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世界競争における価値観の変化(2011年10月08日)

昨日、先輩から「6日木曜日の大機小機」を読んだ?…と聞かれました。僕は読んでなかったので「いいえ、後で読みます。」と応えたが…彼女が、何故、僕にこの事を指摘してきたのでしょう? 

この記事の内容は米国のHPの話で、世界最大のシェアを誇るヒューレット・パッカードが、何故、パソコン部門を分離するのか?と言う話、その理由は売上営業利益率が5%に留まるから不採算部門だと言うのです。日本の多くの製造業はこの水準に届いてないからPBRが1倍を割れていても仕方がないと言う内容です。

製造業の代表格のトヨタは7~9%の間をキープしてきましたが、ここ数年低迷し前期は2.4%で、今期予想は2.8%でしかありません。つまり世界基準から脱落しているのでしょう。円高など言い訳に過ぎません。一方、同業の日産自動車は同じ時期、7~11%で推移してきましたが、この時期やはり低迷しましたが、現在は前期6.1%で今期予想は5.2%です。下は上段がトヨタ、下段が日産です。

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日本的なトヨタの経営者とグローバルな経営者の違いを感じています。多くの企業はトヨタの価値観を有し、国内シェアに拘ります。先日、ミスター半導体と呼ばれた日立の牧本常務の話をしました。1996年の話で、当時、日立の社長からの話で「東芝に負けるな」と国内シェアに拘った話を紹介しましたね。その後、日立は凋落し、最近、中西さんの下で変化しています。同じ日立傘下のルネサスも、世界シェアNO1の会社ですが…なんと赤字計上を続けています。

会社と言う価値観が世界基準と日本では違うのですね。私は何度もフジテレビの日枝さんや新日鉄の三村さんの話をします。上場企業を私物化していると批判しているわけです。堂々と戦えばいいのです。素晴らしい経営者なら引く手数多です。ガレージからベンチャー企業を興し、今年8月世界一の時価総額を達成したアップルのスティーブ・ジョブズ氏がこの世を去りました。ひたすら自分の感覚を信じ、途中であきらめない心が成功の秘訣だそうです。

冒頭のHPの話は、株式と言うリスクマネーで集めたお金に対し、5%程度のリターンでは経営者は失格だと言う事なのでしょう。ただ益利回りが20%を超える現在の株価水準を見ると、やはり日本株もかなり安い水準だな…と感じる次第です。益利回りはPERの逆数ですから、PER5倍と言うことは20%と言うことです。僅か5年で投下資本を回収できる企業はゴロゴロしています。下の表は日経平均採用企業のものです。

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