未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 売上げ推移を追う | 最新の記事 | 何故、株価が急上昇するのか? »

がんばれ!日銀(2010年03月06日)

昨日は日銀の金融緩和報道に否定的な発言をしましたが、日経新聞だけでなく読売新聞も熱心に報道していましたね。新型オペについて書かれていました。

過去、日銀はなんども政府の圧力に独自性を保てずに流されてきました。でも当然ですね。三重野元日銀総裁はバブルの傷を深くした張本人です。あの当時の政策運営担当者の宮沢喜一元首相も混迷を広げた張本人です。あの当時の日本は、今のアメリカ経済状況なのですね。この大切な時期に「株や土地が下がっても経済活動に関係ない」と述べた、あの問題発言は当事者能力を欠いたものです。故に傷口が深くなってバブルの清算が長引いています。本来、倒産させるべき「りそな銀行」や「中央三井を」存続させた政策にも、戸惑いを覚えます。今でも同じ失敗を、なんども繰り返す日銀の姿を見ると、本当にこの国にまともな実力者がいるのかどうか…。

今回のFRBの対応で中央銀行の力を改めて感じ、何も金融緩和と言うのは伝統的な金利操作だけでなく色んな方法があるのだな…と感心した次第です。中央銀行自ら資金が行かない所に資金投入するのです。誰もが買わない不動産担保証券を買ったりして…自らリスクを採るのですね。最後の貸し手だから当たり前ですね。日銀が出れば何でも出来ますね。まさに最後の砦なのです。それを民間銀行のレベルで物事を考えている「度量のなさ」と言うか…。コールレートを見れば分かります。1%割れは1995年からですから、なんと15年間も流動性の罠に嵌まりっぱなしです。それを忍耐強く、まだ辛抱しろと言っているのですから…日本国民がみんな死んでしまいます。インフレを抑えるより簡単にデフレの克服は出来ます。

r20100306a.gif

日本の地価は2003年ごろ底入れした筈ですが、その水準まで戻っているのでしょう。あるいは底割れしています。株式相場も天下の三菱UFJ銀行が黒字で配当をしているのに純資産価格を割っています。日銀が出動しても文句を言われない水準ですよ。
1989年のバブル経済は一流企業のサラリーマンなら、大げさですが5000万円を無担保でカード融資をしていた時代です。私のようなサラリーマンが株担保で2000万円の融資が得られたのです。支店長自らが勧誘していました。あの異常さを、今こそ発揮すべきですね。日銀の最終目標は適正な流動性の確保です。つまり銀行貸し出しが伸び続けさせることが中央銀行の使命なのです。

r20100306f.gif


それを何年にも渡り減らし続けている異常さは、無能集団と言っても過言ではありません。金融庁も異常な検査体制を方向転換すべきですね。今こそ貸し出し競争面で指導すべきです。貸し出し競争を起こさせる時期ですね。1989年の状態に戻す努力をすべきです。土地担保融資の復活をさせれば良いのです。そうしてある程度、伸びたら今度は引き締めに転じれば良いのです。何故、こんな簡単なことを理屈をこねてしないのでしょう。
市場経済のアメリカがこのような大打撃を受けて…どのように立て直するのか?
非常に興味がありますね。失業率(下のグラフ)などの雇用統計数字をみると分かります。如何に非常事態か? だからFRBは100兆円も自らリスク資産を増やしたのです。日銀はあの行動を見習うべきですね。

r20100306b.gif

ただ2006年の失敗を検証し続け気付いたのですが、日銀もやはり常識派です。
少しずつですが資金供給をしています。私の理屈では目標とするGDP、仮に潜在成長率を3%とすればインフレ上乗せ分を1%乗せて、少なくともベースマネーを4%以上に増やすべきですね。今は極端なデフレ状態なので、もう少しアクセルを踏んでもいいのでしょう。極端な話し10%以上の供給を1年程度続けてからその比率を徐々に落とすとか…。2006年、福井さんは少し日本国内にバブルの芽を感じたのでしょう。慌てて引き締めに走りました。なんと20%以上減らすのです。これでは経済が持ちませんね。この引き締めの影響と金融危機の影響が重なり、折角15年間を経て調整してきたバブルの清算を終えた日本経済を振り出しの位置に戻したのです。「ふりだし」以下かな?

r20100306d.gif

私は日銀批判だけを取り上げていますが…日銀の言い分も良くわかります。でもここは批判を甘受すべきです。何故なら2月は伸び率が2.2%なのです。1月の消費者物価はー1.3%です。まぁ金融政策が効いてくるのに1年半と言われますから…。日銀が緩和姿勢に積極的になったのは昨年の2月です。6.4%を皮切りに供給し始めています。そうして折角12月に臨時政策会議をしたのに、1月4.9%、2月は2.2%なのです。従来の方法で効果がないから新型オペ検討なのでしょう。兎も角、最後の目標の銀行貸し出しを伸ばす努力しなくてはなりません。

r20100306e.gif

何故、最近は明るい展望なのか?
昨年辺りから、感じているのは2005年にバブルの清算は終わっていると言う認識が底辺にあります。先程、述べたように日銀は辛抱して粘り強く日本のバブル清算を待ち自然淘汰を待っていたのです。そうして銀行貸し出しは2005年5月の375兆円を底に上昇に転じました。洗礼は終了したのでしょう。たまたま金融危機が重なり日本経済は二番底に向ったのでしょうね。ここでの緩和姿勢を確りと貫けば、中国やアジアの成長に後押しされ、日本は本格的な上昇相場に入ると思っています。本当はやはり銀行株でしょうね。証券株でも良いでしょう。仮説が正しいなら、ここから徐々に上昇し、年末はかなり明るい展望で年を越せることでしょう。最終目標は銀行貸し出しの増加です。せめてGDPと同程度まで膨らませるまで資金提供を何らかの形ですべきでしょう。非効率な日本国債を買い上げるオペも良いですね。先日の記者会見のようなマイナス会見は今の時期に意に反してもアナウンスすべきではないですね。市場経済はいつも日銀の姿を見ているのです。

r20100306c.gif