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東電株の価値を考える(2011年04月02日)

日本の運命は面白いですね。遣唐使の時代から元寇と進み、武士の時代が続き、明治維新が起こり、大国の仲間入りもつかの間…敗戦から復興しましたが、ベルリンの壁崩壊〈東西冷静の終了〉が切っ掛けに、失われた時代へ移行し大震災を迎えました。長い時代には様々な困難がありましたが、人間と言うのは不思議なもので、様々な苦難を乗り越え新しい時代を築いていきます。6550年前の白亜紀末期に巨大隕石の衝突から氷河期に移行し、絶滅した恐竜の時代的なスケールで考えれば、大震災など些細なことに見えます。

最近は中国の台頭から、再び米国は日本の価値観を見直しつつあるようで、ともだち作戦の動員数はすごい規模ですね。今度は原発作業員の不足を予想し、米国から170名が投入されるそうです。スケールの小さな日本は、細かな線量計などの事をチクチク報道しています。客観的な判断をした方が良いですね。市場では東電株の損失でみずほが売られましたが、東電は三井住友が友好銀行ですね。今回の緊急融資も三井住友にしては珍しい。1997年の金融危機の時に、東電からの20億ドルの預金によって助けてもらった恩に報いる為に、2兆円の協調融資の音頭を取ったそうです。住友はドライかと思っていましたが、意外な一面をみました。まぁ、相手が東電だから確実に回収できます。トヨタは分かりませんが…東電は業種が違いますからね。世界一の独占企業だもの。

一方、株式市場では、東電株の3月11日の株価は2121円です。時価総額が3兆4084億円です。昨日が449円ですから7215億円にまで減っています。つまり株式市場の評価では、今回の被災により2兆6869億円の損失を織り込んだことになります。果たして、この金額が妥当かどうか? 東電株を合理的に判断するのに、この計算が重要な要素になりますね。一方、福島原子力発電所は古く、1971年3月に福島原発の1号機が運転しました。30年経過しても劣化によるトラブルは少ないとされ60年程度を想定しておるようですが、コンクリートの対応年数は100年とも言われています。ただ東電の説明では、米国の事例を引き合いに出し一応40年と言う基準を持ち出しています。更にメンテナンスをして、その後20年の更新が認められていると述べており、こちらも60年を想定しているのでしょう。

福島第一原発には1号機から6号機があり、1号は46万Kwで昭和46年3月に営業運転開始でGE製、2号機は78.4万Kwで49年7月に運転開始でGEと東芝、3号機は78.4万Kwで51年3月の運転開始で東芝、4号機は78.4万Kwで53年10月の運転開始で日立となっています。5号は78.4万Kwで東芝、6号機は110万KwでGEと東芝です。何れも着工は昭和42年から48年です。

東電の原子力発電所は、この福島第一と第二があり、発電量は第一が1-6号機で469.6万Kwです。第二は1-4号機(すべて110万Kw)で合計は440万Kwです。柏崎刈羽1-7号で821.2万Kw(110-135.6万Kw)となっています。現在、刈羽では中越地震の影響からか? 停止中の3基(2-4号機)の原発があり、合計で330万Kwです。

二つの課題として思い浮かぶのは、損失額の行方と今後の供給量ですね。
何故、休止中の刈羽を再稼働できないのでしょう。作業工程を見る限り何とかできるのでは…と素人は考えます。さて重要なことは損失額の特定ですね。一説によれば1基あたり1000億円の廃炉費用とざっくり外資系は弾いているようですが…。(GSでは1基700億円で試算)100万Kw級なら日経では500億円と試算し、他に処分費用となっています。しかし半減期の関係から封鎖され、しばらく完全撤去は難しいでしょうね。常識的に考え、現在はそんなに損失はないでしょう。日経新聞によれば、半径20Km圏の人口は8万人だそうです。ヨウ素の半減期は8日ですから農産物も事態収拾に向かえば落ち着くのでしょう。

