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失われた理念(2011年08月06日)

まずは皆さんが気にしているのはNY市場の動向ですね。
株価下落の背景は様々な要因が重なったのでしょうが、基本的に私はドルと言う基軸通貨を人質にしたことが、大きな要因の一つだろうと考えています。米国の連邦債務問題は前からあり、ティーパーティーは何も政府に求めない。ただ何もしてくれるな。…との要望で共和党を扇動したようです。しかしWSJなどの報道によれば、最後は敵対する筈の金融界が共和党議員を説得して妥協させたと報道されています。オバマ政権と米国金融界は敵対関係ですが、今回の事では流石に、金融界も妥協の動いたのですね。本文で書いたかどうか…ドルと言う基軸通貨が信任されない影響はこんなものではないですね。先ずはNY市場1万ドル割れ、と先週の何処かで述べています。だってリーマンなんて比じゃないですよ。金融危機どころではありません。世界中の金融機関が大きな損失を抱え、戦争か超インフレか何かで清算するのでしょう。それこそ1ドルが1円になっても…おかしくありません。

まぁ、前哨戦のような話です。市場はスペイン、イタリア問題まで発展していますが、両国ともギリシャとは違う意味合いがありますね。GDPの規模が違います。ユーロと言う準基軸通貨の存在価値が問われているのです。米国債の海外保有比率は40%程度、FRBが米国債を大量に買うと言うことはドルの信認が揺らぐわけですね。まぁ深く考えても状況は読めません。ただ言えることは、米国は日本と違い市場原理で動いている国だと言うことです。市場原理で動く国と言うことは、どういう事か? 常に市場により方向性を変化させる柔軟性があります。

日本の「失われた時代」が生まれた根拠は国民教育の歪みですね。自立できない国民を大量に作り出している教育制度やマスコミの報道姿勢です。最初、僕も官僚批判に明け暮れました。しかし長い時間を経て自分自身に問題があると考えたわけですね。既に株式営業などと言う市場原理を、制度も仕組みも放棄しているから、どんなに努力をしても食えないのです。食えないと言うは語弊があるかな? 辞める前の年収は940万だから、まぁ一般のレベルと比較すればソコソコですが希望がないのですね。辞めた理由の一つですが…市場の仕組みから自立したいと願ったわけです。

まぁ、この辺りは長くなるので省きますが、要するにここで言いたい事は、米国は市場が悪くなれば、必ず政策を修正します。だから心配ないのです。日本のような泥沼の傾向になっても、対策を打つのが米国経済で、フェアな基準があり優秀な人間が必要なポストに就いています。ガイドナーは失敗と言うか…結果的には事を急ぎすぎますね。金融を苛めるから経済がなかなか加速しませんね。車の両輪です。右だけを動かそうとしても左のタイヤが回らなければ、ぐるぐる同じところを旋回するだけです。日本のように…日本は過剰な金融規制の実施で金融機能が失われました。大蔵省のノーパンしゃぶしゃぶから金融庁が分離され、竹中の強引な手法で内部が歪みましたね。だから先日の「規制から振興へ」の方向転換の行方が注目されます。

要するに米国は市場原理で動くので心配ありませんし、日本はバブル崩壊後の過剰規制によりもっとも清貧思想が進んだ国なのです。だから今回の立ち上がりは、理屈上、新興国でも、欧米でもなく日本から起こるのが資源の原理でしょう。テクニカルを多くの読者は好きですからね。おそらく昨晩のNY市場の上下400ドルのブレは、底入れの可能性が非常に高いでしょう。ただ出来高が物足りないが…この下げは昨日書いた金融規制からファンドが撤退する実弾の売りなので動揺しているだけの話。しかしこの動きは一時的で返還された資金は、またどこかで運用されます。マネーは溢れているのです。

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さて前置きが長くなりましたが…ここで理念の話をしたいと思います。
民主党が法案を通すために次々に妥協しています。本来、僕らは社会保障の配分転換を求め、民主党に投票しました。働く若者が20万円の中から5万円を払っています。ところが何も生産性のない年金生活者に、いや言葉が過ぎるかな? これまで貢献された人たちは、働かずに20万円をもらい、少ないとぼやきます。理屈上、4人に一人しか養えませんが、現状は3人も欠ける有様で、間もなく2人に一人の時代ですね。年金を減らし子育てに充てるのは当然でしょう。

先日、自民党の石破茂政務調査会長がテレビに出ていました。次期総理の呼び声がかかる政治家ですが、子ども手当の所得制限で年収の額の説明をしていましたが小粒ですね。政治家の器量が小粒です。960万とか細かい額の話をしていました。この発想は官僚的でみんなの意見を集約するために妥協を迫る考え方ですね。自民党時代、永遠と負の遺産の借金を積み重ねてきた妥協政治の延長線です。

岡田幹事長はまじめな人らしいですね。気持ちは分かりますが、理念がありません。民主党の子ども手当は日本の国の方向性を問う主眼ですね。妥協すべきものと違います。例え選挙で負けようが何をしようが、自分達の理念は曲げてはなりません。死んでも守らなくてはならない筋論ですよ。年金を削り子ども手当に充てるのが筋でしょう。だから国民総背番号制にして所得条件などを管理すれば、正当な運営を実現できます。本当に困っている人は生活保護とか別の制度がある訳で、年金生活を優雅に暮らしている人もいるわけだから、若者が20万円から5万円払っている苦労を思えば我慢は出来るでしょう。

所得の高い人は正義感も強く、多くの人は寄付もするでしょう。所得制限など設けずに子ども手当を出すべきですね。それが正論です。細かい手法に拘る石破さんは政治家じゃないですね。官僚的ですね。高額所得者に子ども手当が行くと言うのがおかしいなら、所得税で対処すべきですね。子ども手当は、子ども手当です。平等な筈ですね。民主党も政権を担い、いろいろ経験して分かったことでしょう。社会党や共産党の主張など子供の発想ですね。大企業や金持ちから税金を取れと言っていますが、その人たちが世の中を作り支えているわけで、その人たちが海外に逃げれば、日本はクレイマーだけの集まりですね。

先ず、理念を掲げる。その理念に向かい、目標を決め行動計画を立てて実際に行動する。上手く行かないなら改善し、常にチャレンジするわけですね。投資の世界も一緒ですね。私は証券マン根性が抜けないと嘆いています。上手く行かずに辞めた訳で、新しいチャレンジを始めましたが、なかなか確立されません。常に方向性を模索しながら闇を彷徨っている感じですね。ただ理念は曲げない。日本には正しい投資家精神が根付いて欲しい。だから無駄な努力を何年もしているわけです。