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夢と希望(2009年05月02日)

日本に一番欠けているものは「夢」そして「希望」でしょう。
多くの若者が、最近、心身症を患うのも現実と心のギャップがあるからです。誰しも自分自身の中に「心」を持っており、「心」の要求と現実がかけ離れているから悩むのです。このジレンマが自分の努力だけで解決できるなら良いのですが、自分がどんなに努力しても改善されない部分があります。こういう現実に直面するとあきらめるしかないのでしょう。早く自分の自身の気持ちを整理して割り切らねばなりませんが、この気持ちの切り替えが上手い人と下手な人がいます。ここが問題ですね。私はかなり気持ちの切り替えが下手なほうです。

株式市場ではPERと言う概念があります。1年の利益の何倍まで株価を買えるかと言う指標です。一般的に継続可能な利益は高く評価されます。一時的な利益の評価は低いのです。更にその継続可能な利益が成長すれば、尚、大きな価値が与えられます。株式市場を始めた人は、目先の株価に目を奪われがちで、このような基本的な業績の背景を知ろうとはしません。それは必要がないからです。目先のディーリングにおいては、人気が全てなのですね。そうしてこの人気の持続性や話題性が重要なのです。どうせ株主として長い期間、株式を保有しようと言うのが目的ではないからです。株式を売買して利益を得ればそれでいいから…。

しかし株式市場の根底の仕組みは、成長性の高い企業を応援する事にあります。
成長性が高いとはどういうことか? 
人々が欲している商品を提供している会社だということです。だから、今あなたが欲しいものを生産している会社、販売している会社の株式を買って保有していれば、その会社を応援することにもなるし、自分自身も会社の成長とともに利益の恩恵にあずかれます。
これが市場経済の仕組みです。必要な所に資金を提供する。市場経済が共産主義や社会主義に勝っているのは必要な所に資金を提供する仕組みです。この仕組みを支えているのが株式市場です。だから市場原理主義者は小さな政府を求めます。しかし市場は貪欲なので時々今回のようなバブルを併発します。正しいコントロールがなされれば有益なのですが、1989年の日本のバブル、そうして2008年の米国発の金融危機はレバレッジを賭け過ぎた為に実体経済が付いて行かなかったのです。そのために原油高に見られるように暴騰し崩壊したのですね。

何故、日本が失われた時代から脱出できないか? 
簡単なことです。硬直化した予算配分が前例主義により改善できないからです。2003年に、何故、株式市場は大きく上がったのでしょう。今は批判されていますが、郵政民営化に代表されるように、お金の流れを市場原理優先にしようと日本が動いたからです。郵政民営化の本当の意義は、官が統治する硬直化した予算配分の財源である財政投融資を支える資金源を断ったことですね。郵政は民営化されたので財政投融資に資金を提供しても良いし、株式市場で運用しても良いのです。配分権が民間に委ねられた功績が大きいのです。この意味を良く知る必要があります。

先日、道路特定財源制を廃止し、09年度から一般財源化するため、揮発油税収などの使い道を道路整備に限っていた規定を削除した改正道路整備事業財政特別措置法が可決され国会で成立しました。現実には財源のごく僅かな部分的な処置ですが、官僚が配分を決める特別会計から国民が配分を決める一般会計に権限が移されたことは、記念すべき法案の可決でした。

最近メディアで国と地方の予算配分を巡って争いが起きています。公共事業投資の一部分を地方が負担する仕組みになっていますが、実態に合ってないために反対する知事が増えてきたのです。この意味は特別会計予算が必要のない所に流れているから、僅かな負担でも文句を言っているわけです。10年も20年も完成しない公共事業。硬直化した予算配分の前例主義が機能していないのです。だから日本のGDPは上がらないし、世界競争に敗れる企業が続出しているのです。簡単なことです。特別会計をやめて一般会計に移せば良いのです。

面白い事例がたくさんネット上で報告されています。
中国人のブログの一部です。
中国人から見た日本「貧富の差が見えない」
日本が最大の援助国だという事実を知って…など

日本人に今一番必要なのは「夢」であり「希望」なのでしょう。ゴルフのタイガーウッズはこのように述べています。いい言葉です。流石、一流です。

いいかい、ゴルフの上達に近道はないし、人生にも近道はないんだ。一生懸命努力しなくちゃならない。夢は大きく持って、自分のためにその夢を持ち続けるんだ。その夢こそがきみたちを他の人とは違う、特別な存在にしてくれるんだからね。夢を捨てるってことは希望を捨てるってことだ。希望を失えば、人には何も残らない。