初めての金融政策転換(2010年10月09日)
既に世界経済では誰も二番底懸念を言わなくなりつつあります。
日経新聞をはじめメディアは過度の悲観色を日本の投資家に植え付けた罪は重いと考えています。確かに政府の補助金がなくなれば自動車販売は大きく落ち込みます。例えばドイツですが自動車登録台数は前年比では30%前後落ち込んでいますが、しかし基本的に株価は高値圏での保ち合いです。日本もエコカー減税がなくなり同様の現象が起きるでしょうが、世界経済の回復は大きく中国、インド、タイ、インドネシアなどの需要が落ち込みを埋めると考えられます。デカップリング現象です。その動向を感じたのがNY市場の42年ぶりの9月の株価上昇ですね。しかし日本は…混迷する政策不信からなかなか抜け出せません。
既に内外価格差はなくなり、円高を享受したニトリ、ファーストリテイリングの株価は注目されていません。しかし最後に残された過剰生産設備の解消は道半ばです。日産自動車はマーチの生産を、九州からタイへ移管しましたが、トヨタは未だに国内生産に拘っています。この辺りが影響し、最近の両者の株価の動向に違いが生まれているのでしょう。
ただ今回の日銀の包括的金融緩和政策は、的を得た正しい政策の実行です。これで日本株も長いデフレ政策が転換されるので、株価も上がる状況になり、まもなく社会の閉塞感がなくなります。諸悪の根元の多くは日銀の間違った政策だったのです。以前にも述べました。資産デフレが日本を奈落の底に陥れていたのです。ここで大切な政府の施策は規制の緩和です。日銀がデフレ政策からインフレターゲット論に政策変更しましたから、過度の金融庁の指導を変更しなくてはなりません。今度は政府の番です。果たして何人がこの重要な事実に気付いているかどうか…。
行政指導をやめて民間の活力を引き出すように、180度の政策転換をしなくてはなりませんね。追い込まれる前に、是非、実行して欲しいものです。時代の流れは変えられません。新日鐵の三村さんは村上ファンドが元気な頃、M&Aを恐れ、株式の持ち合いを再開しました。あのお金を新興国への高炉建設に使っていたら、新日鐵の株価は高くなったでしょうに…無駄な経営判断でしたね。所詮、日本のローカル・ルールは役に立ちません。
2003年からの立ち上がりは、外資系ファンドに力がありました。だから日本の金融株から株式は急騰して行きましたが…今回は痛んでいますね。表面に出ない損失を抱えていますから体力がありません。故に急激な株価上昇は期待できないかもしれません。しかし初めて日本が20年ぶりに政策転換を実施しますから、徐々に株価は回復するでしょう。今、私が感じている感覚を、皆さんが実感できるのは来年でしょうね。果たして菅ロボット内閣は2006年から強めた規制を緩和できるかどうか…。はっきり言って、必要もない検査などが多すぎます。関連省庁もダブっていますね。
消費者庁?は農林水産省と経済産業省とかに、重複しませんかね?
必要以上に検査要員を確保するから必要もない権力を振り回すのでしょう。地検もおそらく人数が過剰なのでしょうね。だから事件化しようとするのでしょう。
検査から生産現場へ人員を回せば良いのです。上がらぬ検挙率は安心を奪います。その反面、減り続ける交通事故なのに必要もない取締りを実行しているように感じますね。暴走族などが社会に迷惑をかけている時代ではないですね。銀行貸し出しが減り続けているのに、厳格な融資検査体制が必要なのでしょうか? 異常な背任行為の認定や株価操作などの検挙などの規制は、社会の躍動感を奪うものでしょう。
最近、見せ玉による株価操作で多数が検挙されているようです。市場関係者からすれば、行き過ぎの検査のように感じます。仮に見せ玉で株価が上がるなら、その仕組みがおかしいですね。売り物を見せ玉にぶつければ良いのです。それが市場でしょう。金融庁自ら見せ玉と思われる買い物に玉を手当てしてぶつければ、自然と犯罪は解消されるでしょう。買う意図がない注文を出したとしても、注文を出した時点で売られる可能性がありますね。だからこの検挙は、行き過ぎじゃないかと考えます。やはりこのような基準は、僕には理解できません。市場に流動性がなくなる原因のひとつは過剰な検査体制にあるんじゃないでしょうか? 僅かな注文に行政が関与するほど、暇なのでしょうか?たかが数億円の話しでしょうに…。
社会の閉塞感は妬みから生まれるのかな?
蓮舫氏が「VOGUE NIPPON」11月号の写真撮影を議事堂内で行ったことについて「撮影許可の基準を満たしていない」と批判されている問題もこんな事で批判されるのかな? 確かに行き過ぎかもしれないが…過度に批判する問題でも…と考えますね。日本は他人批判する国ですね。まぁ僕もいつも政策批判をしていますが…正しい選択は正しいと言います。日銀の今回の包括的金融緩和政策は、的を得た正しい選択です。市場関係者からすれば額が小さくインパクトは足りませんが、画期的な出来事ですね。
日本市場な海外から見ると、かなり遅れて動きます。
しかし既に多くの銘柄が上昇波動に入っています。例えば伊藤忠に続き丸紅も…大きく抜けてきましたね。ここに来て村田などの電子部品株も上昇を目指しているようです。二番底は消え、まもなくBRICsを中心に、市場のパイが大きく増える新時代がやってくる。過剰生産ではなく正常な経営判断でしょう。その意味で日産が計画している中国の販売実績は注目されますね。日本の新聞は話題にもしませんが…大きな話しですよ。何故、マツダに注目したのか?もう直ぐ誰の目にも分かる時代がやってくるでしょう。