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業績と株価(6)(2007年08月25日)

たしかダイエーは2003年になって手掛けたのだと思います。当時、私は西葛西に住んでおり、毎日、スーパーダイエーの前を通り会社に通勤していました。株主優待制度があることを知り、自分でも株主になったわけです。買ったのは2003年だったと思いますが…定かではありません。理由は、それまでの業績を見ても分かるように、本業では黒字で特別損失による赤字なのですね。バブル期に買った不動産の処理に追われていたのでしょう。この会社ももめましたね。2003年には既に黒字転換したのに…民間で再生が出来ると主張する銀行や企業に対し、引き当てが不十分だとイチャモンをつけてきた産業再生機構と言うイメージでした。
厳密に査定しなおした決算が2005年の2月のものなのでしょう。しかし、ここにマジックがあります。実は都心の地価もそうですが、その頃には既に地価は上昇を始めています。何も安値で処分をしなくても…決算からも分かるように2006年には再評価益かどうか?分かりませんが大幅な黒字になっていますね。そうしてこのダイエーを産業再生機構は丸紅に売却し利益をあげ、産業再生機構を黒字と言う形で役割を終えたといっていますが…私に言わせれば産業再生機構は現場を混乱させ、尚、会社の財産を狙った吸血鬼のような存在でした。当事者が出来るといっているのに、おかみが逆らってそれじゃ駄目だという。不思議な国です。日本と言う国は…
可哀相にダイエーは、その後、丸紅に転売されます。しかし丸紅は借金をさらに減らすためにダイエーの財産をかたっぱちから売っていきます。そうしてイオンにダイエーを人身御供に捧げます。その裏には丸紅の食料部門の利権が働いているのでしょう。売上高3兆円を誇ったダイエーはなんと1兆円に激減するのです。私は2006年の夏にこのような動きを見てダイエーから撤退しました。本当はかなり高値があると思っていたのです。
だから2004年に高値で大半を売ったのですが、その後、また買いなおしたのですね。見事な失敗です。あの当時は100円台の会社が600円台に駆け上がるのですから、大きな儲けになりました。しかし…
企業が大きくなるのは、やはり経営者の力ですね。ダイエーは失われた時代を象徴する会社でしょう。分かりませんが何れイオンと併合されるのでしょう。既にダイエーは抜け殻だけ…財産もないし戦略もない会社になりましたね。双日もダイエーも同じ再生銘柄なのですが、経営者の基本的な方針が会社の価値を決めました。安易に株式を出して借金を減らす会社はサラリーマン社長だから選択できるのでしょう。2004年のダイエーには夢がありました。再生機構が入ったダイエーには夢がなくなりました。