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自分の力量を考えて…(2010年04月03日)

株価の予想は難しいものがあります。
一つは全体相場に影響されます。どんなに個別の会社の業績や材料が良くても、全体の市況が弱くては、やはり下がりますね。どちらかと言えば全体の市況の動きの方が大切なのが近年の動きです。その動きを加速させるのが個別の業績などの材料だと考えて良いでしょう。通常の経済状態ならば、そんなに全体の流れに影響を受けないのですが、近年は非常に強く全体相場に影響されると思います。

最近、ビスタニュースの紹介銘柄が軒並み高になっています。
2倍以上になっている銘柄はかなりの数になりますね。この理由は全体相場が改善してきたので、個別の業績が加味され他の銘柄より良く上がっているのでしょう。ただそれだけですね。要するにどんなに良い銘柄を選ぼうとも、全体相場が低迷すればやはり株は下がると言う事です。故に日銀などの政策動向は非常に重要です。

さて個別株をどのようにして選んでいるか? 一例を掲げ解説しましょう。
既に予てから選んでいる銘柄の自動車です。当初、かたるはホンダを選んでいました。そうして日産からマツダにシフトしています。この背景には流れがあります。ホンダはトヨタと違い米国戦略で間違いませんでした。トヨタは大型車などに力を入れ2006年頃からの戦略に失敗しましたね。ホンダ、日産は海外戦略を加速しています。相場が弱い時は先ずはトップ銘柄からです。参加者が少ないので当然です。今は参加者も増え先駆した銘柄は買われています。ここに来てマツダを選んだ理由は明確です。中国戦略と為替相場です。各社、似た様なものですがスバルは中国に進出していません。

マツダの中国は伸びています。2009年は40%増ですね。金型のオギハラを買収したBYDは民間自動車で中国でも飛躍的な成長をしています。理由は低価格車に強いからです。当初、中国では80万円以下の車が主流でしたが、ここに来て売買単価は上がり100万円を超え始めたと言われています。マツダもアテンザが主流ですが、ここに来てアクセラが伸びています。何れも200万円前後の車ですね。粗利率も高くマズマズの展開でしょう。しかしマツダは長安汽車とフォードとの3社提携の為に、生産調整に苦労して販売機会を逸したと言われています。つまり5月からは生産基地が移転され、今度はのびのび売れるわけです。中国の伸びに未来が見えます。

一方、グラフを見ても分かりますが輸出比率が高く、為替の影響を強く受けます。他の自動車会社は50%以下なのですが、マツダは80%弱の輸出比率です。最近の日米の経済状態で金利差が生まれ、為替に思惑が生まれます。ついでにトヨタの提携でHVとの活用により既存車の燃費は飛躍的に向上するでしょう。実は「きよら」など新車はリッター32キロメートルと言われ、ガソリン車では世界トップなのです。米国で新基準が適用されることはあまり知られていません。まだ日経新聞では報道してないですね。

弱点は欧州ですが…最近のドル高傾向により、ユーロに対しても円安になっています。どう考えても、かなりの業績改善が見込めます。面白いのは四季報の予測1株利益水準が低いのです。ここでは過去最高利益が参考になります。だから仕手化する余地がありますね。懸念材料は全体の過熱感だけでしょう。これは仕手化で乗り切れる可能性があります。

問題は仕掛け人の実力ですね。素質はあるけれど…仕掛け人が上手くなくてはなりません。商船三井も素質は秘めています。株価が上がるか、上がらないかは神の裁量の領分です。相場を取り巻く環境が重要になります。為替も全体の流れも…色んな条件が整って相場のスケールが決まりますね。自分で調べなさい。グラフを作るためにマツダのホームページに行きデータを集めます。時間にして1時間半ぐらい掛かります。そうして、そのデータを検討します。マツダの生産高は月間で10万台がピーク水準で今は7万台です。しかし海外生産地、特に中国でしょうが15000台から、既に3万台を越えになり過去最高の領域です。

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これから米国が改善し、欧州も改善傾向、為替は円安に流れ中国販売が増えることを考えると相場の将来性は明らかです。タイにも生産基地を有しアジア戦略の布石もあり、唯一の弱点の技術力をトヨタとの提携で補いHVにも進出します。何故、マツダだけを採り上げているか? 実はかたる君の本命銘柄は他にあります。しかし公開ページを考慮し、あまり影響力がない大きな銘柄なら、多少は説明しても良いか…と考えました。自分で調べなさい。やる気さえあれば自分で考えられます。その為の資料は揃っています。会社のホームページに行けば、決算資料は公開されています。自分で充分に吟味して疑問に思ったらIR担当者に電話で質問しても良いでしょう。場合によれば訪問しても普通の会社はちゃんと応えてくれます。普段から新聞を読めばいろんな情報が手に入ります。

自分で会計士の勉強をしてもいいし、アナリストの勉強をしても良い。本当に株で儲けたいなら新聞や雑誌を読み、会計法などの勉強をして相場のデータを日々追い、資料を作れば良いのです。かたる君のパソコンには経済データが、たくさん保管してあります。最近は便利になって、日本だけでなく米国も中国もデータを集められます。背景のない相場の上昇は一時的です。GSユアサに悲観的だったにも、早すぎる為。そうして業績の向上と株価が見合わないためです。でもマツダの株価は納得できますね。ただマツダも高くなればやはり売ります。当たり前のことです。(相対的にかなり上がっている段階です。)

高くなっても買い続けられるのは、滅多に現れない成長株だけです。成長株はPERの世界ではなくPSRの世界で株価が説明される領域です。PERで論じている段階なら、いくらでも買えます。PER100倍と言う水準は限界ですね。その上を買うためには、PSRの世界の語られる売上げの飛躍的な伸びがないとなりません。飛躍的な伸びとは最低でも30%以上ですね。出来れば2倍、5倍と言う目安がないと株は買えません。1兆円企業の売上げが2倍になることは先ずないですね。しかし10億円企業なら可能です。

先ず自分で考え、どうしてそうなるのか充分検討します。
そうして納得したら失敗に備え行動に移します。いつも成功するとは限りません。リスクが取れる自分の裁量があります。自分の力量のなかで挑戦すれば良いのでしょう。撤退する勇気が必要なことも、このたび学びました。人それぞれの力量が違い、1000株でも10万株でも同じ投資なのですね。分かりますか? 先ずは自分の力量を磨く為に、どうして株が上がるのか? その背景を考え納得してから買うことです。