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2011年07月30日
業績からの推論
今日は決算数字を見て、相場の考え方を展開したいと思います。
多くの人は米国債務問題など…を気にしていると思いますが、分からないことを、あれこれ推測しても仕方がありません。ただ言えることは米国の凋落は明らかで…基軸通貨である米国本体の話なので非常に深刻な話題です。リーマンショックなど比じゃないですよ。大丈夫だとは分かっていても市場に動揺を与えたと言うことが問題なのですね。信用とはそういうものです。米国もギリシャと五十歩百歩のイメージですね。
カタル銘柄に指定した銘柄の動向はマズマズですが…何故か、儲からないのは投資方法の問題でしょうね。所詮、現実離れした成果を求めようと、焦っていることが不自然なのかもしれませんが…もう少しで壁が乗り越えられそうな気もしているわけで…だからこそ性質が悪いかな? 無駄なことに時間を費やしているかもしれないし…でもこれもまた人生でしょう。
現在のカタル銘柄で成長株として残っているのは、DENAぐらいのものでしょうか? 期待した007は任天堂でこけ、QBの開発もずれ込んでおり予想外の展開ですからね。最近の「見える化」戦略で、脈は繋がっていますが、QB自体も半導体に置き換わるようですからね。カタル銘柄の多くが目標株価に到達し、それなりの評価をされてきたので…新規の銘柄を探さねばなりませんが、なかなか見つかるものではありません。候補はあるのですよ。タツタ電線もそうだったし日医薬もそうですが…。結局、何年も株価が上がり続けるような成長銘柄は、なかなか出てくるものではありませんからね。多くの銘柄は往来相場のボックス銘柄ですね。
さて今日は決算からの発想ですね。下の表を見てください。
相変わらず最下位のソフトバンクですが、勢いがありますね。売り上げの伸び率が比較して高いですね。つまり競争に買っていると言うことですが、背景はアイフォーンに頼っているわけでドコモと比較すれば、まだまだドコモが上ですね。この決算数字の背景にスマートフォン需要があり、関連企業の業績が見えるようですね。

一般企業が5%そこそこの営業利益率なのに、装置産業の公共株は少し儲け過ぎのような気がしますね。つまり料金の引き下げが考えられても不思議ではありません。このように利益があげられる体質になってきたので繋がらないソフトバンクも設備投資を増やしているわけで、LTEのアンリツが人気になる背景がある訳ですね。携帯各社の設備投資は増えますから当面は伸びますね。
任天堂が3DSを値下げしたのは、端末が売れなければゲームソフトも売れませんが、DENAやグリーは何も努力をしなくても、端末は増える一方です。故に業績の上昇基調は間違いありません。狙いはこの関連ビジネスですね。昨年、9月に宇宙航空研究開発機構と三菱重工が打ち上げた「みちびき」が打ち上げられ、GPS機能が一気に高まりました。10メートルから1メートル以内に縮まったと言います。現在は1機だけなので24時間対応にはなっていませんが何れ3機体制に増えるのでしょう。この関連携帯コンテンツサービスも伸びそうですね。リアルタイムな情報伝達でワクワクする新技術が開発されています。
ソフトバンクが基幹インフラ設備を手に入れたので、関連産業に磨きをかけアジア進出を模索すると実は考えていました。ところが震災の原発事故から、孫さんは自然エネルギーの方へ力を割いているようです。今年から峠を越えますからね。設備投資にも資金を向けることが出来るようになり財務的なゆとりが生まれたので期待していたのです。僕には自然エネルギー関連の発想が良く理解できません。日本は海に囲まれ潮位を利用したものや海流を、海水の温暖さ利用など工夫次第でいくらでも、エネルギーを作れるように思いますが…。太陽電池か…。サハラ砂漠で発電し、超電導線を利用し日本の供給するような夢のようなものまで色々ありますね。
余り空想を膨らましても株価に影響がありませんから、目先は基地局のインフラ投資や携帯コンテンツの伸びが株価に影響を与えますね。このように一つの事象から発展させて銘柄を発掘しています。
