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損益分岐点(2006年02月18日)
株が下がっていて勉強どころではないでしょうが、基本的な知識が株価の動きからの不安を取り除くものです。何が本当なのか? 株価の動きに惑わされない知識があれば、株が下がっときに売るような愚かな間違いをしなくて済むようになります。その為には自分自身が勉強しなくてはなりません。自分自身を磨けば、株価の動きを利用できる立場に変わります。是非、この「未来かたるの株式教室」で自分自身の相場観を育てる知識を身に付けてくださいね。
本日は先回お約束した損益分岐点の意味についてです。
株価を支える基本的な指標は会社の利益水準です。黒字になれば株は買われ、赤字になれば株は売られます。同じように増減益にも株価は反応しますね。ところが中には利益水準に合わない非合理的な株価が形成されることがあります。ところが、多くのネット・トレイダーは値動きだけで株価を売り買いし、痛い目に合うのです。最近の新興市場の下げはそのような現象ですね。自分達の投資基準が曖昧だから、大きな損失に繋がっているのです。
右のグラフを見てください。
(ここでは一般的な製造業について説明)
普通、売上を上げるには必要な社員の人件費やその製品を作るための材料費や光熱費などの経費がかかります。所謂、固定費と変動費に分類されますね。売上が伸び続き、ある水準を超えると、その会社は利益が出始めます。
この利益が出る水準が損益分岐点です。この損益分岐点をクリアした段階が、普通の会社では一番変化率が高い位置になります。故に、株価が赤字から黒字に転換する時に、大きく上がるのです。
普通、株価は業績の動きに6ヶ月先行して動くと言われております。そのイメージグラフが右のものです。実際の業績推移に先行して株価は上がり、その利益が伸び続ける間は株価も右肩上がりの展開をみせます。勿論、株ですから全体の市況動向にも左右されますし、上げ下げの上下を繰り返しながら、業績推移に見合った形で株価の上昇波動の角度も変わります。続いてかたる銘柄のベンチャーリンクの業績の推移と株価を載せます。
実際の業績の動きに呼応するように、株価も反応していますね。現在のベンチャーリンクは提携先の離脱と水膨れした社内体制の整備のために数年の時間を要しました。株主の皆様のお手許には21期の中間事業報告書が届いていると思います。この中で松本社長は「過去3年の長きにわたり続いた低迷期を、まさに今、脱しつつあるという確固たる手ごたえを感じております。これもひとえに、当社事業およびその社会的価値に対し、深いご理解をお寄せいただきました皆様方のご厚情のゆえと心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。」と結んでいますね。分かりますかね?この言葉の意味が…
何故、かたるが高評価を与え、メイン銘柄として取り組んでいるのか? 今年後半から来年には皆様にも見えてくると思います。銘柄の話しは兎も角、この会社のように損益分岐点を越えてきた会社を探し、株価が低迷している時に投資をして、業績が大きく伸びた時に多くのファンドが競うように銘柄をファンドに組み入れ、株価が急上昇したら、売り場を考えても良いでしょうが、基本的には業績が伸びている間は持続するのが筋でしょうね。
ここで重要な点が売上の質なのです。一時的な売上なのか?継続的に増え続けるのか?何故、過去にベンチャーリンクが1万円台の株価を付けたのかは、この点に意味があるのです。積み上げの利益は株価のスケールを大きくしますし、どんなに売上が増え利益が上がっても、玩具のような一時的な売上や利益の評価は低いものなのです。今日は損益分岐点と株価を考えて見ました。