未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 日本の現状 | 最新の記事 | 新しい時代か… »

産業構造の転換(2009年10月31日)

なかなか思うような展開にならず、今国会の行方が転換点にならないような展開です。
(一例を掲げるとJAL処理の先送りなど…)
民主党政権の誕生は日米同盟の見直しに繋がりそうで、日本国の在り方を根本的に議論するような形になりそうです。世界経済は順調な回復をみせています。米国ではJPモルガンやゴールドマン・サックスなどが完全復活を果たしましたが、雇用統計が改善される来年の1-3月まで常に二番底懸念が付きまとう展開なのでしょう。

中国の自動車販売の好調さから、財政出動から民需への転換はスムーズに移行できたように感じています。米国の消費は大きく落ち込みませんが弱い事に変わりはなく、自動車販売はなかなか伸びない様子です。しかし住宅は中古住宅販売状況からみると確実に転換しているのでしょう。反面、銀行の不良債権処理は増え続けており、注目されるのは残りの弱小金融機関の復活がテーマになっているようです。過去の日本のケースは政策対応不足から再び損失が広がりましたね。米国は市場原理の国だから大丈夫でしょう。

中国経済は好調で金融引き締めの方向にあり、今後、成長力が持続されるかどうか…。
しかし上海万博などを控えていますから成長率が大きく落ちることは考え辛いのでしょう。10月にNY市場は目先の小さなピークを付けたものと推測されます。業績発表が終わり若干の調整を経て新しい展開を模索するのでしょう。問題は日本株ですが…。現在は負の遺産整理が中心で、躍動感がある新しい方向性を市場は感じていません。これまでの相場は輸出株の上昇に見られるように、世界経済の回復に追随しただけの展開です。

55年体制を支えていたシステムが、次々に壊れている様子が窺えます。既にCO2削減や雇用コスト問題から多くのグローバル企業が生産拠点をアジアに移行させています。日本の加工貿易体制は変化しているのでしょう。民主党は内需拡大により産業構造の転換を図ろうとしていますが…具体論に乏しく「友愛」精神の予算変更だけでは先が見えません。こんな事は誰にでもできる簡単なこと。聞こえは良いのですが稼ぐ世代を育てないと使う人ばかりで…コンクリートから人への予算転換は良いのですが、その予算をどうやって確保するのでしょう。このままでは北海道の横路、東京の美濃部のような日本を連想するのが市場ですからね。既にチャートをみると、市場はその路線を感じ始めていますから、早めに国家戦略局が新しい成長プランを示さないと市場が政策を催促するような展開になるかもしれません。

産みの苦しみは覚悟したとは言え…。早く後ろ向きの処理から前を向く展開をみせて欲しいものです。

さて若干、グラフの解説をしましょう。
下のグラフは米国金融株の動きを示したもので、投資銀行はGSやMSの証券会社のもの…。商業銀行はJPM、WFC、BAC、Cの平均値でリーマンの倒産前を1としています。グラフを見ると分かりますね。11月が投資銀行の底で3月が商業銀行の底です。わが国の輸出株は11月に底入れをし全体は3月でした。現在の商業銀行は61.9%の水準です。金融システム不安は克服したけれど、その影響からまだ回復していない様子が株価推移から分かります。商業銀行の回復は来年の春と予想されます。つまり雇用統計数字の改善ですね。

r20091031a.gif

世界の株価はデカップリング論が盛んだったように、やはり新興国が新しい成長を加速させています。ブラジルなどは好調ですね。中国は共産党政権で8%成長を死守させる為に強引な手法で成長だけを考えています。インドも成長路線のタームに突入しました。ロシアは若干停滞しています。理由は政治家の市場原理を無視した対応です。日本もブルドック問題など、後出しジャンケンをしたので信用度が失われ相場が低迷しています。市場原理を無視すれば、当然、報いを受けねばなりません。

r20091031b.gif

市場は米国のクリスマス商戦を注視しています。
そうして来年の旧正月の中国ですね。その変化を感じるには一つは半導体価格などを見ればわかるでしょう。今のところ上昇波動を堅持しています。その様子は此方…物流を示すコンテナ船の回復度合いは、上のグラフから感じられます。産業構造の転換で注目されるのは自動車でしょう。ホンダの収益の原泉は生産地点の違いなのでしょう。株価を決定するのは業績推移です。世界の何処で稼ごうが関係ありません。日本企業の構造転換が急がれる資料ですね。(今年4-9月期の自動車生産と販売などから表を作りました。海外生産比率は国内生産を基準にしています。)

r20091031c.gif