他の事例を掲げれば、アメリカン航空の460機の大量の航空機の発注は大きな材料ですね。もともとBRICsの経済発展で豊かになった新興国は、人の移動が増える背景があります。特にアジアの人口は多く、それらの国々が高成長を続けていますから、航空機需要は増すばかりなのでしょう。しかし造れる量は限られていますね。月間10機も作れば多い方でしょう。1社で4年分ですね。このニュースは相場にも影響を与えますね。大阪チタンは調整を続けていますが、注目される所以です。
一昨年から自動車をずっと考えていましたが、鬼ゴムもかなり評価されてきましたからね。まだ上値はあるでしょうが一旦は休みだと思っています。もともと800円から1000円の器だと述べていました。ようやく2倍になりましたね。今、思っているのは、やはりAOCかな…と考えています。先日、IEAが石油備蓄を放出しましたね。でもおかしいね。大きく下がらずに元に戻りました。誰かがあの下げを買ったか…利用するのか?あるいは、これからある現象が起こるのでしょう。もともとBRICsからアジアの成長が背景にあり、資源の需要が落ちるとは考え辛いですね。その割に商社の株価は割安ですよね。不思議な現象です。
コマツが下がってファナックが上がるなら、安川はどうなのでしょうね。実装機は幅広いけれど富士機械はどうなのでしょう? 市場の流れと世の中の流れに、整合性はあるのでしょうか? 株式相場はこのギャップを突いて儲けるのですね。鬼ゴムは一株利益水準が高く60円から80円の見込みはあったのですね。日産だけでなく中国のメーカーに供給していますからね。ところが株価は300円台で上下していました。ギャップがありました。何処かのファンドが最初に気付いても上がりませんでしたが、最近、自社株買いや新規のファンドの参入で、ようやく需給バランスが改善し上がり始めましたね。
同じことがDENAにも言えます。誰が考えても今は仕掛けの時期ですよ。ただ株価は連騰しており疲れているから、休むかもしれませんが、ようやく英語圏や中国で2年前か準備をしてきた事業が軌道に乗るのです。ただ軌道に乗るかどうか分かりませんね。007のQBの例もあります。本来なら開発期間は1年程度の筈でしょうが…伸びていますからね。実用化が始まっても市場の認知されるのが遅れるかもしれない。あるいは日本では受け入れられても、他国では駄目かもしれませんね。実際に中国では3時間を超えるゲームの使用時間制限があるようですね。しかし僕は2009年の環境下にあると言う理由は理解されると思います。絶対に株価が上がる位置は、250円の利益が海外貢献により400円とかに加速度的に増える時ですね。
最近は相場が短絡的になり、早めの仕掛けは失敗するケースも多いですね。鬼ゴムもそうです。まぁ、儲けになったけれど大儲けではない。皆がやるタイミングが問題なのですね。皆がやるタイミングとは…需給バランスなのです。新たな力あるファンドが参入すれば需給バランスも変化しますね。複数の参入なら一気に水準訂正します。この時間が分からないのですね。日立もそうですね。株価の業績の整合性はあり、将来性も感じられます。企業が変化しています。東レは素晴らしい会社だが、現時点で株価を4ケタに評価するのは無理がありますね。既に市場から評価されています。市場評価と実際の業績のギャップの大きな株を探し、社会的なニーズを汲んで取り組むのですね。先日、米国で自動車の新基準採用の話がありましたね。戸田工業などは注目されますが、業績の伸びと社会環境が問題になります。今は少しニーズが薄れています。
米国債務問題からドル安なので主力輸出株は難しい。だからマツダは失敗なのです。故にDENAを選択したのですが、既に乖離問題があるから難しいのかもしれませんね。分かるかな? 毎日、IRNETを読んでいただければ…だんだん株の事が分かるようになります。今日は少し長くなりましたが、株の原理を考えてくださいね。一つの業績発表からいろんな面が見えますね。
2011年07月23日
選択と結果
株は何故、上がるか?
