QE2後の世界(2011年05月21日)
最近考えていることを少し補足しようと思います。僕の考えは間違っているかもしれないし、先の事は誰にも分からないのですが…。こんなことは当たり前の事なのですが、世の中は自己責任の原則も分からずに、自己責任を他人に転嫁しようとする輩が多いから、あえて指摘するわけです。
イワシ民族の日本人はマスコミの言動に振り回され過ぎですね。最近になって菅首相は国策責任を述べる機会が増えてきましたが、東電の処理は明らかに間違いです。本来なら、国策なんだから安全基準を作った経済産業省の原子力安全・保安院や原子力委員会と原子力安全委員会などの責任が一番ですね。順序が逆だから世の中は混乱しますね。被災地の復興も、先ずは全ての地域を一律に買い上げ、国有地にして再開発してから販売すれば公平です。お金など簡単にできるのですよ。予算がないと言うのは、馬鹿なレベルの人達が考えたシナリオだからです。国家は何でもできるのです。まぁ、ごたくを並べても仕方がないから…本題に。
今、市場経済で問われているのは、金融危機後の回復が自律的な回復に繋がるかどうかです。ブラック・ショールズ方程式がノーベル賞を受賞したのは1997年です。この辺りから世界の金融市場はリスクを分散してお金が回り始めます。例のCDSと言う商品も金融工学の発展のお蔭です。この金融力がBRICsの成長を支えました。中国は鄧小平の改革開放政策から外資を導入して上手く上昇波に乗りましたね。自動車界の発展を見れば分かりますね。発展の仕方が他の国と違います。協業と言う形でスタートしています。でもサブプライムローンからリーマンショックにより、やり過ぎの咎めを受けます。現在はその修復期です。
日本のバブル経済崩壊を見れば明らかですが、金融機関の弱体化は経済の低迷に繋がります。日本は異常です。コンプライアンス重視に流れを切り過ぎていますね。日本の近年の金融史は不幸な出来事です。きっと…、反省も行き過ぎるのでしょう。特に金融の世界を知らない人は金融の効果を理解できません。日本もそうですが、米国もオバマ大統領は清貧思想論者でしょう。必要な過程だとは思いますが日本は明らかに行きすぎですよ。共産国家らしく盗聴により人間の行動を縛り、あらゆる行動を制約しています。現場に裁量権はなく、全てがマニュアルによって決まります。このような硬直化した国を作り上げたのはマスメディアですよ。われわれ国民が必要もない安全・安心を求めるからです。架空の安全・安心社会です。そんな世界などないのですね。今回の震災を見れば分かるし、安全・安心だと言われていた原発事故を見れば納得されるでしょう。もっと現実的な対応をすべきです。
さて現在はリーマンショック以降の回復期でQE2が終了します。つまりFRBはこれまでの政策効果を確認する作業に入ります。だからおそらくNY市場は下がるか横ばいかです。自律的な経済の拡大を強く実感させる指標が、これから見られるかどうか…。残念ながら米国も洪水などの天災が多発しているようです。復興需要と言いますが…原状回復の穴埋め程度の期待しかないですね。通常はこのような震災を切っ掛けにして、新たな技術革新などの新天地に向かっていいのですが、どうも現在の首脳部はインターネットも利用できないような人達のようで…アナログ時代なのですね。今朝は珍しく日経新聞の「大機小機」を読みましたが、最近は、ようやくこのような考え方がする人が増えてきました。要するに時代の変遷は世代交代なのですね。
残念ながら僕は1955年生まれでビルゲイツと同世代です。僕らがこの世界の第一世代で孫さんは二つ下ですね。だから10年後の1965年前後の世代が実権を握る時代にならないと、新しい時代の幕は感じられないかもしれませんが、徐々に時代革命は進んでいます。ジャスミン革命の意味はそういう事で、血を流さない日本でも進んでいますね。感じられない人は世間を見てないのです。新聞を読めば…人事を見れば…世代交代が進んでいます。アメーバピグなんかも…僕は先日まで知らなかったのです。でも仮想空間がどう現実と融和するかが問題ですが、本日から初参加してみます。この10年間でずいぶん変わったのでしょう。インターネットの世界も…。
相場はQE2の効果の検証に入る局面ですから、大きく動かないでしょうね。おそらく間もなくQE2の効果は実績値となって現実の経済に影響を与えるはずです。僕はQE2が成功すると思っている人間の一人です。ただ米国も清貧思想なのですね。金融界の行動を制約していましたね。GSなどの幹部が召喚されたり…まだこの流れは続いており、自己資本比率規制の問題も片付いたとは言い難いのです。五分五分じゃないかな? FRBは頑張っていますが、オバマ政権の清貧思想は続き、力強い経済回復の期待は望み薄なのかもしれません。日本の失われた時代ほど、ひどくはないですが…日本のミニ版ですね。
分からないのが、金融デリバティブの恩恵もなく、QE2の支援もなくて、果たして世界の需要は資金面で満たされるのでしょうか? だからこそ資源価格の動向は重要なのです。海運株を見れば分かりますが、豊富な需要を期待して新しい船を造りましたが、供給が過剰で市況が低迷しています。上海総合株価指数はインフレを克服しているわけではないですね。むしろここに来て、統制経済の弊害が現れているようです。
だから様子見の期間のような気がしますね。下手をすれば、もう一度QE3が必要になるかも知れないのです。日銀は一部で期待された決定を見送っています。今の相場環境は難しい。

