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乱高下は転換の合図(2010年06月05日)
昨日は予想以上の下げに見舞われたNY市場です。
しかし私は底打ちをしているのだろうと考えています。理由は未だに1000ドル安(9787)の下値を割ってないからです。通常の調整は最初の一発目の安値が基準になります。それを下回るようでは…。実は今回の下げの前には兆候がありました。4月の下旬から5月の頭に100ドル以上の上下を繰り返して、強弱観が対立している様子が窺えます。ギリシャ危機は前からありました。しかしGSへのSECの訴追は市場に動揺を与えましたね。この時期に…何故?
誰もが考える疑問です。もっとも大切なこの時期にオバマ政権は失政を犯しています。その失政を市場が咎めない筈がありません。世界景気は各国の財政出動や中央銀行の超金融緩和政策で、どうにか回復し始めた所です。FRBの膨れ上がった資産は通常の状態に戻るかどうか…と言う大切な場面です。故に、市場はギリシャを人質に警戒信号を発したのでしょう。しかしその後の展開は芳しいものではありません。各国政府の金融悪者論が跋扈しています。欧州の緊縮財政への転換、明らかにEUは失速の道を歩んでいます。ドイツはユーロ安がプラスに働くので、市場を強引に動かそうと規制を発動しました。勝手な行動ですね。幸いイギリス、フランスは同調せず現在に至ります。
問題は医療改革の成功で、出過ぎた真似をしたオバマ政権を叩くことが市場原理なのでしょう。オバマ政権は市場の混乱を見て、鉾を収めれば市場の動揺も鎮まるのでしょう。今はこの過程でしょう。両院委員会の金融規制の意見のすり合わせは順調のようです。この行方が問題ですね。微妙な展開なのです。仮に最悪の展開は金融規制の強化から、世界の流動性が消える形です。この方向性を選択した場合は厄介ですね。既に上海総合株価指数をみると、流動性不足が現れているようです。ホンダのストや富士康問題などは中国共産体制の負の部分の表面化現象でしょう。
今の状況は、確実に悪化する世界景気のイメージです。2番底への奈落の底へ…
世界経済の日本化現象ですね。日本と同じ失敗を世界は犯しています。流動性を供給する為に清貧思想を掲げるとお金が動かなくなりますね。お金が動かなくなれば動きが止まります。ポジティブ思考からネガティブ思想の暗い世界への転換を日本は歩み続けています。同じ現象を世界も現在は歩んでいるようにもみえます。しかし金融規制が骨抜き…と言うか、ソコソコなら、流動性は確保されインフレ経済に向いますね。何しろ世界の中央銀行はお金をばら撒いているのです。お金はあるのですが先行きが不透明なのです。だから慎重になっている。こんな構図が今の世界経済の現状でしょう。現在はどうも通常の調整で終りそうですね。
下のチャートを見てください。100ドル以上大きく動いたポイントが掲示されていますオレンジはマイナスです。黄色がプラス。白い丸の中は上下を繰り返す仕掛けの部分です。今は下値のボックスで上下を繰り返し始めました。この考え方を覚えておくと良いでしょう。個別企業の株価でも同じことです。前兆ですね。残念ながら日本株には主体性がありませんから月曜日は安いでしょうが…懸念していたユーロも1.2ドルを割り底入れ条件が整ってきました。月曜日は買い場でしょうね、きっと…。楽観論者のかたる君は買い向うつもりです。チャンス到来、時期的にそろそろ底入れです。6月の中旬には金融法案の行方が見え7月には決まると言われています。下値は限られています。