いろいろ考えても、市場が下した2兆6869億円の損害額は…行き過ぎた計算をしているように思いますね。震災直後にも述べましたが、果たして天災による災害で、不可抗力による事態ですから、当事者に責任を押し付けるのは…常識的な判断として過失責任にも限度があるでしょう。加えて外資系のレポートでも述べられ、日経新聞の金曜日版にも報じられていますが、原子力存在の賠償に関する法律で、1事業所辺り1200億円となっており、今回は福島第一、第二で、二事業所の適応になるのでしょう。故に保険で2400億円が賠償額に充てられるのでしょう。2400億円を単純に20Km圏の人口8万人に充てると一人300万円になりますね。これは常識的に考え、かなり多い金額です。

日経に報じられておるように…、外資系レポートでも指摘されていましたが、全て東電の責任で責任義務が生じるとは考えにくいです。理由は原発が国に管理責任義務があるからです。その為に毎年、厳しい検査を実施していますね。しかし今日の市況にも述べましたが結果責任は当事者にある訳です。よって責任は免れないでしょうが…、兆円単位の補償額と言うのは常識的に考え、如何にも市場が独り歩きしている数字ではないでしょうか?

よって、かたるは1兆円を限度とし、損失額の1兆円分は一株あたりでは622円です。更に原発の処理費4000億円として合計で1兆4000億円程度が限界なのではと推測しますね。つまり871円ですから、株価は今後1250円程度まで、戻る可能性を秘めていると考えています。ただ当面は目先的にはチャート上の節目である第一弾の安値の715円を目標株価に据えています。25日(813円の安値)からの下げですが、切っ掛けは原子力の賠償法の法律があるにもかかわらず、「枝野官房長官が25日の記者会見で、東京電力の福島第一原発の事故被害の損害賠償について、安易な免責措置はあり得ない、などと述べ、東電の賠償責任は不可避との認識を示した。今後の東電の賠償責任について、原発事業者としての真摯な対応が求められそうだ。」との発言ですね。この発言で東電株の下落が加速したように思います。

この発言は、果たして官房長官の個人的な発言なのか…政府の公式見解なのか意見は分かれます。今後、市場はこの発言の真意を巡って、強弱感が対立することになりそうです。最後に東電の純資産は2兆9377億円あります。そうして毎年2000億円のキャッシュが入りますね。ここをどう評価するかの話ですね。カタルの意見は賠償費用として1兆円、原発の特損で4000億円です。故に妥当株価は1250円と考えています。ただ他に非効率な火力発電所などの燃費が若干増えるのでしょう。まぁ、ざっくりと1000円かな?

現在の400円台の株価はどう考えても、合理的な根拠を欠いた株価評価と判断している次第です。今日は東電を見てみましたが、問題は東電の補償問題ではありません。今後の計画停電の話ですね。僕個人は原発推進派です。よって早急に柏崎刈羽原発の修復を突貫工事で急ぎ、夏場に予想される電力不足に間に合いように特例で許可すべきでしょう。最近の花見などの自粛ムードは頂けません。間違いなく第一四半期は30%程度落ち込みそうです。

菅政権は記者会見で未来都市戦略を話していました。電線や上下水道、ガス管通信などの整備も、この際一元化して、全て地中化し費用は減税で賄います。一時的な融資の利息を国家で負担し、融資額への補償も実施し、業者を入札させ、国が主体で災害復興を図るのではなく民間を主体にさせて、地元民の意見を混ぜて国は助言役に徹して、復興すればいいですね。この際、宮城、岩手、福島県をまとめて一つにして、産業の発展なども考え世界に発信する省力化のスマートグリットや太陽光、更にはカーシェアリングの概念も取り入れた近代的な未来都市を建設を望む次第です。

良い機会だな。僕は霞が関一帯を再開発して未来都市を建設させ、日銀の資金で再開発構想を述べていました。新しい日本に脱皮する絶好の機会を天は与えてくださいました。悪戯に後ろ向きな発想や、前例主義にとらわれず、斬新な発想で復興して欲しいと願っています。「信じている。日本の未来を…」東電は民間企業として責務を成し遂げることでしょう。