株が上がるためには、様々な条件をクリアしなくてはなりませんが、基本は社会のニーズに、所謂、旺盛な需要を探し、それに応える企業を選ぶことでしょうか? 社会のニーズは時代の変遷により変化し、社会の潮流を創れる会社なら一流でしょうね。
一例を挙げれば、アップルのような会社ですね。もともとアイポットの分野は、ウォークマンで支持されたソニーの独壇場だったのですが、デザイン性や使いかってが市場に評価され、その延長線上にアイフォーンが生まれ、更にアイパットが生まれたのでしょう。時代の流れを捉え、しかもEMS(Electronics Manufacturing Service)により価格も抑え市場に支持され続けています。スティーブ・ジョブズは素晴らしい経営者ですね。
一方、ソニーは中途半端ですね。製造業の殻を早く打ち破れば良いのに…と思いますが、10年以上前に、一度、品川のソニー本社を訪れ、広報部長と会い失望した日を思い出します。既にその当時から、他社の動向を気にする日本的な会社に成り下がっていました。
折しも経済財政白書が発表され「無形資産」の重要性を指摘しています。日本は資源もなく加工貿易国により、ものづくりで生計を支えてきましたが、昨今の情勢は大きく変化しているようです。中国の台頭により、米国も同じようにスプートニク・ショックを味わっています。立て直しは教育問題が影響しますから、時間を要する話です。ゆとり教育などと言うバカげた実験をしたおかげで「下流の宴」現象が生まれたのでしょう。やはり失われた時代の20年は長すぎますね。どんなに努力をしても1%に満たない人しか満足な結果が得られないとは…株式市場の低迷でPBR1倍割れが現実を物語っているのでしょう。
余談が長すぎると、本題を忘れそうになります。何故、株は上がるか?
基本は先ほど書いたことですが、結果、企業業績は向上し市場の評価が上がり、株価が上がることで有利な条件が形成されます。社会的な信用や有利な資金調達能力ですね。市場は正直でその逆もあります。噂が会社を倒産させることもあります。ありもしない空想が現実に変わるのが市場経済ですね。過去、何社が資金繰り難の噂で、逆回転し倒産まで追い込まれたことでしょうか? 今でも増資は売りの傾向が強く、市場はデフレ社会が色濃く反映されています。本来、増資は買いの筈なのですが…。
ただ業績が向上したからと言って、必ず、株価が上がるとは限りません。カタル銘柄の東亜石油の好業績が報道されていますが、折角、企業が頑張っても2部市場の人気薄銘柄に市場は目を向ける余裕などないからですね。流動性不足が極まるデフレ社会が定着しています。桃太郎こと鬼怒川ゴムの評価が変わりましたが、早くからカタル君はこの会社の成長性を評価していましたが市場は冷淡でしたね。しかし自社株買いやファンドの参入が株価を押し上げました。この環境下で注意銘柄に指定されるほど人気銘柄になってきましたからね。
この事例を見れば分かりますが、必ずしも企業業績が向上しても株価が上昇しないことがあります。それはカタルがいつも仕掛け人の存在を指摘していますが、ファンドの買いなど、できれば複数のファンドが参入する地合いが望ましいのですが…残念ながら市場の流動性は低く、論理価格を大きく割り込んだままなのです。流動性とは市場の人気と考えても良いですね。昔は1000円以下の株がなくなるほど…流動性が供給され続けたのですが、今は規制、規制、流動性を育てようなんて…当局は考えていませんね。
残念ながら市場を見る限り、未だに金融庁は「規制から振興に」舵を切っているようには感じられません。簡単なんですよ。車の両輪を動かすのは…。実体経済は自分たちの力で動く訳じゃないのです。金融経済が栄えないと実体経済は動きませんね。何故、このことに努力を払わないのか分かりませんね。僕に年金基金のお金を100億円ほど預ければ、豊かな市場が形成される一翼を担うことが出来ます。100億では少ないですが…実績がないからね。
所詮、株を上げるのは株価操作ですね。運用と株価操作は紙一重で、線引きは非常に難しい。業績が向上し時代に合っている、夢のある株を探し浮動株を丹念に拾います。時間をかけながら売り物を丹念に拾いますね。ある程度の株が集まると面白いように株は動き始めます。DENAがタイミング的にはそろそろと考えていますが、ファンドは拾っているかな?
