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改めて思う気持ち…復興に向けて…(2011年03月26日)
輝かしい日本人の精神はまだ残っている。最近の日本人のモラルをみると呆れるばかりでありました。電車の中で平気で化粧をする女の人や子供に物を食べさせる母親の姿など…どこか違和感を受ける年代になったのかな?と思っていましたが、震災を機に多くの日本人の精神には「献身」の気持ちが残っているらしい。武士道の精神の中には損得を超えた美徳があり、ライブドアとは対照的な位置にあります。「儲かれば何をやっても良い」この精神構造の狭間で揺れる株屋としては中途半端な人生だなとは思いますが、理念はやはり貫きたい。
でも互いに極端だな。…と言うのは逸脱した極端な例を、市場を通じて観てきたからです。一つは日本の武士道は自らを律することにありますが…4選を目指す都知事候補の石原さんの行動は、どう考えても政治のフェアな精神から逸脱します。米国の大統領はどんなに素晴らしくとも2期8年で終了すると言います。長い権力は必ず腐敗するからでしょう。ジャスミン革命はその修正波。さらにフジテレビの事件もブルドックの事件も、どう考えても日本の美徳から遠く離れています。コーポレートガバナンスの考え方が根本から違うらしい。故に単純平均株価が下げ続け、失われた時代が続いているのでしょう。
一方では、ライブドアを強烈に批判した地検のフライングは一定の理解もあります。「儲けることは悪いことですか?」と発言した村上さんの精神構造は、僕なんかの価値観では、やはり魅力を感じません。彼らの行動をさげすむ自分が心の中では存在します。僻みだろうか? 仕手株のように激しき上下する人生を歩み、お金の価値観なんて実につまらないものだと負け惜しみを言っている自分が、やはりそこには存在します。投資は微妙な心の揺れ具合が結果を左右するものらしい。
読者の皆さんは知識レベルが高いから、お分かり頂けると思います。現在の心境はこんなイメージです。でも僕が「スーパー成長サイクル論」に賭けているのは、早いのは承知していますが機は熟していると感じるのですね。WSJの[ふくしま50」の記事を皆さんは読めますかね? 中身は通常の給料で危険な任務をする福島原発に従事する日本人が描かれています。ある意味で靖国に眠る特攻隊の精神は、日本人の心の中で生きています。一度靖国の資料館を訪れてほしいのです。あそこには特攻隊で散った遺書が展示されています。間もなく桜の季節で千鳥ヶ淵は綺麗な桜が見られます。だからこそ、政策官僚の指揮官はその気持ちを汲んで生きなくてはなりませんが、残念ながらフジテレビやブルドック事件が存在するのですね。最高裁の今井判事はそこまで考えたかどうか分かりませんが、一度、問うてみたいと感じますね。
僕は今回、「日立」をメインに据えています。
実話です。まだ相手が働いている年だから実名は出せませんが、一度、大昔に日立の本社を訪問しました。相手の肩書は社長秘書長でしたね。唖然としましたね。「変わらないことが日立の美徳」こんな言葉を相手が述べたのです。日立イズムがあるらしい。あぁ、日本は駄目だな…と感じたのです。もともとIRNETは、IR活動を支援する会社として発足しました。13年ほど前の話です。当時はIRの言葉が一般的でなく、株屋で食えないからその方面の会社を立ち上げようと思ったのです。その時に日本を代表する会社20社程度を訪問したのですね。その一環で味わった屈辱。
でも、その日立が新社長の下で変化しているように感じるのですね。この1年ほど…で、所以、市場では評価し始めて株価が上がっているのでしょう。神様は不公平です。折角、頑張り始めた日立に試練を再び与えます。それが今回の震災、日立市も被害を受けています。しかし立ち上がる筈だ…と考えています。国際会計基準やBIS規制などグローバル環境が進み、日産がタイに生産基地を移し始め、企業はどんどん変身し始めました。国の支援をあてにしなくなり、企業が国を動かそうとしています。ようやく日本を代表する真打の登場です。日立が変われば日本が変わる。日立が変われば重工が変わる。重工が変われば日本が変わる。どんどん連鎖は広がり、日本はスーパー成長サイクルに突入します。
だからこそ震災の復興を乗り越え、日本を未曾有の不況のドン底から救える象徴として相応しいのです。苦しむデフレ社会を、やる気になる人間らしい世の中に変えるのです。月曜日だったかな? 娘がベトナムから帰ってきました。ホーチミンに行き彼女は感じました。「街が生きている。」彼女の言葉は希望が如何に大切か象徴しています。日本は震災で節電し、スーパーもデパートも駅も薄暗く、まるで幽霊社会のようです。震災は天が示す転換点でしょう。日本復活のターニングポイントなのです。故に、震災を乗り越える日立がコマツのように変身しベトナムを超える希望の溢れる社会に変身して欲しいと願っております。
頑張れ日立!
