市場(2010年08月14日)
最近ショックだった現象があります。それは狙っていた株の思わぬ動きです。通常、ありえない現象が市場に出現するようになっています。所謂、市場崩壊の現象です。昔はモラルがあり証券マン一人ひとりが自覚を持ち、誇りを持って仕事に励んでいました。でも今の市場は…みんな自分勝手な動きになっています。新聞や雑誌の権威は失われ、その辺に転がっている興味本位のタブロイド版的な存在に成り下がっています。
マスコミの基準はNHKをはじめ、売れれば良いという基準があるようです。日経新聞などの商売を見ていると商業第一主義です。そりゃ赤字なら、続けられないから商売を重視するのは分かります。NHKが大衆(視聴率)に基準を合わせようとするのも分からないではありません。しかし世の中が長い「うつむき加減」の為に、元気を失い、どんどん悪いほうへ転がっているように感じます。ヤクザと言えば排除です。藤原審爾の『昭和水滸伝』に書かれているような侠客と言う世界もあります。ヤクザにも、白川道が描く「終着駅」の世界もあるでしょう。僕はヤクザの世界には居ませんから分かりませんが、あの世界は、人一倍に「男道」と言うものに拘りますね。だってそれが自分達の生きる証です。かっこ良く生きたいと願っています。だからモラルはあるのでしょう。
良識を越え崩壊する市場を見て、「儲かれば良い」で動いている世界とは言え、単に儲けを追求するより、市場育成が底流に流れ、良識ある証券マンは自制してきました。公募など売れれば良いという基準と訳が違います。東証の権威は何処に消えたのでしょう。ライブドアの粉飾は認められないが、歴史ある石川島(IHI)は認められるのです。これじゃ、ルールも何もあったものじゃありません。挙句の果てに、厳しい筈の上場基準が歪み、僅か1年か2年程度で、上場を認めた会社がなくなる事態です。一体、上場基準はなんなのでしょう。詐欺の片棒を担ぐのが、僕ら証券マンの務めなのでしょうか?
MSCBを認める東証なら、そんな市場なんか要りません。
一番の問題は疲弊する経済です。だから本来、犯してはならない領域に追い込まれる大企業が続出し、なりふり構わない行動をとるようになりました。自分たちは許されるが、成り上がりものは許されない。フェアなルールは消え、安易な恣意的なルールに支えられるから、市場の基準が歪み、株式の権威が失われます。株式には支配権が存在し、グリーメラーだろうが、ヤクザだろうが、株を支配すれば経営権は、その人のものです。市場はオープンな筈です。乗っ取り嫌なら、最初から上場しなければ良いのです。それを勝手に、MBOを簡単に連発する。上場したのに、この株主は気に食わないから、株主になって欲しくない。
日本生命や東京海上を始めとする機関投資家は、自分達の庭先を荒らす輩を退治するべきです。そうしてモラルを取り戻しましょう。先ず、公認会計士が努力して資産債務除去しているのだから、簿価の純資産価値を信じ、それらの株式にTOBを連発して解散させましょう。経営権は同業他社に売れば良いのです。だいたい、黒字で配当もしているのに、純資産を大きく割り込むなんておかしいですね。日本生命や東京海上は、その価値を正す力があります。それをサラリーマン根性丸出しで自分さえ良ければ…なんて、義侠心がない人間でどうするのですか?人間いつか死が訪れるのです。だから自分が生きていた証に、社会の為に、自分の地位をフルに使おうと考えないのでしょうか?
本来は政治家の仕事とか…他人の責任にしないで、先ずは自ら生きる道で、精一杯の努力をするのが日本人でしょう。市場を守り市場が栄えれば、やがて優秀な企業が世界に羽ばたく事でしょう。僕らは市場を守らなくてはなりません。ネット・トレーダーが儲かる為に売ってきたら、喜んでその売り物を全部買えば良いのです。たかが100億円程度の世界の話でしょう。そうやって論理的に正しい株価を構築し行けば、やがて市場は浄化され正常な論理で動く市場になるでしょう。汚れた市場を一緒に浄化しましょう。
明日はおかしな株価が形成されたその現象。
何故、かたる君はショックを受けたのか…その真実を告白します。