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テクニカル(傾向線)(2006年02月11日)

本日は先回に続き、傾向線の意味をよりよく理解する為に、更に一歩踏み込んで勉強してみたいと思います。傾向線とは何か?

株価の将来の行方を見るための一つの指標に過ぎません。この見方が絶対的なものではありませんし、他の様々な条件を組み合わせて総合的に判断する一つのチャートの見方ですね。テクニカル派の人達に言わせれば、株価は全て知っているので、必ず、様々な条件は株価に織り込まれているから、チャートさえ、しっかり読めるようになれば、大丈夫だという人もいますね。しかし…私の経験では、どうしてもイレギュラーがあり、全てではないように感じます。上げそうな形をしているなぁ~と感じ、株を買ってみても下がることがありますし…

チャートの種類も様々で、先日、紹介したローソク足が一般的ですが、かぎ足、三本新値、一目均衡表など多くの形がありますね。過去の動きから将来を推測するわけですから、どれが、一番、効率が良いとか言う話ではなく、様々なものから、株価を総合的に判断するのが正しい判断だと思います。今日は傾向線の中でも、同じ銘柄でもチャートの種類を変えて、株価をみてみたいと思っています。最近、かたるが買い始めた店頭市場の「サイバード」を例に、今日は傾向線の分析をして見ます。下のグラフを見てください。

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上記のチャートのように、一旦、下値から反発したと思われたチャートは、下値の傾向線を上回りましたが、上値の傾向線を上回ることができなく、再び下落し、遂に下値抵抗圏を下回り、株価は新たな展開を迎えました。この日足だけでは、何処まで下がるやら…。不安な展開ですね。確かに冒頭のテクニカル派の言うように、この株だけが、昨年(8月)から始まった株高と逆行して下げてきた理由が、一昨日の決算発表で明らかになりました。黒字予想が、一転して赤字に転落したのですね。その意味では、テクニカル派の人達が「株価は全てを知っている」と言うのも頷ける展開です。

しかし、かたるは、ごく最近この株を買い始めました。その理由はようやく業績動向から見て割高感が払拭されつつあるからです。確かに赤字なのでもっと下がるという見方もあるでしょうが、売り上げは伸びており、最近、M&Aをした新会社の立ち上がりが、予想外のロスをもたらしたのでしょう。しかし携帯電話の11月からはじまる番号ポータビリティ制度は、コンテンツ会社にとって追い風の環境のように考えます。一つは時代性が背景にあります。売り上げは伸びており、あとは収益の問題ですから、内部の努力で収益構造は変えることができますね。

更に、事前の収益予想は一株利益が、会社情報では3427円で、株価が189千円だとするとPER55倍の水準になります。この手の人気株にしては、利益が出てくれば、珍しく、まともな数字ですね。第3四半期ですでに峠を越えたのか、第4四半期まで業績の回復に時間が掛かるのか? 現時点では分かりませんが、回復を前提と考えると、面白い買い物のように感じます。一番の魅力はリクルートとの提携です。昨年、この会社はリクルートと資本提携をしております。リクルートは上場を予定しており、昨年、子会社だったリクルートコスモスを切り離しましたね。

11月からはじまる番号ポータビリティ制度、リクルートの上場に絡む話題性、更にリクルートとの今後の提携の中身は注目に値します。だから昨年あの理屈に合わない馬鹿高値の399千円を付けたのでしょう。あの動きは理想買いなのでしょう。これから提携の効果が表れ、現実買いをする場面が登場するでしょう。

このようにかたるは考え、サイバードを買い始めたのです。他にも相場展開があります。既に日本株は金融相場から業績相場に移りつつあります。更に大型株から小型株への物色が、今後、始まるでしょう。その中で有望な株を探すと、銘柄は限られます。その有望な銘柄の一つが、一時的な赤字で売られた今回は、最大のチャンスを迎えつつあります。リクルートが180962円で42億5千万円も投じたのですからね。その価格で買えるチャンスなんて、そうザラにないでしょうね。故に積極的に下がれば買いたいと思っている次第です。目先を狙っているわけではなく2年後、3年後を睨んで買い進みます。

さて、チャートを近く(日足)で見ていても見えないものが、遠く(週足、月足)に視線を移せば見えてくるものがあります。下のチャートは週足の傾向線と月足で見たものです。週足のものは既に下回っておりますが、月足は辛うじて上昇波動を維持していますね。当たり前のことですが、目先の動きばかり短絡的に追わずに、少し時間を伸ばして市場を見るのもいいことですね。

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かたる投資の基本は時間を考えた投資です。ある程度の量ならば、下がったら買い続け、上昇波動に乗ろうとしますが、何回か買っても下がり続ける場面があります。その時は意地を張らずに、時間を置くのです。株価が上下するように会社の業績は変わりませんからね。だから一度に買わずに、何度かに分け、しかも時間を加味して、辛抱強く取り組むことが成功に繋がるのだと思います。残念ながらサイバードは目先の売りが止まっても、直ぐには上がらないでしょう。第4四半期の業績を確認しないと大きく買うことはできませんからね。しかし有望な会社の一つに違いないでしょう。さて今後、どうなるかな?