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株式教室

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テクニック(2005年11月12日)

みなさん、こんにちは。前二回の株式教室は如何でしたか?
第一回は直接金融の仕組みを考え、第二回は成長株の驚異を学んだ事でしょう。本もそうですが、何度の読み返す事により、より自分のものになっていくわけです。頭の中で理解する行為と、何度も繰り返す行為は、大きな意味の違いがありますね。何故、板前の修業などで、同じ行為の繰り返しを(芋の皮むきなど)させられるのか? 実はひとつの単純な作業の中でもいろんな事を感じることが出来るのでしょう。この章を読む前に、もう一度、第一回目、第二回目のコーナーを読んでから、この第三回目を読んだ方が何人いらっしゃるでしょうか? 繰り返せば、やがて自分のものになる時間が早くなるでしょうね。

前二回の株式教室で、言いたかった背景は銘柄の選択は、時代背景にあったものを選択しろと言うことです。だから今、世界中で起こっている色んな事象に敏感にならなくてはなりません。ヨルダンでテロが起こったけれど、ヨルダンって何処だっけ? テロの背景は? フランスの暴動の背景は? 何気ないニュースは株に影響しているのです。カオス理論ですね。海の向こうで羽ばたいた蝶々の風が、やがて日本で台風を巻き起こす。そんな馬鹿なと思うでしょうが、株の世界でも株価の意味は、いろんな事を暗示している事がよくあります。何気なく付ける高値や安値の意味なんか、多くの人は考えた事はないでしょうが…まぁ、兎も角、世情観は大切なのです。

さて昨日、むかし社員時代の想い出を書きました。第一中央汽船ばかりを、売り買いしてお金を膨らますやり方ですね。かたる銘柄の特徴は、3年程度、株価上昇をする銘柄を選んでいる点にあります。業績動向が基本になっているのですね。一旦、回復し始めれば多くの会社は、3年程度は良い時期が続くものです。今日はその株価トレンド利用する売り買いのテクニックを考えます。下のチャートは、嘗てのかたる銘柄の日産自動車のものです。当時の2000年から2001年のものを用いてあります。

r20051112a.gif

仮にA地点で10000株の日産自動車を買って、F地点で売ったとすると、いくら儲かったのでしょう。351万円が890万円になったので539万円が儲けですね。(以下の解説では全ての手数料などの諸経費を計算しません。)つまり2.5倍になった計算です。

一方、信用取引を利用して最大限買ったとすると351万円の株券の掛け目は80%で評価されますから、現金換算で280万円になります。30%の保証金で買える最大規模は933万円ですね。…と言うことは、株価が351円なので26000株買える事になります。この建て玉を、さっきと同じようにA地点からF地点まで持っていたら、(890-351)×26000=なんと1401万円になります。現物株の儲けと信用分の儲けを合わせると、539+1401=1940万円になりますね。これはすごい、資金が元の5.5倍になりました。

さて次に上手く売り買いを混ぜ、投資額を増やしていったらどうなるでしょうか?
先ず、A地点で現物株と信用株を両建てします。つまり10000株と26000株、合計36000株買うのです。そうしてB地点の639円で全株を売却します。639+(639-351)×2.6=1387万円になりますね。

しばらく待って、C地点の455円まで下がった段階で、また同じように現物と信用で買うと、現物で3万株買えます。455×0.8×3=1092万円の現金換算で最大限の買える株数は、1092÷0.3=3640万ですから、3640÷455=8万株、信用で買える計算になります。合計で11万株ですね。
次にD時点の764円になったら、再び全株を売ります。764×3+(764-455)×8=4764万円になりますね。ここで株価の下落を待って、再びE時点の596円で最大限の買いを実施します。4764÷596=79000株買えます。この余力で最大買える株数は、596×79000×0.8÷0.3÷596=210000株になりますね。現物の79000株と信用分の21万株合わせて28万9000株です。

最後にF地点の890円で全て売ったら、890×79000+(890-596)×21万=なんと1億3205万円になります。351万円のお金が1億3205万円です。実に37倍になったのです。波動に合わせ効率的な机上論から言えば、空売りをして買戻し、ドテン買いをすれば、もっと効果は高まりますが…

これはあくまでも机上論の話しです。しかし投資のヒントにはなるでしょう。かたるがいつも言っています。銘柄の選択ではないと…儲ける事は売り買いするテクニックと精神論にあるのです。考えて御覧なさい。1万株の現物投資なら誰にでも精神的な負担など掛かりませんが、合計最大株式の28万9千株の投資に、あなたの精神は耐えられますか? しかも借金で賄っている資金なのです。

机上論なのですが、何故、37倍と言う天文学的な増え方をするのか?
多くの人が出来ないから、そのような倍率で資金を増やせるのでしょう。351円の株価が890円と言う、たかが2.5倍の相場で、これだけの効果が上げられるのです。みずほは最安値の58300円から846000円になっているのです。実に14.5倍ですね。スケールの大きな相場です。

信用取引は包丁のような存在です。上手く利用すれば料理などに利用でき便利ですが、使い方を間違えると人を殺める凶器に代わるのです。信用取引は諸刃の剣。非常に危険な取引なのです。現物投資なら限定的な損に過ぎませんが、信用取引は違います。あまり安易に考えない方が良いでしょうね。上記のような机上論の投資など現実には有り得ません。しかし利用できるテクニックだから株式教室に採用しました。銘柄の情報などより売り買いするタイミングの重要性が問われるのですね。しつこいようだけれど、信用取引は非常に危険だからね。危険性をよく考え、利用されると良いでしょうね。出来れば専門家にアドバイスを受けるのが良いでしょうね。