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力強い回復を見て…(2011年07月02日)

先ず冒頭に…「全国漁業協同組合連合会(全漁連)は1日、宮城県の村井嘉浩知事が提唱する「水産業復興特区」について、「漁場に大きな混乱を招きかねない」と強い懸念を表明した。」との記事が朝日新聞のウェブに載っています。本末転倒な話で、本来、全漁連が音頭を取り、グローバル化の波を超えなくてはならないのに…。過去にしがみつく選択は失われた時代の延長線だと思います。個人漁業が競争に勝てないのは自明の理、故に農業保護で自民党は自由貿易を受け入れることが出来なかったのです。現政権もTPPで揉めていますが、豊かな資源を効率よく、守り、育て、獲得することが新時代への対応でしょう。後ろ向きの団体が必要なのでしょうか?このような考え方の人々が存在するから、失われた時代が延長されるのでしょう。私は村井知事構想に賛同しています。むしろ、もっと積極的にPFIの概念を取り入れて取り組むべきでしょう。

さて…相場です。
昨晩もNY市場は高く21日に報道された「QE2後も変わらない。」と言う考え方が浸透し、買戻しや新規投資が進んでいるようです。米国らしい…。時間的な経過から見てQE2の政策効果はこれからですね。今の所、QE2の効果に対し懐疑派が多く、共和党にはFRBに対し批判的な勢力が存在します。私は金融規制が実体経済の回復を圧迫しており日本化現象も程度は軽いですが、同時に進行しているとも考えています。先日、ビスタニュースの読者には伝えましたが、米国の消費は、未だに過剰な状態にあると言う話です。
家計部門の可処分所得の債務は2007年の130%から、2011年初頭には115%まで減りましたが、1970-2000年の平均値の75%を大きく上回ると言うものです。

更に貯蓄率は20世紀最後の30年間は8%近い数字でしたが、2005年半ばの1.2%を底に改善したとはいえ、2011年の3月、4月は可処分所得の4.9%だったそうです。何もギリシャだけではなく、ウェートの違いはあっても、米国も他の欧州諸国も傷んでいるのです。故に米国では日本同様に豊富な手元資金が存在し、企業はキャッシュ・ポジションが高いのでしょう。過剰消費に対する負の遺産の清算には時間が必要です。これが「失われた時代」の本質でしょう。日本の銀行は、明治以来、貯め込んだ蓄積をすべて失いました。それがバブルの崩壊の後始末だったのですね。

どちらに転ぶか…まだ分かりません。それにしても強いNY市場の動向を支えたのは…1Qの高値を支えた米国企業の自社株買いも背景にあるのでしょう。つまり需給が大幅に改善されているのでしょうね。一方、日本は…今朝の新聞で、目についたのが双日の財務戦略の変更の記事でした。双日は株主に嘘をついた悪い会社ですが…その3流会社でも手元資金を減らしても、銀行から支援が受けられる体制になってきたと言う話です。最近の都心の金融事情では、土地にファイナンスが付くようになって来たようですね。お客様からの話では銀行の融資態度が積極化しているようです。双日の話と実話は情報が一致していますね。

どうでしょう。カタルが考えるメイン相場論の「日立から銀行の流れ」はこの話から裏付けられていますね。実はWSJの「日本復興で儲ける4銘柄―投資サイト編集者の選別眼」と言うコラム記事にも、同様の記載があります。銘柄はみずほ、日立、トヨタ、NTTとなっています。日銀の資産デフレ対策があり、成長融資枠5000億円と僅かですが、窓口指導などを含め、大きく政策転換しています。そうして先ごろ、金融庁の基本方針が「規制から振興へ」変化することは、非常に大きな変革を示しています。

間違いなく、日本株は大底を打ち、上げ波動に入っています。ただ問題はスピードですね。時間的なスピードの読みは、現在の僕の課題です。そろそろ証券マンを辞め7か月が経過しデータが蓄積されてきましたが、依然、試行錯誤から抜け出せません。故に目先に拘っているので失敗続きの連続ですが…相場の見方としては概ね正解かと自負しています。もう少し僕に時間的なゆとりがあれば良いのですが…。現状は難しい局面です。まぁ、個人的なことは兎も角、先ほど紹介した米国の金融規制から「過剰所費の改善」の現象の見方もいろいろありますね。

ニュースは、必ず二面性があります。「世界経済を脅かす米国のゾンビ消費者」のレポートは6月17日のものでタイミング的にも絶妙な報道でしたね。あの記事を見て弱気になり株を売り目先筋はふるいにかけられます。ただいくら金融規制の為に、新規のローン枠が削られたとしても…金融デリバティブ機能の存在しない過去と、単純比較するレポートの内容をどう考えるかですね。

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僕はこの1週間の相場を見て修正すべきか…どうか迫られています。ここでアノマリーも出てきますね。サマーラリーと言う言葉をよく耳にしますが、僕は経験したことがないですね。必ず高校野球が始まる頃の相場は、閑散としていました。金融相場には程遠い出来高推移で…本格的な上昇相場に移行するのかどうかの確信はありません。ただNY市場も同様のようですが、株式の需給バランスは良いようです。銀行株も目先、一番重い水準を抜けつつあります。

目先の動きは見えにくいですが…今週から来週には、ある程度の目途が立つのでしょう。