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選択と結果(2011年07月23日)

株は何故、上がるか?
株が上がるためには、様々な条件をクリアしなくてはなりませんが、基本は社会のニーズに、所謂、旺盛な需要を探し、それに応える企業を選ぶことでしょうか? 社会のニーズは時代の変遷により変化し、社会の潮流を創れる会社なら一流でしょうね。

一例を挙げれば、アップルのような会社ですね。もともとアイポットの分野は、ウォークマンで支持されたソニーの独壇場だったのですが、デザイン性や使いかってが市場に評価され、その延長線上にアイフォーンが生まれ、更にアイパットが生まれたのでしょう。時代の流れを捉え、しかもEMS(Electronics Manufacturing Service)により価格も抑え市場に支持され続けています。スティーブ・ジョブズは素晴らしい経営者ですね。

一方、ソニーは中途半端ですね。製造業の殻を早く打ち破れば良いのに…と思いますが、10年以上前に、一度、品川のソニー本社を訪れ、広報部長と会い失望した日を思い出します。既にその当時から、他社の動向を気にする日本的な会社に成り下がっていました。

折しも経済財政白書が発表され「無形資産」の重要性を指摘しています。日本は資源もなく加工貿易国により、ものづくりで生計を支えてきましたが、昨今の情勢は大きく変化しているようです。中国の台頭により、米国も同じようにスプートニク・ショックを味わっています。立て直しは教育問題が影響しますから、時間を要する話です。ゆとり教育などと言うバカげた実験をしたおかげで「下流の宴」現象が生まれたのでしょう。やはり失われた時代の20年は長すぎますね。どんなに努力をしても1%に満たない人しか満足な結果が得られないとは…株式市場の低迷でPBR1倍割れが現実を物語っているのでしょう。

余談が長すぎると、本題を忘れそうになります。何故、株は上がるか?
基本は先ほど書いたことですが、結果、企業業績は向上し市場の評価が上がり、株価が上がることで有利な条件が形成されます。社会的な信用や有利な資金調達能力ですね。市場は正直でその逆もあります。噂が会社を倒産させることもあります。ありもしない空想が現実に変わるのが市場経済ですね。過去、何社が資金繰り難の噂で、逆回転し倒産まで追い込まれたことでしょうか? 今でも増資は売りの傾向が強く、市場はデフレ社会が色濃く反映されています。本来、増資は買いの筈なのですが…。

ただ業績が向上したからと言って、必ず、株価が上がるとは限りません。カタル銘柄の東亜石油の好業績が報道されていますが、折角、企業が頑張っても2部市場の人気薄銘柄に市場は目を向ける余裕などないからですね。流動性不足が極まるデフレ社会が定着しています。桃太郎こと鬼怒川ゴムの評価が変わりましたが、早くからカタル君はこの会社の成長性を評価していましたが市場は冷淡でしたね。しかし自社株買いやファンドの参入が株価を押し上げました。この環境下で注意銘柄に指定されるほど人気銘柄になってきましたからね。

この事例を見れば分かりますが、必ずしも企業業績が向上しても株価が上昇しないことがあります。それはカタルがいつも仕掛け人の存在を指摘していますが、ファンドの買いなど、できれば複数のファンドが参入する地合いが望ましいのですが…残念ながら市場の流動性は低く、論理価格を大きく割り込んだままなのです。流動性とは市場の人気と考えても良いですね。昔は1000円以下の株がなくなるほど…流動性が供給され続けたのですが、今は規制、規制、流動性を育てようなんて…当局は考えていませんね。

残念ながら市場を見る限り、未だに金融庁は「規制から振興に」舵を切っているようには感じられません。簡単なんですよ。車の両輪を動かすのは…。実体経済は自分たちの力で動く訳じゃないのです。金融経済が栄えないと実体経済は動きませんね。何故、このことに努力を払わないのか分かりませんね。僕に年金基金のお金を100億円ほど預ければ、豊かな市場が形成される一翼を担うことが出来ます。100億では少ないですが…実績がないからね。

所詮、株を上げるのは株価操作ですね。運用と株価操作は紙一重で、線引きは非常に難しい。業績が向上し時代に合っている、夢のある株を探し浮動株を丹念に拾います。時間をかけながら売り物を丹念に拾いますね。ある程度の株が集まると面白いように株は動き始めます。DENAがタイミング的にはそろそろと考えていますが、ファンドは拾っているかな?