東電の株価はその様な背景があるのでしょう。日経新聞は何年も配当はしないし、損失額は分からないから投資価値は乏しくマネーゲームと決めつけていますが、たった500円から600円だからね。毎年、4000億円を稼ぐのだから…10年で4兆円ですね。時価総額は1兆円と言うことは、税金を払ってPER5倍程度の会社なのですね。ただ徐々に拡大する原発補償問題は何処まで広がるか分かりませんね。東電が仕手化することは、市場に長くいたものとして非常に残念です。おそらく中国系のファンドを始め、長期投資の外人年金ファンドなどが、下値で玉を沈めたので値動きが変わってきたのでしょう。
今、一所懸命に、長期ファンドが下値を買っている銘柄が、銀行株でしょうね。何れ必ず上がってきます。論理的におかしな市場価格は修正されるのです。ただ東電が500円になったように、ある程度の価格に戻れば長期投資のファンドも買いを入れなくなりますね。三菱UFJなら600円台から800円台が、地相場と言うものでしょう。市場に流動性が欠如する仕組みを作っているから経済が低迷するのです。リーマン・ショック以降、米国のオバマ政権は金融を苛めています。規制は必要だが景気が低迷しているからゆっくりと時間をかけるべきですね。むしろ今は金融の助力が必要なのです。
この現象は今の日本に似ています。原発依存度を下げたいと思っているのは、みんな一緒でしょうが、浜岡原発のような強引なやり方はどうなのでしょう。折角、震災復興により景気動向を上向けさせようと、みんなが努力しているときに水を差す政策ですね。必要だが強引な方策か…。米倉会長が、頭から湯気を出しているのが見えるようです。竹中改革を見ているようなイメージを抱いています。僕は産業再生機構の存在を、あの時に否定しました。結果、鐘紡もダイエーも復活しましたか?どっちが良かったのでしょう。
選択と結果は因果応報、僕には遊びのない社会構造が窮屈で仕方ないが…不正は許せませんね。でもある程度の許容範囲は必要なんじゃないかな? 際どい、勝負が社会のゆとりを生むのじゃないかな? 日銀が先日、この水準でも少し下がっただけでETFを買いましたね。僅かな金額ですが、あの手段が「見えない力」を市場関係者に与えるのですね。一度、日銀が銀行株を買い上げ、高値でファイナンスを実施させれば、自己資本比率問題も解決し、正常なインフレ経済のレールに乗れるのですね。もっとも簡単な景気刺激策だけれど…日銀さん、僕に運用を任せてくれないかな? 僕なら高値でもガンガンと銀行株を買い上げるけれど…
何故、金融株を上がることが大切なのかは…銀行にゆとりを与えれば、融資基準は緩みます。さらに金融庁も行政指導で、日銀と共に協力して、銀行へ貸し出しノルマを与えればいいのです。今の実態社会は自発的に動きませんね。どうしても後押ししないと動き出しません。自己資本比率問題を解決させ、貸し出しを増やす環境をつくれば、実体経済は動きだしますね。貸し出しが伸びれば、税収は産業活動によって上がり、国債の償還が進み、銀行は国債への投資資金を回収し貸し出しに回せ、収益がさらに向上し正常なインフレ社会に進みます。もうチョットなのですね。その産業活動をスマートシティー建設に結びつければ、日本はこの分野で世界でもトップグループに君臨できます。この正常サイクルの形成に成功できれば、また100年程度、のんびりできますね。産みの苦しみか…。そろそろ陣痛が聞こえるのだけれど…
2011年07月16日
整合性(DENA)
株価と業績の整合性とは…何か?
