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光明が…(2008年12月06日)

昨日の今日の市況とあわせて読んでくれると分かりやすいと思います。世間は不況です。まだまだ実体経済は悪化するでしょう。しかし市場経済の世界ではこのような不況はある意味でチャンスです。何故なら…景気の変動は非効率な企業を淘汰します。共産主義や社会主義の社会形態では、権力者の意向により非効率な形態が生延びます。故にジンバブエのような悪性インフレが発生するのです。

何故、中国が市場原理を取り入れたのか?
1989年にベルリンの壁が崩壊し東西冷戦の構造が崩れました。ソ連も市場経済に組み入れられたのです。資源高の恩恵もあり急速にBRICsと言う言葉が誕生するように経済圏が拡大しました。本来は日本がもっと飛躍できる環境だったのです。しかし日本は計画経済の国です。共産主義の考え方を経済に取り入れています。その為に古い体質の企業がたくさん生延びています。あれだけの鉄鋼不況でも耐えた業界は、小さな国なのに高炉メーカーが何社もあります。新日鐵の三村さんの考え方を見れば分かります。朝日放送から始まったフジテレビ、TBSへの改革は権力の壁に阻まれ頓挫しました。ライブドアの結末は、おそらくフジテレビへの攻防が逆鱗に触れたのでしょう。楽天も様々な噂が存在したのもTBSへの関与が原因ではないかと思います。

報道をみると画一化された形態だということが分かります。真実が歪められているように感じます。例えば実質成長率が今では一般的な統計になっていますが、何故、名目成長率を大々的に用いないのか? 私には不思議でなりません。巧妙に隠された官僚の作文のように思います。日本が20年近く低迷している原因は明らかです。計画経済の弊害がいたるところで噴出しています。地元が否定する公共事業投資は良い例でしょう。八ッ場(やんば)ダムをはじめ諫早湾の干拓事業など…時代に合わない資産配分は特別会計予算が原因なのでしょう。年度末になると掘っては埋める道路工事は恒例の行事です。会計監査制度も絵に描いた餅です。市場原理を取り入れた社会構造に転換すればスムーズに業態変化をします。これを阻むのが法令や規制です。パチンコやパチスロなどの投機性を決めるのは役人です。その権力が天下りなどを支えています。どの業界も同じです。金融の世界も規制があるので天下りを受け入れています。

この仕組みで経済が発展して国民が幸せなら文句は言いません。しかし名目GDPは横這いのままです。生産性が上がらないのです。交通手段も通信手段も20年前より格段に良くなっているのに…一番の問題は教育でしょう。中山大臣が日教組批判をして、何故、辞任に追い込まれるのでしょう。政府見解と異なる論文を発表して、更迭された田母神前航空幕僚長の話も僕には理解できません。自由な意見が活性化を生み、違った意見を言える環境が世の中を刺激して、皆が考え行動するのです。統一されたマスコミ論調は硬直化した国民を製造しています。だから振り込み詐欺のような単調な事例が続くのでしょう。こんにゃくゼリーで幼児がなくなると、何故、作ったメーカーが批判されるのでしょう。僕には、何が正しいのか…サッパリ分かりません。

経済も同じです。原油価格が高騰しガソリン価格が、今年の春に連続して上がりました。毎週のように値上がりして苦しんでいました。1バーレルが140ドルを越えたのです。しかし一人あたりの所得が3万ドル前後の国民が悲鳴をあげるような資源価格が維持されるのは明らかに異常ですね。案の定、価格は維持されずに崩壊しました。残念ながら、あの時は分かりませんでした。金融が支えた商品価格の暴騰をみて金融危機が起こると考えるべきだったのです。CDSを組み込んだCDOは金の卵です。誰でも簡単に利益を生むのです。濡れ手で粟を…そんな商品が何時までも続くわけがない。ドバイの繁栄は誰が見ても異常です。原油価格の崩壊はある意味で当たり前ですね。グルジアの侵攻もロシアのおごりでしょう。

しかし…今は日本の現状はどうでしょう?
黒字倒産が多発しています。一流企業が要らない資金を保身の為に集めています。だから間接金融が生きているように思えますが…はたしてそうでしょか? まるでオイルショックのトイレットペーパー事件と同じ次元の話です。私のお客様は2年分もの資金を借り入れました。2年間、商売が止まっても倒産しない資金を…です。この所の金融機関の自己資本調達は異常ですね。必要もない資金を、三菱が取入れを決めた瞬間に我も我も…異常な集団行動です。株価を見れば分かります。1株純資産を大きく割れる株価、通常ならTOBが多発する環境です。異常から異常への現象を呼び込んだのは米国金融界の行動です。金融政策当局のミスリードが原因です。しかし…11月25日に二度目の公的資金投入と劣化資産への政府保証で止まったように思えます。混乱を発生させた元が正常化の道を歩めば、自ずと時代の先が見えるはずです。(下のグラフはリーマンの破たん前の9月12日の金融銘柄6社を基準に指数化されています。BAC、JPM,C、WFC、GS、MSの株価を元に…)

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