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テクニカル(ローソク足とトレンド)(2006年01月28日)
今回はテクニカルの番ですね。株式の価値を考える基本は、あくまでも業績などの財務指標です。今、話題のライブドアの一株辺りの純資産は185円となっており、現在の139円の株価はこれを下回り、上場が維持され有価証券報告書が正しいなら、買う根拠がある事になります。(このPBRについては次回で解説の予定です。)一方、株式を短期的に売り買いする人達にとって、相場の流れが重要になりますから、短期的な需給動向を現すものがテクニカル指標です。様々な形が開発されており、今日は一般的なローソク足を中心にトレンドの話をしたいと思っています。
株価を決める取引を「立合い」と呼び、その立合い時間は、朝9:00~11:00、12:30~15:00の二部制で日本では行われていますが、世界標準は途中で休みを入れずに、続けて立合いをする方式を採用している所が多いようです。最初に付く株価を「初値」と言い、一日の一番高い株価を「高値」、一日の一番安い株価を「安値」、そうして最後に付く株価を「終値」と言います。この4本の株価を図に表したものが右のものです。
図のようにチャート(罫線)は白と黒の棒で一日の株価の動きを表しています。終値が初値を上回ったものを白で表し、終値が初値を下回ったものが黒で表されています。上に向かう線が高値を示し、下に伸びるものは安値を示しています。1本の棒は、一日の動きを示したものです。これを日足と呼び、同様に1週間単位で作成したものを週足、月足、年足など様々なものがあります。最近では短期の値動きを気にする人が増え、5分足、1分足などのチャートもあります。
初値と終値が同じなら形は十字になります。高値と初値と終値が同じならTの字ですね。初値と終値の部分を実線と呼びます。この実線が短い形は強弱感が対立している様相を示します。故に天井と底値に良く現れます。移動平均線との乖離が大きくなり、実線が短いコマが多く出るようになったら、相場の転機だと考えて良いでしょう。「酒田五法」など、チャートの形をみて、将来を予測するやり方も多く開発されています。最近ではストキャスティック、RSI、RCIなど、色んな指標が組み合わせて判断するケースが多いようです。時間軸の感覚を取り入れた一目均衡表は広く用いられていますね。
このローソク足で何を見るか?
チャートで、一番、重要なことはトレンドでしょう。相場の流れですね。今、株価は上を向いて上がっているのか? それとも下を向いて下がっているのか?…を探る道具がチャートであり、その中でトレンドを見極めることが重要になります。具体的にみてみましょう。下はグッドウィルの週足です。1は、なだらかな上昇の傾向線です。この傾きの線上に大きな乖離もせずに、株価は上昇を続けています。2は、出来高を伴ない株価が大きく上げ始めた所です。通常このように波動が変わるときは出来高のボリュームが変わります。出来高は株価以上に重要なシグナルです。
やがて3のように、株価移動平均線と株価の乖離が開き、調整を強いられ26週線まで押されています。利食いが入ったわけです。人間不思議なもので、上げているうちは、強気を維持する人も大勢いますが、下げ始めると意外に脆いものです。だから、どんな上昇相場にも、必ず、調整局面があるのです。やがて調整が終わり、4のように出来高が増え、順調に戻り売りをこなし、株価が再び上昇し始めます。しかし5の時点で何かが発生したのでしょう。業績の減額修正をしたような下げ方ですね。5の下の○で囲まれた時にデッド・クロス(D.C)を演じています。13週移動平均線(緑色)が上か下へ26週移動平均線(黄色)を下回る現象ですね。
やがて悪材料は株価に織り込まれ株価は反発します。6の時点で最初のゴールデン・クロス(G.C)を演じています。この頃、かたるは最初の買いを入れ始めたのです。しかし下降トレンドには逆らえず、7の時点のように再びD.Cを演じました。しかし、その後の下げを見ても分かるように、株価は頭を抑えていた下降トレンドラインを下回ることがなく、やがて横這いの波動に株価は変わっていきました。9の場面ですね。この時分から、かたるは、再び本格参入し始めます。10月に入ってから20万円前後の攻防の売り物を随分買ったものです。
必用に買い続けていたら、誰かも大きな手口で株を買っているようでした。影の応援者が現れ始めました。ここは追撃買いです。この9の揉み合い場面を買うのは、技術力が必要な場面です。やがて8のようにG.Cが出現し、今日に至っています。ここでは1のトレンドラインを離れる場面と、5の下降トレンドラインから株価が離れる場面が、重要な局面でしょうか? 業績動向と合わせ、チャートを読む力が必要になります。トレンドラインは、普通、何本か引かれます。その場面、その場面に応じて引きなおします。その時々の高値や安値を時間軸で結ぶのです。移動平均線と同じ感覚ですね。
通常、買うタイミングも移動平均線とぶつかる位置は狙い目になります。このチャートでは3の場面などですね。このケースは26週線で止まり反発しています。逆に売り場は、難しいです。基本的に26週線の乖離率を気にするしかないかな? あとはチャートの形です。5の場面の大幅な下落は理由があり、その後の調整は長引くケースが多いから、このような超大線は、気をつけましょう。他には中長期的にD.CやG.Cに注意しましょう。
当たるかどうかわかりませんが、参考までに…10の出来高が大きく膨らみ強弱感が対立しているようです。相場は休みを入れるか? あるいは上昇を更に続けるか? 微妙な株価位置のようです。確率的には上げ波動が続き、40万円台の次の壁に向かっても不思議ではありません。あるいは3の位置のように、一度、休みを入れ、その後上がるのかも知れません。既に、かたるはかなりの利益を手に入れたので、多くの玉を抱えていません。だから、どちらに動いても良いようになっています。
さて次回はPBRを中心にファンダメンタルを解説する予定です。