このようなテーマで株式相場を考えてみたいと原稿を書いています。最近「今日の市況」では整合性と言う言葉を使い、整合性があるからもっと買われてもおかしくないとか…この銘柄は整合性がないからとか…述べています。この整合性とは主にPERやPBRなどの指標から見た考え方を加えています。例えば、東レは成長分野を抱え良い会社です。炭素繊維の使用先は加工技術の発達や量産化により用途が広がり、他に分野も…例えば繊維なども高機能繊維の需要が増えていますね。電子分材料なども好調です。しかし一株利益の現状は過去最高利益を更新中とはいえ、40円台で株価は600円前後ですからPERは15倍程度の評価です。つまり今後の成長性を加味してもPER20倍の800円が限度の株なのでしょう。仮に素材価格の利益率が上がっても一株利益50円の壁を超えるのは大変でしょう。
ところが日立は既に52円の利益を掲げ、更に効率化により60円を目指そうとしていますからPERを15倍としても750円の価値があると思われます。東レの成長性と日立の効率化の成長性は、どちらが優位でしょうか? 現状の判断は五分五分でしょう。それなら日立の株価は割安感があり、東レの株価より日立の方が整合性は高いのではないでしょうか? 最近人気になってきた鬼怒川ゴムも、一株利益が65円で中国の需要や日産の戦略を考えれば落ちることは考え辛いですね。そうすると株価の600円は安く、整合性が高いと言えます。ただ大型メーカーとは違い、単品の収益ですからブレが大きく、多少、割引が必要になります。リスクが高いからですね。
こんな風に考えると大阪チタンは整合性がないですね。いくら好業績の変化率を示しているとはいえ、一株利益が100円程度の予想で株価は5300円台なのでPERの評価は50倍を超えていますね。この背景は市場シェアの話が出てきます。世界でチタンを輸出できるのはロシアと日本の二大メーカーだけと言う特殊な事情があります。だから日本製鋼所も外人評価は高いですね。世界シェアトップの独占的な供給先の評価はどうしても一番高くなり、PER評価も上がりますね。この辺の感覚が、株価の評価が変化し分かり辛い所ですね。
今日はこのような考え方を土台にして、カタル銘柄のDENAの評価を考えます。DENAの一株利益は250円です。故に株価は4000円と言うことはPERで16倍ですね。しかし下のグラフを見てください。このところ、収益自体は伸びていますが変化率の観点からすると明らかに落ちています。故に一株利益250円の価値は持続性が乏しいから、PER10倍だと言うトロのような意見が生まれます。そうなれば株価は2500円ですね。

ところがカタルの見方は違います。最近、スマートフォンは世界の流れになりインフラが整ってきました。ノキアが敗退したのはスマートフォンの戦略が理解できなかったので、経営判断が遅れたのですね。ところがスティーブ・ジョブズは早くからパソコンからスマートフォンやiPadなどの携帯端末が主流になることを読んでおり、開発してきました。故に先駆できたわけです。
この背景を裏付ける資料が、先ほどのDENAの2009年後半から2010年の売り上げの伸びですね。日本のスマートフォンの需要に合わせるように伸びてきた携帯ゲームの需要です。私も何人かのお客様が、以前、買った高値の株を持っており、あの急激な上昇波動の背景が、最初は理解できませんでした。故に買い増しではなく、売りを優先させたのです。ところが後になって、この売上数字が明らかになってきます。故に昨年から私は第二の任天堂と言う位置付で推奨してきました。ファミコンが世界制覇する連想ですね。今回はインフラ整備をせずに済みます。アップルだけでなくサムソンや多くの携帯端末メーカーが環境を整備してくれますね。
