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銀行の決算(2009年11月14日)

まだ銀行の決算数字が出揃っていません。三菱UFJは18日だからです。日経新聞では増資観測が報道されていました。私は発表が先月になかったので年内はないのかと思いましたが…。
問題は決算数字で劇的な改善は見られませんが日経新聞の報道姿勢は誤解を招くような書き方なので解説する事にしました。あの記事を読むと三井住友の方が良いような書き方ですが、劇的な変化を遂げているのは、むしろ「みずほ」の方です。

前四半期はCDSの評価損などがあり有価証券の売買が大きくマイナスでしたが、今回は大幅に改善しました。おそらく「みずほ」の投資銀行業務を担う旧興銀の貢献でしょう。ただ前四半期は旧興銀の人達の独走で損失を招いたのですが…。わが国で投資銀行業務に取り組んでいるのは「みずほ」なのですね。早くから興銀はこの分野に手を染めていました。しかしやはりゴールドマンサックスなどとは給与体系が違い、大きく水をあけられています。これは仕方がないのでしょう。優秀な人は外資で仕事をします。まぁ、それでも株式関係損益が第一四半期の198億円の赤字から400億円の黒字に転換させたのでマズマズなのでしょう。ただ与信関係費用は三井住友もみずほも膨らんでいます。

三井住友が悪いと言っているわけではありません。総資産比較で考えれば、みずほの収益水準は低く効率化経営の余地は依然高いのでしょう。三井住友は117兆円ですが、みずほは155兆円もあるのです。故に今話題にされている自己資本比率規制では劣るわけです。邦銀は投資銀行業務の比率が低く、何も欧米のように厳格な自己資本比率を求めるのはどうかと考えますが、銀行はグローバル感覚で「もの」を考える時期なのでしょう。

最近は大和証券がこの分野に積極的な展開をみせていますが、邦銀の劣っている投資銀行業務に力を入れて、アジア進出を加速させ新興地域の銀行へのTOBや業務提携など積極的にすべきですね。安全を求めるあまり、低い金利で非効率な営業をすべき時代ではないでしょう。その意味でみずほの変革は求められます。

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