凄腕ストラテジスト是山金蔵の

是金レポート

弱気派、強気派(2005年09月15日)

日経新聞に 投資を考える。。。外国人はどう動く。。。。。。。。。。
と言うコラムが14日、15日に出ていた。

通常この欄は”強気派と弱気派”がでてまったく正反対のことを言うのであるが、両日ともに皆強気の意見である。

14日
ジョンアルカイヤ氏は今年度中にコア30が牽引して日経平均は14000円を超えると言う。
クリスポルトーニ氏は1年後13000~15000円と言及する。
15日には
ディングマン氏は日経平均は1年後には14500円まで上昇と言う。
グレゴリー氏は外国人は日本株を買い増し、個人の買い意欲も高まると言う。

もう市場には弱気派はいなくなったのであろうか?

デフレ論者はすでに消滅。原油がこんだけ暴騰して素材価格はぶっとび、最終消費財に価格転嫁が
進んでいる現状で”まだまだデフレ”だとはとても言えないだけか?

それと同じでこれだけ株価が好調で設備投資の国内回帰が進み、14日1面にあるように製鉄所が14年ぶりに国内に作られるといった状況に、消費の拡大が加わり、企業業績に支えられた堅調な株価を前に”株式暴落”と唱える識者は影を薄める。。。。。。。。。。。。。。
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皆が強気になってしまえば相場は終わる。
それは事実である。
ネットバブル時がそうだった。
皆が強気になり、買いに走り全員が買ってしまったら、後は下がるだけ。。。。。
大暴落が待っていたのである。

だが今とそのときはでは違う部分が多い。まずバリュエーションが違う。ネットバブル時にバリュエーションなんてなく、株価をどうやって正当化するかがポイントとなっていたくらいだから。

次に経済のトレンドが違う。当時はネット業界だけが一人バブルで他の世界ではリストラの嵐であった。

企業業績が違う。
消費が違う。
設備投資の動向が違う。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。とさまざまな違いが見て取れる。
そして最大の違いは、投資家がそんなにパンパンに買い持ちになっていないと言うことだ。
強気に割りには皆押し目待ちで”ソフトバンクは50万円になる。”といった恐ろしいレポートも出ず、個人の信用売り残はすごい状況にある。(ただ信用には個人の制度信用分と法人のニュートラル運用の一般信用分があり、一概にどれがどれとは言いがたい。また個人の売買タームが短く、昔のように耐えて耐えて、最後にいっせいにふむと言った状況にはならない。)

皆が強気なんだけれども、意外とポジションを持っていない。それが今の状況である。目先押し目を入れる入れないって話はあるが、中長期的に”けっこう凄い”上昇トレンドを形成するのは間違いがないものと思われる。

では本当に市場には弱気派はいなくなったのであろうか?

実は金融市場全般という意味で言えば、債券市場のプレーヤー中心に、日本景気に対する弱気派は結構多い。「実態経済を考えれば株があんなに上がるのは理解不能。金利は当面上がらない。」
という見方がまだまだむしろ大勢なのである。だから債券がまだあんな低金利で推移できるのだ。

つまり、債券が本格的に売られ始めないかぎり市場全体が強気になったとは言えない。

株屋は基本的に株式市場の参加者しか見ていない。でももっと広く見渡せばまだまだ弱気。。。。。。。。。。。。

そうやな~債券別に暴落してへんもんな~ってことはまだまだ景気に対する見方は懐疑的で「どうせこんな株高続かないぜ。どっかで景気は腰折れして金利は一段と低下するにきまっているぜ!」って思っているのである。
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そうであれば株価が今の上昇トレンドを中長期的に継続するのは間違いがない。(目先はそろそろって思うんだが、これがなかなか。。。。。。。。。。。。)景況感、企業業績にくわえて需給までもがポジティブに作用しているのだから。

株式関係者、債券関係者全員が「これもう株式上がるしかないやろう。」って思い始め、全員がポジションとってしまうまでまでまだまだ安心って感じなだ。