オバマ大統領就任演説(2009年01月24日)
何かが起こっている可能性があります。米国では新政権が発足し圧倒的な人気を誇っているオバマ大統領が選任されました。初の黒人大統領の誕生でアメリカはフェアな国を象徴したような出来事です。就任演説を読むと7つのフレーズに分かれています。
危機への決意 (In the midst of crisis)
国家の偉大さ (The greatness of our nation)
再生への道 (Remaking America)
安全と理想 (Our safety and our ideals)
変わる世界 (The world has changed)
新しい責任 (A new era of responsibility)
未来の世代へ自由を (Freedom for future generations)
危機への決意では…一部の者の強欲と無責任さの結果で経済の弱体化があるといい、同様に深刻なのは、国土に広がる自信の喪失であり、米国の凋落は避けがたく、次の世代は目標を下げねばならないと言う拭いがたい恐怖だと述べています。しかし我々は恐怖ではなく希望を、紛争と不一致ではなく目標の共有を選んだ為にここに集まった。政治を長期間窒息させてきた、些細な不満や偽りの約束、非難や使い古された定説を終らせることを宣言する。
国家の偉大さでは過去の歴史を話し、米国再生の仕事にもう一度、着手しなければならない。と結んでいます。
再生の道で社会インフラ整備(デジタル通信網など)のあとに、市場で話題性があるグリーン・ニューデール政策に触れています。皮肉屋が理解できないのは彼らの足元の地盤が動いてしまい、長い間、我々を消耗させてきた陳腐な政治論議はもはや通用しないと言うことだ。と述べていますね。ロビー活動を禁止させた部分はここに現れていますね。市場の監視をこの部分で述べています。
安全と理想では、共通の防衛については安全と理想を天秤にかける誤りを拒否すると述べ、米国がもう一度先頭に立つ用意があると世界に呼びかけています。
変わる世界で、イスラム世界に対し相互の利益と尊厳に基づく新しい進路を模索すると述べ対話路線を支持し、自らも環境問題なので国際協調の立場を述べています。
新しい責任の時代では、我々の成功の土台となる価値観は、誠実や勤勉、勇気、公正、寛容、好奇心、忠誠心に愛国心といった普遍の真実だと述べています。このフレーズの最後に黒人の父を持つ話があります。60年足らず前に地元の食堂で食事を出来ない父親を持つ男が今、もっとも神聖な宣言を行う為にあなた方の前に立つことでできると結んでいます。
未来の世代へ自由をでは、希望と美徳しか生き残ることが出来ないような冬のさなか、共通の脅威に危機感を抱いた都市の人と田舎の人がそれに立ち向かう為に進み出たと未来の世界で語られるようにしようと参加者の努力を訴えていました。(参照:読売新聞)
実に立派な演説です。
日本でも…「我々を消耗させてきた陳腐な政治論議はもはや通用しない」とチェンジを求めたいものです。加工貿易立国の成り立ちは難しいでしょう。丁度、地方経済を支える為の公共事業投資のようなものです。農業の収入を補う為に建設業への転換を図り無駄な投資続けてきました。社会全体に社会基盤がない時は有益に投資だったのですが…1980年代には構造転換が必要でしたが痛みを先送りした為に現状を迎えています。同じことが加工貿易にも言えるでしょう。毎日、午前1時に帰宅する若者が年金資金で旅行三昧している年寄りを支えられるわけがありません。オバマ大統領はメールを利用していると言うネット世代ですね。時代は変化しているから、ぼくらの生活も変えねばならないのでしょう。