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業績と株価(2009年12月26日)

基本的に株価と業績の関係は下のグラフのイメージになっています。業績予想は確実性がなく投資家の読みにより変化します。時代の流れの読みにより業績が変化し常に変動しますね。この時間軸が最初になります。この業績予想を基に株価は常に揺れ動いています。例えば最近の人気株の日産自動車なら為替ですとか…アメリカの経済情勢や日本の景気、そうして中国やヨーロッパの経済情勢に変化を受けるわけです。しかし会社が発表する業績は締めてから、およそ2ヶ月遅れで確定値が発表され時間軸は最後になります。この辺の考え方はご理解いただけると思います。問題は市場のマインドです。市場の体温計と言うか…株価の動きを早めることもあれば、遅くなることもあります。今のようにマインドが低いと、どうしてもネガティブな見方を市場はするようになり時間軸が遅れますね。(a)
逆に政策の信認観が高く市場に安心感が生まれれば(b)のように時間軸が早くなることもあります。更に市場全体のマインドは株価の振幅にも変化を与えます。

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そこで日産自動車の最近の業績の変化と株価を比較してください。必ず業績の変化に株価は反応しています。基本的に赤字が減り始めた時に買い始め、黒字転換したら買い乗せして、更に復配まで買い続けます。そうして増配をする辺りから売り始め、更なる増配で全部の株を売り切るのがオーソドックな投資方法なのでしょう。今の市場は増資に対して希薄化懸念と言い過敏になりすぎています。株価の決定要因で一番大切なのは、あくまで業績動向なのです。

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日産自動車の株価の底値は2月です。この時期に2008年の第三四半期決算が発表されています。
先が見えない時に株価は最大の落ち込みを演じ、ほぼ同時、実際の業績の最大の落ち込みも2009年の1-3月だったのでしょう。実際の結果は5月にならないと分かりません。しかし株価は2月が底で業績に先行して動いています。この1-3月期が最大の落ち込みだと7月末の第一四半期の業績発表で分かります。しかし事前予想は先に月ごとの自動車販売台数などが発表されており予測は可能です。

今回は金融危機なのでファイナンスが付かないことが最大の懸念だったのです。長くIRNETを読んでいただいている方は分かると思いますが、実体経済の疲弊は金融システムにより発生したわけで、金融システムの再構築が課題なのですね。企業は時代対応できる時間があれば、ある程度の調整は付くのです。だから意外に早く企業業績は回復しています。このように売上は減っても利益を上げています。勿論、この背景には各国政府の補助金政策などの支援があったからなのですが…。日産自動車もそうですが、中国などでは既に設備投資に動いています。設備投資の段階に移ったということは自律的な成長過程に入ったということですね。月次数字で株価を追えばもっと分かりやすいのでしょうが、残念ながら日産自動車は発表していません。株価の底は先が見えない時に訪れています。今でも馬鹿みたいに二番底懸念を日経新聞は煽っていますが、既に設備投資の段階なのです。今週のビスタニュースでは、このような業績推移を示している値動きのいい銘柄をご紹介したいと思います。