東電の株価はその様な背景があるのでしょう。日経新聞は何年も配当はしないし、損失額は分からないから投資価値は乏しくマネーゲームと決めつけていますが、たった500円から600円だからね。毎年、4000億円を稼ぐのだから…10年で4兆円ですね。時価総額は1兆円と言うことは、税金を払ってPER5倍程度の会社なのですね。ただ徐々に拡大する原発補償問題は何処まで広がるか分かりませんね。東電が仕手化することは、市場に長くいたものとして非常に残念です。おそらく中国系のファンドを始め、長期投資の外人年金ファンドなどが、下値で玉を沈めたので値動きが変わってきたのでしょう。

今、一所懸命に、長期ファンドが下値を買っている銘柄が、銀行株でしょうね。何れ必ず上がってきます。論理的におかしな市場価格は修正されるのです。ただ東電が500円になったように、ある程度の価格に戻れば長期投資のファンドも買いを入れなくなりますね。三菱UFJなら600円台から800円台が、地相場と言うものでしょう。市場に流動性が欠如する仕組みを作っているから経済が低迷するのです。リーマン・ショック以降、米国のオバマ政権は金融を苛めています。規制は必要だが景気が低迷しているからゆっくりと時間をかけるべきですね。むしろ今は金融の助力が必要なのです。

この現象は今の日本に似ています。原発依存度を下げたいと思っているのは、みんな一緒でしょうが、浜岡原発のような強引なやり方はどうなのでしょう。折角、震災復興により景気動向を上向けさせようと、みんなが努力しているときに水を差す政策ですね。必要だが強引な方策か…。米倉会長が、頭から湯気を出しているのが見えるようです。竹中改革を見ているようなイメージを抱いています。僕は産業再生機構の存在を、あの時に否定しました。結果、鐘紡もダイエーも復活しましたか?どっちが良かったのでしょう。

選択と結果は因果応報、僕には遊びのない社会構造が窮屈で仕方ないが…不正は許せませんね。でもある程度の許容範囲は必要なんじゃないかな? 際どい、勝負が社会のゆとりを生むのじゃないかな? 日銀が先日、この水準でも少し下がっただけでETFを買いましたね。僅かな金額ですが、あの手段が「見えない力」を市場関係者に与えるのですね。一度、日銀が銀行株を買い上げ、高値でファイナンスを実施させれば、自己資本比率問題も解決し、正常なインフレ経済のレールに乗れるのですね。もっとも簡単な景気刺激策だけれど…日銀さん、僕に運用を任せてくれないかな? 僕なら高値でもガンガンと銀行株を買い上げるけれど…

何故、金融株を上がることが大切なのかは…銀行にゆとりを与えれば、融資基準は緩みます。さらに金融庁も行政指導で、日銀と共に協力して、銀行へ貸し出しノルマを与えればいいのです。今の実態社会は自発的に動きませんね。どうしても後押ししないと動き出しません。自己資本比率問題を解決させ、貸し出しを増やす環境をつくれば、実体経済は動きだしますね。貸し出しが伸びれば、税収は産業活動によって上がり、国債の償還が進み、銀行は国債への投資資金を回収し貸し出しに回せ、収益がさらに向上し正常なインフレ社会に進みます。もうチョットなのですね。その産業活動をスマートシティー建設に結びつければ、日本はこの分野で世界でもトップグループに君臨できます。この正常サイクルの形成に成功できれば、また100年程度、のんびりできますね。産みの苦しみか…。そろそろ陣痛が聞こえるのだけれど…