何故、グリーではなくDENAなのか? グリーも、最近、海外戦略を進めています。先日も中国に進出しましたね。しかしDENAは3年ほど前からこのグローバル化を睨み動いていました。当初は3人程度の人数でしたが…。今では、いよいよ本格的に軌道に乗りますね。日本相手の商売で、この数字です。今度は世界展開ですね。故に高評価なのです。おそらくPER50倍程度の評価が、今年の後半に生まれるのではないかと思っています。まだ数字には出ませんよ。しかし株価は先行して上がってきました。
僕が失敗した2009年後半のあのイメージを連想していますね。あの時は複数のヘッジファンドが相場に参加していましたね。だからPERの評価が、少なくとも30倍程度まで年内に変わり、実際の数字が250円から400円に変わるときに1万円を超えると考えていますね。任天堂よりスピードが速いのは、複数の会社が環境を整備してくれるからです。ゲーム機を売るのは大変ですが、既に世界中に数億台のスマートフォンが稼働しているのです。2009年後半の…あの業績の伸びが再現されると考えている理由です。
2011年07月09日
独創性
先ずは日経新聞さんが昨日の僕の掲げた希望に応えた記事を掲載してくれました。確りと東レの炭素性の話も盛り込んでいますが、もう少し要望を言えば実際の数字を調べてほしかったのですね。子供新聞じゃないから、実際の裏付けがないと政策は動きませんからね。でも最後には、空洞化は避けられず、むしろ必要だと考えています。この点は「大機小機」の六光星の「日本の何がダメなのか」の意見が状況を説明しています。ここには1500兆円の資産デフレとなっていますね。すごい金額だね。震災復興予算が10兆円とか言っているのに…。如何に資産デフレが日本を蝕んでいるか…20年かけて調整してきたのですね。毎年80兆円もかけて…。益利回りから配当利回りの解説により、僕が株価は夜明けと述べているだけではなく、誰もが感じている共通認識ですね。
先ほどの子供新聞の話ですが、数字を掲げ更に進化しなくてはなりません。日本に何が必要かですね。新興国の台頭でモノづくりの価値観が変わっているのですね。付加価値の最後は文化でしょうね。芸術性と言うか独創性と言うか…人間が何に憧れるかの追求です。だから利便性だけでなく自然豊かな街づくりが必要で…日本の誇れる情報網を利用したキャッシュレス社会の構築ですね。しかも循環型のエネルギー政策を加味したモノづくりを考えるべきです。便利さより、壊す再利用を考えた製品設計などを提案します。折角、終戦直後のような焼け野原の状態に被災地は置かれていますから、これを利用しない手はありませんね。便利な未来都市計画を…坪単価10万円の地価が100万円になる社会資本整備計画を練らないとなりませんね。その為にはインターネットを駆使したスマートグリッドを取り入れ最先端の未来都市づくりをします。モデル都市ですから多少のお金は仕方ありません。
日経さんも空洞化を嘆くだけの記事構成ではなく、最後は希望を与える記事を掲載して政策提言に繋げてください。日本を希望溢れる社会に導かないとなりません。マスコミの人は下賤な野次馬根性を捨てて、日本人が自らの力で立ち上がる報道をしないとなりません。補償だとか…そういう次元の低い話は軽く流しましょう。建設的じゃありません。他人のミスを突く政治の報道もそうです。何故、菅総理はストレステストを突然のように言い始めたのか? 真意を報道しないとなりませんね。それを内閣府不一致で海江田大臣の辞任示唆を煽り、内閣崩壊に向かって報道する野次馬根性は頂けません。そんな事をやっているから、いつまでも失われた時代が続くのです。まぁ、今後の報道に期待します。
さて、皆さんが気にする米国の雇用統計から述べましょうかね。
