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景気循環と相場展開(2005年12月03日)

株式教室の内容は難しいですか? 分かり辛いでしょうか?
前回は景気循環と金利の上げ下げを中心に、GDPの中身を言及し、金融政策と財政政策の景気政策に触れ、金利の上下による企業業績と株価を学びました。少し欲張りすぎたかな? かなり予備知識がないと理解できなかったかもしれませんね。企業の収益が上がると、一株あたりの利益が増え株価が上がります。高株価の会社の業績を見ると、多くの会社は、高い一株利益を保持しています。逆に株価の低い会社は一株利益が低く、なかには赤字の会社もありますね。

景気循環と株式相場の景色図を勉強しようとしているのですが、前回の内容に、もう一つ理解しておかなければ、これから話す内容が分かりませんからね。もう少し真打登場の前に前座が必要なのです。

r20051203a.gif利益の源泉は売上です。この売上がなければ、話になりません。成長会社と呼ばれる会社は、必ず、この売上が伸びています。ところが、売り上げは伸びているのに、利益が伸びていない会社があります。代表例はソフトバンクやグッドウィルですね。両社に共通しているのは、拡大戦略をとっているためです。売上以上に設備投資をしているのですね。この設備投資の言葉のなかには機械や建物・土地等の他に、人材投資も含めます。人を雇っているのです。売上の伸びと、固定費用、変動費用の関係を示したのが右のグラフです。

全ての経済活動にかかわるコストは金融費用なのです。その費用の割合を決めるのが、日銀の金融政策です。景気動向によって公定歩合操作などで市場金利を上下させるのですね。GDPの割合を見ると分かりますが、小さな政府を模索している割合に公的部門への依存は大きいですね。この割合は構造改革によってドンドン縮小されるでしょう。しかし総額のGDPを伸ばさなくてはなりません。そうしないと株価が上がらないのです。世界競争に負けるわけに行かないのです。一人当たりのGDPの伸びが豊かさの象徴なのですね。

今、景気が良くなっているのには、色んなわけがありますが、その一翼を担っているのが、設備投資です。企業の景況感がよくなってきたので、盛んに設備投資をしています。少し前に作ったシャープの亀山工場などは有名ですね。今はトヨタが大掛かりな設備投資を行っていますね。コマツの作る大型プレス機械など、かなり先まで受注が埋まっています。この設備投資が公的部門の支出減を補って、尚且つ、景気を引っ張っているのです。やがて忙しくなると、人が不足します。残業が増えたりし所得が増えますね。更に忙しくなり、それでも足りない人材を確保する為に、企業は賃金を上げて人を確保しようとしますね。

今日の日経新聞のTOPには「好業績企業賃上げ促す」となっており、GDPの消費額が増えていくのです。金利を下げ、公共事業投資などの政府支出が景気を刺激し、民間の設備投資に向かい、やがて本家本元の消費が増えだすと、景気の拡大は拍車が掛かります。日本はこの公的部門に対する依存が大きいので、これを減らして、構造改革をしての景気拡大なので、現在の景気拡大期は非常に強い状態なのですね。だから、戦後最長記録だった「いざなぎ景気」を抜く可能性が高いのです。

ところが、経団連は黄金株の採用を東証に迫り、村上ファンドの台頭により、普通に投資しているファンドの動きが、新たな規制を受ける方向になっています。非常に危惧をしています。両者の考え方は、生産者側に立った見方なのです。日本は何年も内需拡大を問われましたが、生産者保護の政策が強く、なかなか消費者優位な仕組みになっていません。正しい競争社会を創らないと、無駄ばかりが増えるのです。政・官・民の癒着を断ち切るのが必要なのに…経団連の馬鹿が、情けない。正しい競争を促進するにはメディアの改革が必要なのです。フジテレビ、TBSと新興勢力は撃退されました。情けないですね。

GDPの消費に影響するのです。既にFTAなどで保護政策ではなく、世界競争をして、真の世界一を目指す時期に来ているのです。ドンドン改革スピードを上げなければ、GDPは正しい伸びをしないのです。規制があっては消費は伸びません。一例を挙げると、ユニクロの躍進は内外価格差の是正なのですね。規制で守られた業界への殴りこみです。日本の価格と海外の価格が違う原因は、多くの場合、日本の仕組み社会が壁を作っているのです。この壁を壊さないと豊かな生活が手に入りません。

話がそれたので、この辺で本論へ戻しますね。
金利政策→財政政策→設備投資→消費と言うのが基本的な景気巡回のパターンです。
この一連の動きのなかで一番潤う業種を選んでいけば、株式投資で儲かるはずですね。その動きを示したのが、前回の表(金利、業績、株価)です。あれれ、やはり金融相場の解説に行くまで下準備が大変で押されましたね。

金利が下がると、一番儲かる業種はなんでしょう?
そうです。借金をしている業種ですね。商社は代表的な業種ですし、その他金融のサラ金やクレジット会社、リース会社などもそうですね。だから双日やオリコなどのかたる銘柄が選ばれていたのです。今回は少し意味合いが違いますが、銀行もそうなのです。(みずほを盛んに薦めていたのも、金融相場の核の銘柄なのです。)預金金利は直ぐに下がりますが、貸出金利は、なかなか下がりませんからね。更に、銀行は大量の国債を保持しており、通常、金利が下がると国債の含み利益が生じ、有利になりますね。

通常は、景気循環により基本的に買われる業種と言うのが存在します。川の流れに逆らって泳ぐより、川の流れに乗って泳いだほうが、ずっと、速いですからね。このように景気循環に沿った銘柄選択をしたほうが、銘柄も良く上がりますね。勿論、景気循環に影響を受けない企業成長を示す成長会社も存在しますが、投資と言う観点から考えれば、景気循環に沿った投資をしたほうが効率は良いのです。前座が長くなり、真打登場は来週だね。再び来週は金融相場について、もう少し詳しく解説します。お楽しみに…