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隠語から相場論(2011年03月19日)
株屋の世界では隠語が好まれます。一般の人には分かり辛い言葉も業界人にとっては通用します。平和不動産のボロとか、任天堂のトランプとか…まぁそれぞれ謂れはある訳で、一説によればボロと言うのは、平和不動産は東証の大家さんであり、仕手株として大人気の株式でした。その為に流通が激しく株券がボロボロになっていたから付けられた通称と言われています。更に任天堂は僕が株屋の世界に入った時は、トランプとか花札を製造していた小さな会社だったのです。それからゲーム&ウォッチで成功しドンキーコングのファミコンに繋がって行って世界的な会社になりましたね。昔の経過から言葉が使われています。
すし屋の世界でも1をピン、2をりゃん、3をげた、4をだり、5をめのじ…9をきわ、などと表現しますね。その業界には一般の人には分からない言葉が用いられるのは、おそらく話の内容を聞かれるのを嫌ったのでしょうね。僕らの業界には注文の単位を1本とか10本とか使うことがありますが、お客様によっては1本の注文が、1万株だったり、10万や100万株だったりします。「じゃ、明日トランプを1本買っておきます。」と言っても相手には通じますが一般的には分かりませんから、喫茶店などの他人が大勢いても平気で言葉が交わせます。ところが「じゃ明日、任天堂を10万株買っておきます。」と言ったら悪用される可能性があるからこのような隠語が好まれたのでしょう。
実はカタルのホームページも、長くお読みの人には分かりやすいと思いますが、一般的には分からない部分もあります。鬼ゴム(鬼怒川ゴム)から鬼が島の桃太郎を連想し、僕は桃太郎と表現していたり、太郎君の事をアラビア太郎と俗称で呼ばれていたアラビア石油の山下太郎から、AOCを太郎君にしたり…それぞれ連想的な会話で用いています。よく本文に登場する007は、ユビキタスのユビから指(フィンガー)→ゴールドフィンガー(黄金の指)→ジェームズボンドの007を連想しました。ビスタの読者には分かるように用いる前に報告しており「今日の市況」ではこのような隠語を用いることが多いですね。
最近始めたルネサスエレクも、もともと日立と三菱電機の半導体部門の合併会社ルネサステクノロジ社名から(Renaissance Semiconductor for Advanced Solutions)とNECエレクトロニクスから取ったものなのだと言われています。そこでRenaissanceからイタリアを想像し、ダヴィンチやミケランジェロ、ラファエロ達がフィレツェと言う街のメディチ家の援助で育っていますね。この観点から新しい隠語を探しているわけです。何か復興と言うのは今の時代にピッタリの言葉のような気がします。でも迷っていますね。相場付きや値動きから色んなことを考えるのです。もう一つの候補が北米です。北米と言えば藤本秀朗さんが作った会社が注目されます。米国の景気回復は今年のテーマの一つでもあります。
僕は前から述べているようにQE2は成功すると考えています。でもGSE(ファニーメイやフレディーマック)の存在が完了するまで完全復活になりません。日本の進展と比べれば、断然、市場経済らしく米国の回復は早いですが、やはり時間がかかります。この違いは国民性の違いなのでしょうね。一昨日の3月17日のフジテレビのドラマで外交官 黒田康作#10を、たまたま見ていましたが、悪役の近藤正臣が演じる場面を見て主義主張の違いが指摘されているな。…と感じました。これは脚本家の演出だと思いますが、米国一辺倒の政策が正しいのか…日本独自の独立国家を創れるかの戦いの構図が描かれていましたね。みんな一緒の事を感じています。
さて隠語の解説から始まった株式教室はようやく本題に入ります。国策の路線はどの道を選択するかの意見対立で利害関係だけではありません。あのドラマを見ていた人は分かると思いますが、近藤正臣が演じる外務大臣の斉藤修助も自分が正しいと思う道を、苦汁の選択の中で決断したのではないかな?僕はドラマを全部みてないから経緯は知りません。