いつも疑問に思いますが民間調査の数字と政府発表のズレが生じています。民間は企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセシング(ADP)とコンサルティグ会社マクロエコノミック・アドバイザーズが発表した民間部門の数字を15万7000人増としましたが、実際の6月の非農業部門の雇用者数は1万8000人増でした。市場は10万人以上を見込んでいましたので市場は下げたと言います。前日の発表を受け93ドル上がって政府発表で62ドル下がりました。この現象からみて、市場は既にこの懸念を消化しているのでしょうね。故にこのような結果になっているのでしょう。米国の二番底と言うか減速懸念ですね。一度、大きく消化したので、既にある程度は織り込み済みなのでしょうね。
面白いですね。市場経済は…普通の人はなかなか理解しづらい場面です。良い材料が出ても材料出尽くしと言って下がるし…常に市場はサプライズを求め行動しているように感じます。経営者のスタンスも面白いですね。最近、駄目株の筆頭だったドコモは積極的に海外展開を図りコンテンツ・ビジネスに目覚めていますね。ようやくコンテンツの重要性に気付きましたが、まだ規模も中途半端ですね。でもアジアのコンテンツ重視の方向性です。ところがKDDIは国内重視で国内のネットビジネスと有線テレビのラインを重視しているようです。シャープはソフトバンクなので、KDDIはパナソニックでもソニーでも良いですが提携し、テレビと通信の融合を考えたビジネス展開に進むと面白いですね。僕には少し分かり辛いが、ソフトバンクはエネルギー政策に舵を切ったように感じますね。
おそらく孫さんは公共ビジネスの優位性と言うか、継続的な利益に目を付けて、別の未来像を見ているのかもしれません。彼と会ったことはないし考えていることは分かりませんが、日本で公共事業の電力と通信を抑え、実績を積めば世界展開はあり得ますからね。特に電力は未整備です。技術革新が起こっても良いですね。既に技術的に超電導線などが開発されておりエネルギーの効率化が求められますから…。僕のイメージはドコモだったのですね。アジアの情報インフラからコンテンツを支配する構想ですね。まぁ、3社三様で面白いですね。
何故、僕は通信3社の話を引き合いに出したかと言えば、これからの日本企業の方向性がこのような形になると思っています。最近までテレビの業界は、何処かの会社が3Dテレビを発売すると、我も、我も…馬鹿みたいに真似をして無駄なエネルギーを使っています。ところが通信3社はそれぞれの未来の道は違って見えますね。個性的な戦略です。ようやく日本の変わってきたなぁ~と思うのは、なにも日立だけでなく、至る所でこのような光景が見られるからです。だからやはり大底なのでしょう。
2011年07月02日
力強い回復を見て…
先ず冒頭に…「全国漁業協同組合連合会(全漁連)は1日、宮城県の村井嘉浩知事が提唱する「水産業復興特区」について、「漁場に大きな混乱を招きかねない」と強い懸念を表明した。」との記事が朝日新聞のウェブに載っています。本末転倒な話で、本来、全漁連が音頭を取り、グローバル化の波を超えなくてはならないのに…。過去にしがみつく選択は失われた時代の延長線だと思います。個人漁業が競争に勝てないのは自明の理、故に農業保護で自民党は自由貿易を受け入れることが出来なかったのです。現政権もTPPで揉めていますが、豊かな資源を効率よく、守り、育て、獲得することが新時代への対応でしょう。後ろ向きの団体が必要なのでしょうか?このような考え方の人々が存在するから、失われた時代が延長されるのでしょう。私は村井知事構想に賛同しています。むしろ、もっと積極的にPFIの概念を取り入れて取り組むべきでしょう。
さて…相場です。
昨晩もNY市場は高く21日に報道された「QE2後も変わらない。」と言う考え方が浸透し、買戻しや新規投資が進んでいるようです。米国らしい…。時間的な経過から見てQE2の政策効果はこれからですね。今の所、QE2の効果に対し懐疑派が多く、共和党にはFRBに対し批判的な勢力が存在します。私は金融規制が実体経済の回復を圧迫しており日本化現象も程度は軽いですが、同時に進行しているとも考えています。先日、ビスタニュースの読者には伝えましたが、米国の消費は、未だに過剰な状態にあると言う話です。
