統計数字(2009年01月10日)
様々な経済統計は発表されその数字に一喜一憂する市場をみて株価を予測するのですが、その読みは難しいのです。先ずは統計の信頼性が問われます。時代に合わせ統計の中身を少しずつ変えている例もあり継続性の問題もあります。日経平均株価などは銘柄の入れ替えがありますね。NY市場のダウ平均は採用銘柄も少なく僅かに30銘柄です。
しかも採用されているインテルやマイクロソフトはナスダック上場、ダウ平均の統計が始まってから採用されている銘柄は僅かに1銘柄でGEただ1社です。昨日、発表された米国の雇用統計は株式市場にとっては遅行指数です。つまり過去のデータと言うわけです。株式市場は常に6ヶ月先を見通すといわれていますから、過去のデータから影響を受けるのはおかしいのですね。しかしNY市場は下げました。他の要因があると考えるのが普通ですね。
更にデータの信頼性が問題です。朝日新聞社では「米労働省が9日発表した昨年12月の雇用統計によると、景気動向を敏感に反映する非農業部門の就業者数が前月と比べ52万4千人減った。就業者数の減少幅は08年の1年間で計258万9千人に達し、第2次世界大戦の終了した1945年(275万人)以来の大幅な落ち込みとなった。12月の失業率は前月より0.4ポイント悪化し7.2%に上昇、93年1月(7.3%)以来、16年ぶりの水準となった。」と報じています。
そこで過去のデータを調べようと日経新聞社の此方のサイトを見たら数字が違うのです。実は雇用統計などの資料は速報値と確定値が違い後で修正されるのですね。日経新聞社の資料は、まだ修正されていないのです。だから2008年、1年間の合計数が合わないのです。
そこで大もとの米国で発表されている労働統計局に飛んで、元のデータを集めるわけです。そのサイトが此方です。1980年から試しにデータを集めて見ました。こんな感じです。ここで気付くことは、米国は成長していると言うことです。労働人口が増え続けていますからGDPは伸びるし株価も上がると言うことですね。過度の悲観はどうでしょうね。日本ではマスコミが盛んに、この度の調整は2年から3年程度掛かると述べていますが、当事者のFRBは2009年の後半にも回復するとの読みが報道されていますね。データを取る範囲により印象は変わりますし、グラフの作り方でも読み手の印象は変わるものです。人間心理は微妙なのですね。自分でレポートを書いてみると分かります。
どうやって見易くするか?
作者の意図により受けての印象が変わるのです。情報と言うのは統計資料一つによっても相場観が変わったりしますが、色んな情報を合わせて時代の流れを読まないと駄目なのですね。