凄腕ストラテジスト是山金蔵の

是金レポート

FOFに関して(2006年10月18日)

今日は某UKのヘッジファンド(籍はケイマン)のCIO(外国人)とミーティングをした。やはりねえ~話題はアマランスになる。

そのファンドはFOFなんだが幸いなことにアマランスは投資対象に入っていなかった。FOFもデカイのになると数千億円~1兆円規模になる。運用残高が数千億円ともなるといくらパフォーマンスがよくとも細かい数十億円~百億円程度のファンドを組み入れてもしゃあないのである。

1兆円で10億円組み入れてそのファンドが20%で仮に回ったとしても
10億円×20%=2億円
2億円÷1兆円=0.02% 
つまり元もファンドは20%も回ったのに、FOF全体ではわずか2BPしかパフォーマンスが上がらないと言うことになるのだ。これではやっても意味がないし、ファンド数が増えるだけデューデリジェンスの手間
がかかるだけ。

結果金余りからヘッジファンドもFOFも巨大化する中、その中に組み入れられるファンドは大きなものに限定されることになるのだ。

その点アマランスなどシングルのマルチストラテジーのファンドだから巨大FOFのもっとも触手が伸びるところである。結果かなりのFOFがアマランスやマザーズロックを組み入れた。

そして崩壊。。。。。

これはあたまかもCDOやCMBS,CDSなどでメザニン投資をして、倒産確率である程度隔離されているとはいえ、少し引っかかってしまったと言うのに近い。クレジット投資(特にメザニン投資)におけるこういったリスクは、FOFにおけるヘッジファンドの破綻リスクに似ている部分がある。

ちょっと話はそれたが、FOFが巨大になりすぎると結局同じようなヘッジファンドしか組み入れできなくなり特徴が次第にうすれていくこととなるのだ。

そして投資行動が一方通行となっていく。ヘッジファンドと言えども運用に特徴がどんどんなくなっていくんだよね。