新しい時代か…(2009年11月07日)
今の世界経済は非常に面白いですね。株価と景気動向を勉強する上で、これほど劇的な変化はなく生きた良い題材になっています。かたるはさしたる経済知識もなく証券会社に入りました。セールスだけで生きてきました。しかし右肩上がりの経済活動の時は、誰でも株を買えば儲かったので、その方針を貫いてきましたが…。数々の失敗を経て政策が非常に重要だと考えるようになりました。2006年以降、最近は経済統計数字に傾斜しています。米国は金融危機を脱出したけれど、本格的な経済成長局面には移行していません。
その理由は雇用にあります。雇用情勢の悪化が続けば不良債権が増え続け、金融は処理を迫られ経済活動が停滞します。日本の長い不況、失われた時代は政策不振を指導者が認識せずに、民間の金融機関にツケを押し付けているから疲弊しているのです。民主党政権に変わっても亀井発言のような市場原理を逸脱した政策を採用するからですね。このような失政の積み重ねが、経済活動を鈍らせどんどん日本から活力を奪います。
国民が豊かになるとは…、生活水準が向上するとは…GDPを増やすことですね。
ここに主眼を置けば日本の問題は改善します。少子高齢化社会でどうやってGDPを増やすのか?生産性を上げるしかないのです。一人あたりの付加価値を増やす政策を実行するのです。
その為にはやる気のある若者を表の舞台に立たせる政策が必要です。多少、逸脱する行為をする人も居るでしょうが、ソコソコなら容認して成長率を重視すべきでしょう。先ずは金融機関に利益を与え、金融システムを強固にして経済活動に力を尽くさねばなりません。友愛の助け合いの精神は、食える人間が考えることで、貧しい疲弊した国民に求める政策じゃないでしょう。既に民主党政権に変わって2ヶ月ぐらいが経過します。淡い期待を抱いていますが、及第点には程遠い政策が続きます。悔しかったら株を上げてみれば良いのです。自分で上がるのではなく、外人が評価するような世界から評価される方法で…
米国の状況を見ると雇用状況は改善されていますが復活はしていません。雇用がプラス成長に転換し不良債権が確実に減り始めると、初めて成長戦略にお金が向います。日本経済は70%の企業がPBR1倍以下で、しかも30%の企業は黒字で配当をしているのです。可笑しな現象ですが、金融が傷付いているから正常な状態に戻らないのですね。正しい政策が実行され、この状態がなくなるようなら景気も回復していると言うことでしょうね。
戦後、構築された終身雇用に年功序列と言うシステムを守る為に、株式持合いで株価を支え企業金融を支援した仕組みは素晴らしいものでした。今の日本人は世界経済における日本の現状を素直に認め、自らが脱皮しないと新しい時代は来ませんね。JALの問題は何れ訪れるわが身の話しです。失われた時代はマスコミの影響もあり、まだまだ続きそうですね。野村證券の営業キャッシュフローは、毎年、赤字を続けています。とうとう覚悟を決めたのが最近の行動でしょう。
早めに日本の現状を悟り行動したファースト・リテイリングは日経225の市場占有率は6%を越え日本を代表する企業に変身中です。
しかし業界の最大手はインディテックス(スペイン)ZARAのブランドで有名です。売上は1兆3566億円で時価総額は3兆1339億円、二番目はギャップ(米国)です。売上は1兆3188億円で時価総額は1兆3188億円です。三番目はH&M(スウェーデン)の会社で売上は1兆1278億円、時価総額は4兆0585億円です。4番目はリミテッド・ブラウンズ(米国)の会社で売上は8103億円、時価総額は4799億円です。そうして、わが国のファースト・リテイリングのユニクロは世界で5番目なのです。売上は6850億円で時価総額は1兆2729億円(10/1調べ)だそうです。なんとトップのZARAには2倍程度の差がありますね。ユニクロは現在、+Jで話題を振り撒きファンションの本場、パリの旗艦店でも人気を博しています。
まぁ余談の話しは、兎も角。ホンダも覚悟を決めたようです。
少子高齢化を克服する為に政策に頼らない生き方をするようになったのですね。先日の東芝の佐々木社長は、政府への要望で「世界で事業展開している企業が、日本に本社を置いていたいと思える環境を整えることこそ一番大切なことではないだろうか」という言葉は日本の企業経営者の声を代弁するものでしょう。しかし日本と一緒に沈没するわけには行きません。JALのような事態は回避しないとならないから、ホンダの選択になるのでしょう。
日本経済の復活を信じる私も、そろそろ日本の株屋を捨てないと…。最近、強く感じます。グローバル時代とは、こういう事なのかな?