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株式教室

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テクニカル分析(チャートの形2)(2006年03月18日)

こんにちは、如何ですか? この株式教室は皆さんの株式投資に役立っているでしょうか?
多くの投資家はテクニカル分析に頼りがちです。それも一つの手でしょうが、私はかなりのチャートの勉強をしたつもりで、何十本もの銘柄のチャートを、十年以上、付けていました。しかし投資の成果は芳しくありませんでした。チャートは絶対でなく、一応の目安程度なのでしょう。ご紹介しているものは、酒田五法の解説を付けてありますが、形だけでなく、株価の位置が重要なのですね。同じ形でも、株価の位置によって解釈が異なる場合があります。

現在、幾つかのチャートの知識をかたるは組み合わせて使っています。しかし正直に言えば、自分の売り買いでチャートの形など簡単に作れます。余程の大型株なら難しいのですが、1億株程度の総発行株数の会社なら、簡単に操作できるのです。300円の株価であれば10%買って30億円ですからね。仕手グループは、そのような専門家の意見を取り入れて作る場合があるそうです。だからチャートの形など鵜呑みに出来ませんね。それでは次回に続き、形をからの基本的な判断指針を下のチャートを見ながら考えます。

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はらみ線は前回の抱き線と前後を逆にした形です。前日の実線内(足を除く部分)で寄り引けした足で、例えば、上昇の途上において、長大な陽線に短い陰線がはらむと、もはや伸力に乏しい証拠とされます。しかし先ほども述べたように、あくまで株価位置によるのです。かなりの期間上昇し、株価位置の高いもの(乖離があるもの)に、このような形がでれば、変化の前提にされます。仮に、このような形が出ても、その翌日の寄付きが高ければ、問題はありませんが、下放れた場合などは注意が必要です。

空は俗に「マド」とも呼ばれます。基本的に強い形です。マドを開け三日目までマドを埋めなければ、あと三十日以上は上伸力があるとされます。逆の場合も同じです。しかしマドあけが3回続くと「三空」と呼ばれ、上げ相場なら陽線、下げ相場なら陰線の放れ3本が出たら、ひとまず、利食いをいれ、手仕舞うところとなります。

アテ線、入り首線、差し込み線は、いずれも下げ過程に出る形で、一見、下値を売ったように見えますが、追撃売りの急所とされます。通常はこの線を下回ったところから、追撃売りとされます。同じように一番右の三手打ちは一見強いチャートに見えますが、実際は、これも追撃売りの場所とされています。

最後に「三羽鳥」です。一ヶ月以上、上昇相場が続いて、このように三日間連続して「ツタイ」で連続する陰線をつける形を言います。崩落の前兆とされます。通常は一ヶ月以上、下落する形になるケースが多く見られます。人気株のソフトバンクのチャートは、このような形を示し明らかに終っている形を示していましたね。しかし最近は、ようやく最初の傾向線を下回り乖離調整も終り、打診買いの領域に入りました。下のチャートを参考にしてください。

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基本的に陽線が続く形は強い兆候ですし、陰線が続く形は弱い形です。細かい(短い)線が続くと買い方と売り方の勢力が拮抗している状態を表しています。あとは株価位置が重要なのです。基本的に乖離状態(平均移動線と株価の離れ)が高くなればなるほど、調整した時の値幅も大きく、調整時間も長引くものです。

何度も言いますが、多くの投資家は株価の形(チャート)に拘ります。しかし株価の本質を支えるのは業績であり、株価収益率なのです。投下資本に対してリターンがなんぼあるかどうか…この考え方が非常に重要なのです。このチャートの形の解説は、あと数回続く予定ですが、退屈しますからね。次回のテクニカル分析はエリオット波動の解説でも交えますかね。