家計部門の可処分所得の債務は2007年の130%から、2011年初頭には115%まで減りましたが、1970-2000年の平均値の75%を大きく上回ると言うものです。
更に貯蓄率は20世紀最後の30年間は8%近い数字でしたが、2005年半ばの1.2%を底に改善したとはいえ、2011年の3月、4月は可処分所得の4.9%だったそうです。何もギリシャだけではなく、ウェートの違いはあっても、米国も他の欧州諸国も傷んでいるのです。故に米国では日本同様に豊富な手元資金が存在し、企業はキャッシュ・ポジションが高いのでしょう。過剰消費に対する負の遺産の清算には時間が必要です。これが「失われた時代」の本質でしょう。日本の銀行は、明治以来、貯め込んだ蓄積をすべて失いました。それがバブルの崩壊の後始末だったのですね。
どちらに転ぶか…まだ分かりません。それにしても強いNY市場の動向を支えたのは…1Qの高値を支えた米国企業の自社株買いも背景にあるのでしょう。つまり需給が大幅に改善されているのでしょうね。一方、日本は…今朝の新聞で、目についたのが双日の財務戦略の変更の記事でした。双日は株主に嘘をついた悪い会社ですが…その3流会社でも手元資金を減らしても、銀行から支援が受けられる体制になってきたと言う話です。最近の都心の金融事情では、土地にファイナンスが付くようになって来たようですね。お客様からの話では銀行の融資態度が積極化しているようです。双日の話と実話は情報が一致していますね。
どうでしょう。カタルが考えるメイン相場論の「日立から銀行の流れ」はこの話から裏付けられていますね。実はWSJの「日本復興で儲ける4銘柄―投資サイト編集者の選別眼」と言うコラム記事にも、同様の記載があります。銘柄はみずほ、日立、トヨタ、NTTとなっています。日銀の資産デフレ対策があり、成長融資枠5000億円と僅かですが、窓口指導などを含め、大きく政策転換しています。そうして先ごろ、金融庁の基本方針が「規制から振興へ」変化することは、非常に大きな変革を示しています。
間違いなく、日本株は大底を打ち、上げ波動に入っています。ただ問題はスピードですね。時間的なスピードの読みは、現在の僕の課題です。そろそろ証券マンを辞め7か月が経過しデータが蓄積されてきましたが、依然、試行錯誤から抜け出せません。故に目先に拘っているので失敗続きの連続ですが…相場の見方としては概ね正解かと自負しています。もう少し僕に時間的なゆとりがあれば良いのですが…。現状は難しい局面です。まぁ、個人的なことは兎も角、先ほど紹介した米国の金融規制から「過剰所費の改善」の現象の見方もいろいろありますね。
ニュースは、必ず二面性があります。「世界経済を脅かす米国のゾンビ消費者」のレポートは6月17日のものでタイミング的にも絶妙な報道でしたね。あの記事を見て弱気になり株を売り目先筋はふるいにかけられます。ただいくら金融規制の為に、新規のローン枠が削られたとしても…金融デリバティブ機能の存在しない過去と、単純比較するレポートの内容をどう考えるかですね。

僕はこの1週間の相場を見て修正すべきか…どうか迫られています。ここでアノマリーも出てきますね。サマーラリーと言う言葉をよく耳にしますが、僕は経験したことがないですね。必ず高校野球が始まる頃の相場は、閑散としていました。金融相場には程遠い出来高推移で…本格的な上昇相場に移行するのかどうかの確信はありません。ただNY市場も同様のようですが、株式の需給バランスは良いようです。銀行株も目先、一番重い水準を抜けつつあります。
目先の動きは見えにくいですが…今週から来週には、ある程度の目途が立つのでしょう。