材料株(2009年06月13日)
先週はレーティングの話しをしました。
目先は当たっているように見えるレーティング情報ですが、少し観察期間を長く見るとアナリストの評価も株価予測をするものではないと言うことがわかります。自分でレポートを書き始めて10年が経過しますが未来予測など当たるものではありません。為替や原材料費の価格予測など不可能ですからね。しかし企業業績の方向性は分かります。ただ株価の動きの方がその方向性が示されるより早く水準訂正がされますから、どうしても分析は後追いになりがちのようです。それでは株で儲けるにはどうしたらよいか?
人間誰しもミスを犯しますから失敗した時の対処法に尽きる為にロスカットと言う投資方法が生まれました。どうしてかと言えば、ミスに気付くのはかなり遅れてから気付くのは普通です。だから株価を基準にロスカット投資方法が生まれました。しかし失敗を減らすにはどうしたら良いか?
バフェットがよく言うように知らないものには手を出すな。…と言うことだと思います。私は材料株というのが苦手です。テーマに沿って株価が上下する株を市場では材料株と呼んでいます。今の市場では「エコ関連」などは代表的なグループでしょう。銘柄で言えば「GSユアサ」と言う会社ですね。
GSユアサは日本電池とユアサ電池が合併した会社ですね。自動車のバッテリーなどを作っていましたが、今ではハイブリッドカー(HV)や電気自動車(EV)で時代の脚光を浴びています。過去の事例では時代の変遷で、産業界に変革が起きる時にはその主役銘柄は大化けしています。10倍以上に株価が成長しますね。100倍以上になる銘柄も在りました。株価が大きくなるかどうかの背景はデファクトスタンダードになれるかどうか…。国内だけでは駄目なのです。GSユアサは三菱とホンダだけの供給です。世界にはBYDなど有力なメーカーがひしめいています。日本でもパナソニックなども…
何故、私が材料株をあまり手掛けなくなったのか?
理由は分からないからです。材料株の多くはマスコミが囃したてているケースが多く業績の裏付けが取れない銘柄がほとんどです。その為に人気が冷めると株価が下がります。最近のケースでは豚インフルエンザの材料で株価が上がった「ダイワボウ」がその銘柄になります。株式投資はお金が絡みますから遊びではありません。競馬・競輪と同じ感覚で株を売り買いする人を多く見ますが、そんなに簡単に儲かるものではありませんね。株で儲けている人を見ると良く勉強をされている方が多いですね。あとはかなりの度量が必要です。この度量はなかなか養われるものではありません。色んな人生経験から培われるもので普通の人生を送っている人は無理ですね。つまり多くの人は株で損をするようになっています。
普通の個人の知識で勝てる唯一の武器は時間です。儲ける為に早道はありませんから「じっくりやるしかないな」と考えています。市場には既に過熱感が生まれ、いつ調整が訪れるか分かりません。失敗した時のことを考えた銘柄選択が重要になります。その為には、世界景気の方向性を読み、人気が冷めてもまた上がってくる銘柄を選ぶ事になります。絶対的な失敗しない株の条件は配当利回りでしょう。通常の経済状態で配当利回りが3%を確保できる株なら、今の金利状態では絶対優位ですね。要するに失敗した時に、再び安値を買えるような銘柄を選べるかどうか? それが株で儲けるコツなのでしょう。その意味で私は材料株を選ばなくなっています。