未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« がんばれ!日銀 | 最新の記事 | 株価の背景 »

何故、株価が急上昇するのか?(2010年03月13日)

ツガミと商船三井の株価を比較し検証します。

もともと商船三井の狙いは世界経済の回復と中国経済を始めとする新興国のインフラ整備により不定期船の需要が見込まれると前提があります。一方、昨年10月以降、中国では大型の公共事業投資などの政策支援により需要が回復して設備投資が増え始めました。中国は景気刺激策から自立回復へ向ったのです。その時期が10月頃と思われます。

r20100313d.gif

中国向けのわが国の工作機械輸出受注が100億円台の乗り始めたのはこの頃からです。6月は55億円、7月は43億円、8月は66億円、9月は85億円でしたが10月に106億円になりました。このことが判明したのは12月に入ってからです。

なかでも中国にターゲットを絞り自社株買いの盛んなツガミに市場が注目し始めたのが12月20日頃ですね。この日のビスタニュースのレポートで初めてツガミなどの工作機械に触れています。報道のとおりツガミは12月28億、1月32億、2月35億と受注を伸ばしフル生産が続き新工場建設に着手し今年の夏を目処に2009年度比で6割増の設備投資を実行中です。ツガミは順調に業績回復の途上に位置し株価は空売りを入れながら上昇しています。

r20100313a.gif

一方、外部環境は良いのでは…と推測された海運市況は新造船の就航が盛んで実体経済とのバランスの改善が進んでいませんでしたが、ようやく最近「2010年問題も過度の悲観的な見方」との楽観論が広がり始めています。…が、当初、私が推測した回復より鈍いようです。何れ回復するのですが、その回復スピードが既にピーク時の回復になっているツガミなどと違い、少し鈍いのです。海運部門の赤字はコンテナ船部門で、ようやく1月には損益分岐点に入ったようですが、依然、減速走行を続け遊んでいる船も多い状況です。好調な不定期船部門の市況も回復途上ですが緩やかなものになっています。
H20年3Qには10223ポイントを付けていましたが、その後H21年3Qにはなんと1176ポイントまで下がり、完全な赤字運行でした。しかしその後回復し、H22年1Qは2631、2Qは2811、3Qは3195まで回復し、現在は3506となっていますが、4Qの平均はこれまで2966ポイントで3Qに及びません。(しかし今後、急回復する可能性あり)

r20100313b.gif


下のグラフ見てください。このような業績発表の前の業績回復角度の状況が、株価の上昇に影響を与えることがお分かりいただけるのではないかと思われます。

r20100313c.gif