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東京地検(2009年03月07日)

株式相場を考えているといろんな事を思います。1988年から1989年に日本株には転機が訪れました。そうして2006年も…。歴史的な相場の転換点に登場するのが不思議と、今、小沢氏の政治献金で話題になっている東京地検です。バブルの崩壊を示唆したのがリクルート事件です。そうして2006年は記憶に新しいライブドア事件。小沢氏は政治献金の問題で地検非難をしました。そうして鈴木宗雄事件で起訴された佐藤優さんは「国家の罠」で地検の国策逮捕と言う言葉を創りました。今週、ライブドアの堀江貴文さんは「徹底抗戦」と言う本を書いています。

1989年当時、私は転機を迎えていました。この年にはじめ、昭和天皇は崩御され平成の世が始まります。当時の官房長官は小渕恵三氏でした。あの記者会見は印象的でした。この年に私の父が他界しサラリーマン生活から歩合外務員の世界に変えました。その後、実に20年間、日本は転落の道を歩んでいます。株屋でなければ、こんなに日本の仕組みを考えませんでした。どんなに努力しても喰えない生活が続き、年収120万円の生活を2年続け、考えた結論が日本の仕組みの不思議さに行き当たったのです。司馬遼太郎も自身の戦争体験から、同じような矛盾を感じ「日本のかたち」を考えていたようです。そのなかでノモハン事件を知り、日本を敗戦に導いたのは、当時のエリート集団の関東軍の辻少尉などの軍官僚の存在を知ります。

今の株安を考えると欧米発の金融デリバティブの失敗が、日本株を下げているように感じるかもしれませんが違います。今回の金融危機は補佐的な役割を演じているに過ぎません。この20年、真剣に日本株式を考えると、日本の組織の制度疲労を考えさせられます。
制度疲労とは何か?

基本的に予算権です。予算の配分が間違っているのでしょう。お金をどう使うか? この配分方法が間違っている為に様々な問題が起きています。この配分権は大蔵省にあるのですが、実は一般会計は大蔵省の采配ですが、特別会計を通じて官僚組織全体に、その権力は集中しています。今、起こっている現象はオリックスの宮内さん、キャノンの御手洗さん、郵政の西川さん達の処遇でしょう。何処まで叩くのかわかりませんが、時期を見てマスコミ(官僚の手先)は世論を創っています。何故、ライブドアの堀江さんが東京地検に逮捕されたか? おそらくフジテレビの買収を仕掛けたために、総務省の逆鱗に触れ、日本の組織が動いたのでしょう。

漠然とする国家組織の存在は「日本国の在り方」を決めているようです。
ここで佐藤優さんが使った「国策逮捕」と言う言葉が出てきます。たいした犯罪でもないが見過ごすと、国家の在り方が問われるから犯罪者として罪を問い、国の方向性を正すのです。確かにライブドア事件の背景には拝金主義の傾向がありました。その為に叩いたのでしょう。その後のブルドックソースの最高裁の判決、金融庁の法律立案など、全て日本国のあり方を決めているように思います。株式市場が低迷しようが、国民が疲弊しようが「国家のあり方」が大切なのです。

この基準が私は歪んでいるように感じるのです。国民の幸せや国家の繁栄なら兎も角、どうも近年は自分達の組織維持の為に、権力が使われているように感じるのです。最近の鳩山総務相のロボット発言は、官僚の言葉そのもの…のようにも感じます。小泉改革への揺り戻しです。小泉改革は何が狙いだったか? 郵政民営化の狙いは財政投融資の資金源を断つためだったのです。財政投融資とは、郵便局で集めた資金を元手に国がその資金を使うことだと考えて良いですね。予算規模は41兆円ほどまで膨らみましたが、今は郵政民営化のためか15兆円ほどまで縮小しています。オリックスの簡保の問題、キャノンの脱税事件、郵政省のJR東京駅前の東京中央郵便局の建て替え工事など…今、進行しています。

中川秀直の「官僚国家の崩壊」を読みますと、如何に官僚が、意見が対立する政治家をあの手この手で責めるやり口が紹介されています。先ずは正論どおり説得に来ますが、直接対話で出来ないと地元の後援会組織を使い陳情させます。そうしてマスコミなども利用するようですね。実は私の知り合いのキャリア組みもNHKをはじめ、各新聞社の記者と懇意にしています。情報は官僚からリークされ、流され創られていきます。世論の誘導が行われるのです。

先日、テレビでタクシーの台数が多く食えなくなっているとの報道があったようです。
これは聞いた、私のかみさんからの話です。テレビでは不況でタクシーも食えなくなっているから、車の台数を制限する許認可権を行使しろと言う内容のようです。官僚の力が増殖する内容のようですね。私はかみさんに応えました。タクシーの台数が増えるのは、儲かるから増えるんだね。動物の世界を見てごらん、食い物がなくなれば自然に淘汰されるのが当たり前。喰えなくなれば台数は減るね。増えるのは儲かるからだよ。僕らの証券界を見てごらんよ、既に就業人数は半数以下になっている。僕の会社の歩合セールスは1/5になっているよ。喰えないから人数が減るんだよ。これが市場原理主義の考え方です。

株を下げるのは国策なのでしょう。だからブルドック事件のように関与するのですね。Jパワーの問題は直接の傘下ですからね。世論誘導の為の道具を大切にするのはわかります。
ライブドアのフジテレビの買収も、ソフトバンクのテレビ朝日の買収も敗退し、今は楽天がTBSを手掛けていますが、やはり無駄な努力でしょう。世代交代まであと10年程度掛かるのかな? ただ私は株屋で市場が資金配分を決めるべきだと言う市場原理主義者ですが、金融デリバティブが敗退し、今回の金融規制問題は人類の繁栄を早める事になるか、停滞させるのか、神のみ知る配分でしょう。

私は日本を愛しています。だから、この失われた20年を見ると残念でなりません。経済活動の根幹である資金元をどんどん縮小させているのです。清貧思想ですね。バブルの反省もここまで来ると犯罪ですよ。アメリカが今日本と同じ道を歩んでいるようにも見えますが、どうなりますか…。オバマ政権が果たして施政方針演説のような修正をしてくるかどうか…。市場はやはり政策の催促をしているわけです。市場原理主義を過信して失敗したポールソン前財務長官は、どんな思いで市場を見ているのでしょう。ほんの小さな政策修正で世界成長は再び甦るのです。