは流動性の低い資産にも手をつけなければいけなくなる。
⑦ファンドのパフォーマンスがより悪化する。
⑧解約がより広がる。
⑨資産が凍結される。
⑩破綻。。。。。
という風評リスクが破綻につながるケースであろう。まあ銀行の取り付け騒ぎのようなもの。
では実際こういった状況になるのであろうか?破綻がうわさされたファンドはGLG、Highbridge、KBC,QVTといったところでこれらの個別ファンドの詳細な情報をとることは難しい。
しかし耳に入ってくる情報をまとめると破綻などではなく、ただたんにGMなどのポジションにおけるCDO、CDSと言ったクレジットの損失が膨らんだというものだ。
しかもうわさされているファンドには実際損失さえ被っていないものもあるようだ。うわさされたヘッジファンドはええ迷惑である。
ヘッジファンドが思惑をはって失敗し若干の損失を出しただけ。。。こんなことは日常茶飯事である。騒ぐほどのことか????
加えて現状のヘッジファンドの投資家層を考えればパニック的なことにはならないことがよく分かる。
通常ヘッジファンドの投資家はFOFが多いのである。
当然、投資家であるFOFはプロである。素人投資家の単なる金持ちと違い、きちんとしたデューデリをした後ファンドを購入する。うわさでオタオタすることはまずない?
またFOFはメジャーリスクやリスクメトリックスと言った高度なリスク管理システムを使っているところも多く、ファンドの中身までほぼ把握しているところもある。今やFOFは中身のファンドに対する情報をかなり把握できる状況なのである。
そしてそれぞれのファンドの特性を考え、リスクを見て、FOF自身がそのリスクをコントロールできる範囲で通常FOFに組み入れる。
リスクが大きいファンドの組み入れは当然小さくなる。1%とか0.5%とか。。。。ゆえに慌ててアンワインドなどという動きがでるのか????出ないのか?は考えれば分かる。でないのだ。
LTCMの時とは明らかに違うし、状況も違う。加えてあの時はヘッジファンドの運用は完全にブラックボックスで、それがまた投資家の不安心理を増幅させたのだ。今はかなり透明性も高く、損失の理由もはっきりしている。
”ヘッジファンド破綻”。。。。。。。話はショッキングなのだが、そんなマーケットのボラティリティが上昇するような話でもないと感じる。
そしてこれはあくまで”うわさ”なのだが、今回の話はどこにでもあるヘッジファンドがポジションを間違って損失を出したというものだ。通常ならば大騒ぎどころか、たいした話題にもならない。これがここまで大きな話になるということは、このRUMORを意図的に流したものがいるのでは?
今市場はボラティリティが極度に低い。この相場を張るものはボラティリティが低いと収益チャンスを失う。
ゆえに今回のちょっとした話を意図的に大きく流してボラティリティ増幅をねらったのではないかという
話も出ている。
いずれにせよたいした話ではないのである。うわさに振り回されてはいけない。
2005年05月02日
反転上昇か?
GWということもあり、なかなか積極的に買い進めない状況だ。中国のデモも沈静化に向かい、アメリカの企業業績に関してもやや安心感がでている状況で(経済に関しては懸念?)、今度は国内の企業業績に関心が向かう。
「業績がええことはわかっとるのやが、思てるよりもええかどうかが問題なんや!」
希望的観測が高すぎると、今度はその希望に企業の業績がついて来られるかどうかを気にするようになる。
高すぎる予測に実測がついて来られるかどうか。。。。。。。
しかし業績がええことには変わりは無い。仮に景気が構造論の上昇トレンドの中での循環論の調整局面であったとして、企業業績がよくてバリエーションが低ければなにも怖いものは無い。買えばええのだ。しかし人間は欲深いもの。。。。。大底で大量に買って、買い終わった瞬間、暴騰を演じなければ納得しないのである。
仮に大底でも買っても上がらなければだめであって、1年間塩漬けなんて誰もできない。だから不安要因が少しでもあれば様子を見る。今はその様子見の状況にある。暴落前と基本なにも変わらないので、安くなった分、割安に買えて、高値を追わなくともええのに、皆買いを見送る。。。。。。。。。。。。。。。
暴落前のトレンドが出ている最中だったら、なんぼでも買うたのにね~
そして価格が下がるとネガティブな側面に目が向かう。たとえば価格転嫁。。。川上はええけど、川下は価格転嫁がすすまずに苦しい。。。そりゃそうだ、でも日本の企業には底力がある。プラザ合意以降の円高にもめげず、ハイテク輸出企業は利益をたたき出してきたではないか?鉄鋼会社もデフレの波に押しつぶされそうになりながらも、やっとのことで現状のような利益の出る体質へと変わってきたのだ。
川下は苦しい。。。でも思っているより利も早く意外と利益が出るようになるのではなかろうか?そうはいっても業績はええのだから、仮に暴落すれば積極的に買い進めるつもりで、ここから買い下がればどうか。。。。。
と。。。言うことで大底はうった可能性は高い。そして現状は底値に近いポイントだ。が。。。。。しばし動き停止。。。。理由は「買うてもすぐに上がる気~せえへんからな~」だ。
でもそういった時に買わへんとなかなか儲からへん。