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成長株投資(2010年09月11日)
日本の低迷は明らかで、ものづくりの国と言いますが、既に多くの分野で世界競争に負け続けています。色んな考え方があるでしょう。例えば台湾の鴻海精密工業は、アップルなどの製造会社で、これまでは年率30%の勢いで成長してきました。先日、競争激化から売り上げ目標を15%増に訂正したことは記憶に新しい所です。もし製造業の国なら、EMS企業であってもこのような高成長の会社が日本に存在している筈です。半導体も嘗ては日本が世界で一番でしたが多くのメーカーが敗退し、現在では韓国のサムソンに大きく水を空けられています。日本の新聞だけを読んでいると、なかなか実体は分かりませんね。だから政治家や役人が、時代を読み間違えているのでしょう。ドイツと双璧だった工作機械の分野でも最近の凋落振りは明らかです。
新しい技術の開発で、日本優位の場は携帯コンテンツの分野でしょう。
3Gは世界に先駆け普及し、その為にコンテンツ市場が育成されています。この背景にはソフトバンクの功績は大きなものがあります。この業界の成長率はかなり高く、なかには倍増のペースで伸びているDENAのような会社もあります。更に近年注目されるのが、組み込みソフトの分野でしょう。まだ目立った産業に育成されていませんが、マイコンの成長は目覚しく、リナックスの開発分野でも規格統一化が進んでいます。
ここで若干の解説が必要でしょうか?
組み込みシステムが発達する以前は、電子制御を行う仕組みをアナログ回路やデジタル回路といったハードウェアによる電子回路により構成していましたが、各種機器に新たな機能を追加する場合、いちいち回路を変更する必要があり、コストがかかるという問題がありました。しかしマイクロプロセッサの発達により、コンピュータを用いた制御方式を導入することで、電子機器の回路は変更せずソフトウェアの部分のみを変更することで、機能の追加が可能になり、機能追加に必要なコストが削減されました。 このため、ほとんどの電化製品に組み込みシステムを搭載するようになり、それにより、製品の付加価値となる新機能が比較的容易に追加されるようになり高機能化・多機能化が進んでいます。パワー半導体なども一例です。
現在では、洗濯機、炊飯器、エアコン、テレビ、ビデオ、DVDプレイヤー、デジタルカメラ、プリンタ、コピー機、携帯電話、自動車、カーナビゲーションシステム、信号機、エレベーター、自動販売機、券売機、リモコンなどあらゆる機器に搭載されています。とりわけ自動車には多くの組み込みシステムが搭載されていて高級車には100個を超えるマイコンが搭載されているそうです。
株式投資は目先のアヤを取るゲームではありません。
基本的に時代の先行きを見込んで、その中で勝ち残る企業を選択し、その会社の成長に「夢を託す」ようなものでしょう。投資をするとは、市場は小説で、その主人公の生き物語のストーリーを読むようなものでしょう。だからこそ、時代の流れは大切で、世界で起こっている現象に敏感にならなければなりません。ただ時代がその企業を応援しても、企業が世界競争に勝てる保証もありません。資源もなく、人件費もそこそこ高く、規制などの注文が多い日本で、産業が衰退するのは自然の流れです。唯一の救いは、先代が残した過去の遺産です。一つは社会基盤ですね。通信をはじめ道路などの交通も整備されています。もう一つが資本力ですが、バブル崩壊以降、ベンチャー系には厳しい環境が続きます。実績がないと多くの会社は設備投資もできません。
ここで振興銀行の破綻の背景が理解できるでしょうか?
金利は高いが審査は優しい金融機関は必要です。日本の金融システムは画一化され硬直化しています。まぁ、金融庁に人がいないのでしょう。本来、デフレがここまで蔓延するほうがおかしいですね。何も金融庁だけでありませんが、時代が変化して悲鳴を上げているのに、自分達のやり方は正しいと、バブルにもなってないのに細かい所まで、退治に躍起になっているのが現体制です。今は逆ですね。昔の秀和や桃源社などのやんちゃ系の経営者を虐めてはいけませんね。木村さんのやり方はまずかったのでしょうが、やはり助けるべきでしょうね。りそなのように公的資金投入すべきでしょう。それが破たん処理です。自分達の仲間が失敗した時は救いの手をさしのべるのに…。菅総理にも、当然、報告は上がっているのでしょう。だから私は官僚ロボットだと言うのです。デフレ退治と口では言いながら、デフレ政策を実行しています。分かっていませんね。別に振興銀行の肩を持つつもりはありませんが、世の中には必要悪もあるのでしょう。清貧思想では経済が疲弊します。ライブドアから一貫して揺り戻しが起こっています。
市場経済化の動きが加速し、マザーズなどの新興市場が誕生し、資本供給の役割を担うはずでしたが、近年は規制強化のために、上場意欲が薄れている会社が多いですね。恣意的な既存システム対応などが背景にあり、障壁が高くなっています。どうも小泉・竹中改革も、役人の圧力により壊されたのでしょう。格差拡大などの市場原理の悪さが強調され、メディア中心にマインドコントロールされたのでしょう。残念ながらメディア攻勢で、小沢氏は僅差で敗退しそうですね。この点、国会議員のレベルの低さがわかります。メディアが正しいと考えている多くの国民がいますからね。
鈴木宗男の判決も実態はわかりません。佐藤優さんの「国策逮捕」は有名です。昨日、無罪が確定した厚生労働省の村木厚子元雇用均等・児童家庭局長の手記が10月号の文藝春秋に掲載されています。生々しい検察官とのやりとりが書かれており、作為的な作文によって調書が作成され、その調書を元に裁判が行われます。本当かどうか分かりませんが、仲間の話では僕らの世界でも同じような「事件の捏造」が起こっています。「信じられる検察の実現を…」と村木さんは語っていました。小沢氏の言う国家権力の乱用は、十分、あり得るのです。何処が真実か分かりませんが可能性はありますね。
菅さんと小沢さんの戦いの構図は、役人対政治家の構図で、その背景には、米国と日本の戦いだと考えるかたる君の主張もある意味で、きっと的を得ていると思います。僕らが接しているメディアの情報はつくられたシナリオです。株の世界に何年も身を置くと、いろんな事を考えます。単に業績が良いから株が上がるわけでもないし…やはり背景に仕掛け人が存在します。相場環境が良い時は、僅かな買いを入れれば賛同者が多く、株価は水を得た魚のようにスルスルと上がります。しかし、ここまで清貧思想が蔓延り近視眼的な現状が続くと、滑稽なほど独り舞台を演じる事になります。
長くなっても退屈でしょう。此方が組み込みソフトの状況です。関心のある人はみて下さい。実はかたる君はこの銘柄に夢を託しています。株価100倍の夢を…。10万円なら1000万円です。100万円を投じれば1億円。本来、成長株投資とは、このような背景を考えた投資が必要なのですね。この会社の技術は省エネ効果があるのです。中国などの人口の多い国々が成長を続け、世界経済は飛躍的な第二幕に移るのでしょう。その移行期が金融デリバティブの失敗で自然のセオリー通りです。問題は時間の感覚だけなのでしょう。