未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« グローバルな考え方… | 最新の記事 | 初めての金融政策転換 »

二極化(2010年10月02日)

10月に入り思ったほど、景気は落ち込まないという楽観論が広がり始めています。つまり4月から二番底を付けるという警戒感が強く働き、不安心理を煽っていました。本来、日本は高成長を続けるアジア圏の影響が大きく、欧米の株式市場に比べ、回復が早い筈ですが、ちぐはぐな政策不信のために国内で混乱が起きており、2006年の小泉政権の構造改革からの揺り戻し政策が、リーマン・ショックと重なり、複合的な精神不況から立ち上がれないと言うのが実情でしょう。しかし企業は逞しく新展開している方向性が評価され始めました。日産自動車は良い事例でしょう。流石、ゴーンさん。あの時期にGMから社長就任要請がかかる訳ですね。日本は難しい国です。

様々な規制や、拘りがガラパガス現象を引き起こし、以前はプラスに働いた付加価値の創設が足を引っ張っているようです。携帯電話は日本がトップメーカーになる素質があったのでしょうが、折角のチャンスを潰しています。半導体もそうですね。それに続く液晶も太陽電池も全て世界競争に敗れていますね。一つは税制などの構造的な費用が挙げられ、もう一つは地域的な拘りがあるのでしょう。トヨタの国内生産への拘りなどが代表的な事例だろうと考えています。資源がなくて、人件費が高く、様々な関連費用が高い日本は世界競争に負けて当然です。

困った事に、つい最近まで「鉄は国家なり」との過度の製造業重視の考えを持った時代感覚を無視した経営者が、日本の指導部に存在し、古きよき時代への哀愁を持ち出し、折角、時間を掛けて解消してきた株式の持ち合いを再び復活させたりしてきました。2003年からの回復は、そのような誤った感覚に潰されました。2006年の創設された様々な法律や制度は、今も日本の成長に影を落としています。小泉・竹中改革の強引な手法が時限なら良かったのですが、残ってしまいましたね。民間なら方向転換はできますが、国の制度だから厄介です。

企業再生支援機構など…必要なのでしょうか?
先日は金型の企業を支援すると…間違った産業支援が失われた時代に繋がっているのでしょう。復活できる制度作りが大切ですね。日本は限られた枠の中で生活する分には非常に快適ですが、はみ出しものを絶対に許さない体質になっています。役所の意向に逆らったら必ず後でしっぺ返しを受けますね。いやらしい島国根性は官の体質です。市場経済の要であるべき株式市場は死んでいる状態が続いています。大型増資などで利用するだけ利用し…まるで産業廃棄物処分場のような印象を抱いています。

日本の銀行組織もマニュアル営業で縛られ、自由な裁量が全く認められていません。これも長いデフレと強引な検査マニュアルを残した小泉・竹中改革の弊害でしょう。UFJ銀行をでっち上げの証拠で潰した、あの強引な強行検査体制が、今の大阪地検の問題と何故か結び付いているように感じますね。普通は強引な解釈であそこまで追い込みませんね。はじめに結果ありきのでっち上げ検査で、泣く泣く関係者は引き下がったのでしょう。国家権力の恐さです。今も色濃く、あの体質が残り日本の改革を妨げています。

世界経済は二番底懸念から立ち上がり株式市場は回復していますが、日本株は駄目ですね。だから株式は正直です。過剰な規制で悲鳴をあげている姿が今の金融株でしょう。何度も述べますが金融が栄えない国は滅びます。この考え方がどう株式市場に結びつくかと言えば…基本は強くありませんが海外進出をしている企業は伸びる可能性があります。国内企業でも老人ビジネスは栄えていますよ。一例を掲げれば…沢井製薬のキョーリン買収問題。調剤薬局や介護の関連ビジネスは伸びていますね。

残念ながら、本格的な株式上昇まで菅内閣では駄目でしょうね。政治主導を実現できないと構造改革は出来ません。あれだけ上手かったパフォーマンス内閣の小泉さんも、最後はおそらく追い込まれたのでしょう。目に見えない官僚体制を打破するのは容易じゃないので…彼らの意識改革を待つしかないのでしょう。デフレ社会は彼らにとって矛盾を感じません。変わるとすれば財政赤字から公務員の給料が実際に下がる時でしょう。早くも公務員給料カットの話は頓挫しているようです。GDPに準じた給料体制に変えれば良いのです。国家政策の中枢を担う役人の給料は2000万ほどでしょう。3%成長を3年実施できれば50%アップさせるが、出来なければ50%ダウンになる法律を作れば真剣に浮揚を考えるでしょう。3年間の猶予を与えるのです。

既に子供たちを見ると中古品に抵抗観がないようですね。ブックオフなどの貸し本業に似たサービスやヤフーオークションなどの仕組みはデフレ社会の現象かな? 最近では食べログの割引チケットなどの制度も悲しいデフレ現象に感じます。日本人自身から上昇志向が消えてきましたね。あの高級レストランに行きたいとか…、あのスーパーカーに乗ってみたいとか…。やはり行き着く所まで行くのかな? 時間切れが間近に迫ります。

r20101002a.gif
r20101002b.gif