実は株式の銘柄選択も様々な可能性があり条件が整わないと相場にならないのです。皆さんは値動きだけしか見てないと思いますが、大きく育つ銘柄には、必要な絶対条件である業績の向上の他に時代性や社会環境の背景があります。その背景の中で市場参加者は一人、また一人と集まって相場が成り立っていくのです。だから折角、条件に合う良い銘柄を選択しても、大きな相場に育つ確証はないのです。
そこで仕掛け人の存在が欠かせませんね。その仕掛け人の意図を読んで自分が協賛するかどうか…これが投資です。僕がいくらこの銘柄は良いよ。どうして良いのか説明しますね。でもその説明に納得して参加者が増えないと相場になりませんね。相場になるためには、当然、演出も必要になります。引けにかけて株価が上がり明日に繋がるか? 今回の震災にも拘わらず、株価が大きく崩れなかったり…。様々な演出をする黒子が市場に存在します。当局はその黒子の存在を嫌がりますが、やり過ぎは駄目ですよ。でも必要ですね。旗振り役が居なければ一般の人は分からないし気づきませんね。業界の精通している人が、正しい道に資金を誘導すれば、市場はやがて栄えて行き、様々なリスク商品への資金調達が可能になり、その結果、経済が栄えます。
現在はこの投機性のある資金を否定していますね。ここが問題なのですよデフレ社会は…。ソフトバンクはようやく容認されつつありますが、日本ではまだ社会的な認知はNTTに比べればかなり低いですね。孫さん自身も純粋な日本人ではないから認められない傾向もあるのでしょう。でもあの高金利で2兆円もの資金を借りてくる力、更にその借金を返す演出力は一流ですね。世襲制や学閥で偉くなった人たちよりずっと素晴らしい。本物の実力主義の時代がやってきているのです。ジャスミン革命はそのことを示していますね。
僕は株屋を31年やりました。そうして日本の体制に失望はしていますが、希望は捨ててないから一日3回のレポートを書いています。メインは「今日の市況」でその中身を分かりやすく、赤裸々に書いているのが、僕を応援してくれているビスタの読者と元お客様に…。(昔のお客様はユーザー名に僕の名字をローマ字で入力し、パスワードは会社の電話番号です。03は省いてくださいね。8ケタです。)そうして「今日の市況」に、最後がミクシィーのSNSですね。最後は簡単に書いているだけですが、時間的に移り変わる心の描写が分かるかもしれません。一般的にはIRNETだけで十分です。今日だって普段は書かない隠語の解説をして、今日の市況で分からない謎が解けるようになっていますね。毎日読んでくれていれば、一般の証券マンより、ずっと高度な知識が得られるようになるでしょう。
今日のテーマは銘柄選択で相場になるかどうかは…
実は仕掛けている本人達にも分かりません。余程の資金力があれば自分で相場は作れます。問題は世間がどう評価するかなのですね。自分よがりの選択は敗退します。誠備の加藤さんのようなものです。あれも不幸でしたね。日本の本筋を歪めすぎました。だから最後は担保に取らないと言う非常手段を使われましたね。まぁ今では当たり前の感覚ですが…。皆が決めるのですね。相場はみんなの心が作った産物なのでしょう。ここで述べたいのは銘柄選択にあたり、業績が向上するのは当たり前ですが、仕掛け人が数グループ介入するかどうか…。市場の人気度も当然、影響を受けます。でも人気だけで仕掛け人が居なければ相場になりませんね。その仕掛け人は時代を読める力があり、創造力が豊かでないとなりません。このような条件に合う銘柄が大きな相場に育つのです。
今回の震災をきっかけにして、新しい日本を復興できると良いですね。今は時間的な経過や日本人の心の推移を見れば、大きなチャンスがやってきていますね。2003年に続き2011年は飛躍へのチャンスなのでしょうね。あとは旗振り役がどう行動するか? 菅さんは大連立構想を、非常時だから立ち上げると言います。昔、小沢さんが述べた構想を使っていますが…どうかな? ボロボロの器だが震災で心が一つになれば良いのですが…。そろそろ日本も本物の時代に移って欲しいものです。