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デフレ社会の終焉(2009年06月27日)

昔、ユニクロが出店した頃、「安売りの店」=「安物の店」=「品質の悪い店」こんなイメージでしたが、今では世界ブランドに育ちつつある新展開を迎えようとしています。イギリスの出店や中国などそれぞれアンテナ店舗のイメージで、未だに世界戦略は乏しいのですが、時代を考察する上で非常に大きな転機を与えてくれたように思います。日本人を島国根性から解き放ってくれたように感じます。それまで洋服の価格は1万円前後のイメージだったのですが、なんとユニクロは3000円程度で販売していました。東京に来て驚いたことを覚えています。洋服メーカーのバーゲンです。百貨店価格の7割、8割引で販売していることです。勿論、サイズが限定されたものや残った商品でしょうが…。

ダイエーの中内さんが取り組んだ「価格破壊」とは少し意味合いが違います。ユニクロは製造を中国に移管し極限の利益価格で勝負する戦略です。その為に日本の消費者は国際価格を意識するようになりました。日本の独自価格が国際価格に並んだのです。年功序列、終身雇用を維持したコストからの解放ですね。しかし未だに日本で生き残る為には、日本独自コストが多く掛かる国です。その影響が色濃く現れているのが消費者物価ではないでしょうか? 成長がなくなり物価が上がらない。リーマンショック以後、製造業が続々と海外移転し第二の空洞化が生まれています。この背景はキャノンなどで問題になった契約社員問題でしょう。マスコミが雇用を奪っているのです。企業は契約社員維持コストが上がり国内生産に見切りを付けています。貿易黒字が減り国内生産では競争に負け始めている。日本人の優位性がないのでしょう。

しかし…投資銀行などの外国資本の力で、2003年からの上昇が生まれ、日本は金融が立ち直りました。今はリーマンショックで沈んでいますが、ひょっとすれば…。これからは本格的な持続的な右肩上がりの成長力を取り戻せるかもしれません。最近、このシナリオが、頭の中で点滅しています。理由は金融の市場経済化浸透と中国の成長力の限界です。かなりの長期見通しなのですが、このシナリオが株価を支えるかもしれません。

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2003年5月から2006年1月までの上昇は、その予兆だった可能性があります。必ず、前兆と言うものは現れるもの。そうして2009年3月(2008年11月)を起点に新しい長期の株価上昇波動がスタートしたと考えるようになっています。まだサラ金規制などの総量規制が実施され、上昇は緩やかでしょうが、金融の底が2005年なのです。お金が流されれば経済は活性化します。

その根拠となるのが消費者物価指数の推移と銀行貸し出しの推移です。

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