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株式教室

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景気循環(2005年11月19日)

こんにちは、「未来かたる」です。株で儲ける為には様々な基礎知識が必要になります。第一回目は「直接金融」と言う市場経済の要を学びましたね。第二回は成長株のすごさを学び、第三回は効率的な株の儲け方を学びました。前三回の株式教室では大きな流れを捉えることの重要さを学んだと思います。大勢観が重要だという認識を持てたでしょうか?
初心者には少し難しいと思われるかもしれませんが、小学生じゃないですからね。読者の方は既に立派な社会人なのですから、株で儲ける為の基礎知識を学んでいるわけです。今日は「景気循環」について考えてみたいと思います。

実は景気循環と株式相場の物色される銘柄(業種)の関係は決まっているのです。過去に蓄積されたデータや論理的な考え方によって、景気が回復するときには、どの業種を買えば、一番効率が良いか? そう言うデータがあるのですね。一例を言えば、景気後退期に景気循環の影響を受けにくい、薬品や食品のセクターが活躍します。何故でしょう?
人が生活するのに欠かせない食品は、景気が良いからと言って食べる量は変わりませんし、病人が景気動向によって、増えたり減ったりすることはないですよね。だから、どちらかと言えば、これらの業種の株式をディフェンシブ・ストックと分類し、景気後退期に活躍する業種と捉えられています。だから、今の相場のように、景気回復期に株が上がることはあまりないと考えて良いですね。

このように、景気循環を捉えることは、非常に重要な事です。そこで景気循環を捉える為に様々な統計が取られていますが、今日はそのなかで代表的な日本銀行が調査している「短観」(企業短期経済観測調査)から製造業の業況判断指数と言う、景気が良いかどうか? アンケート調査した指標を取り上げてみました。下の図の紫の部分は景気後退期で、白い部分は回復期です。今回の景気回復が来年の10月まで続きますと、戦後最長記録の「いざなぎ景気」と並ぶ事になります。今回は最長記録を更新する可能性が非常に高いのです。何故なら、その図の全ての景気波動が、来年にかけ上昇波動に移るといわれています。産業革命などの技術革新によって起こるコンドラチェフの波、建設循環のクズネッツの波、設備投資のジュグラ-の波、そうして在庫投資のキチンの波、全ての波動が再び上昇を目指すと言われています。解説はこちら…

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景気が良くなれば、企業の業績は大きく伸びます。今回は「グローバル化の波」の影響が大きく、わが国の産業に寄与してくることでしょう。日本が日本村から脱却する為の準備が「失われた15年」なのです。一昨年のみずほの一兆円増資はすごかったですね。あの環境下で一兆円を集める銀行の力は大きなものがあります。政策官僚が自らの失敗を銀行に押し付け、その清算が、銀行の大規模増資だったのです。公的資金注入と混ぜ合わせた増資の意味は、非常に大きなものがあります。政・官・民の癒着構造が断ち切られた日だったのです。読者の中で何人の人が、あの日、日本は変わったと感じたことでしょうか? 58300円のみずほ株は、なんと885千円になるのです。実に15倍ですからね。すごい相場です。

さて、ここでは景気循環と言うものがあるのか…と言う事さえ学んでもらえれば良いのです。次回は景気循環のどの場面で、どの業種が活躍するのか? と言う一般論を考えて見たいと思います。