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DENAの急落を考える(2011年11月03日)

今日は珍しく株式教室らしいテーマで勉強してみます。今週は決算数字が発表されておりその数字によって株価が大きく上下しています。なかでもカタル銘柄のDENAが決算数字を受けてストップ安を演じましたから少し解説してみます。基本的に携帯コンテンツはここ1年~2年ほど大きく伸び、上手く収益加算を演じたのがゲームの分野でしょう。カタルは早くからこの携帯コンテンツが有望だと考えていましたが、ゲームに主導権を握ったのがDENAとグリーですね。両社は今期、同じ分野なのに対照的な株式市場の反応が見られます。グリーの伸び率は続いているのにDENAは横這いなのでDENAが売られました。その周辺のカタルの考え方を述べます。

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基本的に我が国の携帯コンテンツからの収益は350億円ほどなのでしょう。グリーの方が競争力が強いと思われますが、両社のユーザーはダブっているのでしょう。DENAは国内の登録会員を発表しており3000万人ほどですね。人口比から見ればどう考えても頭打ちの状態でしょう。残念ながらDENAは世界の登録会員数を発表していません。一方、グリーは発表しており世界で1億5540万人だそうです。一方、日本の会員割合は17.8%となっており2766万人ですね。だいたいDENAと変わりません。推測ではグリーの四半期売り上げは既に304億円に達しておりDENAのケースから推察すれば伸び率は鈍化するのでしょう。我が国の市場シェアはおよそ700億円前後、今後もスマートフォンの導入で伸びるにしても、せいぜい1000億円市場のパイの争いでしょう。

問題は海外ですね。両社とも海外分野に力を入れておりグローバル化に取り組んでいます。DENAは今年の8月だったと思いますが、本格的なサービスを開始しました。要するにこの出来が今後の株価を左右し、早ければ年末から来春にはその方向性が見えます。株と言うのは予測に対する賭けなのですね。DENAの減速基調と言うか伸び率の低下は昨年分かっていたことなのです。それは四半期別の推移を見れば分かります。グリーは伸びており伸び率は下がるでしょうが、DENAを超える可能性はあります。しかし市場のパイは上限が必ずあり、国内の会員数から見てDENAの350億円を大きく超えると考え辛いですね。故に国内から海外の動向が非常に注目されます。

問題は国内のような伸び率を海外でも出来るのかどうか…DENAは基礎がありました。モバゲー会員が前から存在しており下地があったのでゲームに進出しても簡単に伸びたのでしょう。しかし海外で爆発的な伸びが期待できるのかどうか?ただグリーは下地が無くても伸び率を示しましたから、案外、すんなり伸びるかもしれません。この点は分かりませんね。さらに携帯ゲームが海外でも受け入れられるか?まぁ、任天堂のケースを見れば大丈夫だろうと考えられますが…この点も焦点ですね。

DENAは球団買収に乗り出し経費が掛かりますから、市場はネガティブな反応をしましたが、ソフトバンクや楽天の例を見れば分かりますが宣伝効果の方が高いのではないでしょうか? 国内は頭打ちなのは前から分かっている既成の事実なのです。昨年の春に私は2800円前後の高値を買い、一度、2000円割れの洗礼を受けています。その後、多くの外資系ファンドの買いで4000円台に株価は上げた背景は海外部門の推移が好調なのでしょう。DENAは当初は数名の社員しか派遣しておらず、事業化の検討をしていました。既に3年ほど経過しその後、M&Aで一気に時間を買いましたね。NGモコはその代表例です。グリーの連結化は最近ですね。時間差を感じられます。DENAが早いと言っても海外の売り上げはまだ立ち上がらずこれからですね。8月から開始したばかりです。

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要するに国内から海外への成果が分かるのは早くて年末から来春、普通は来年の推移を見ないとならないのです。今回の下げは欧州問題とオリンパスやガイシのような環境下で起こった行き過ぎの現象だろうと考えています。すでに海外は収穫期に入ります。つまり2008年からの低迷のようにはならないと言う考え方ですね。あの時はゲームの立ち上げもなく2009年の春から夏ごろから携帯ゲームに乗り出したのでしょう。その成果が2009年末からの動きですね。世界人口は70億人で日本は…ただコンテンツを利用できるエリアは限られていますが…世界中でスマートフォンは売られ、これから海外の売り上げが寄与するのですね。だから国内の売り上げ(過去の現象)から株価が急落した今回は願ってもないチャンスと言えるとカタルは考えています。

だから今日の市況で売り上げと営業利益のグラフを用いたのですね。既に株価は一度、売り上げ鈍化の洗礼を受けているのですね。おそらく今回の急落は欧州危機などの再熱などがもたらした偽りの下げだと思います。だから短期調整で年末にも株価は戻ると思っています。本当はもう少しグリーとの比較や会社側に問い合わせ、資料を補強しなくてはなりませんが簡単にざっと見た感じでは買い場でしょう。ただし株価が1万円台に抜けるかどうかは来年にも判明する四半期別の売り上げの伸び率が問題になります。仮に四半期の数字が350億円から、450、500と言う伸びが確認されればPERの評価は20倍から30倍に変化します。日本から世界に変わりますからね。それも初動波動ですから金融相場のイメージで株価は急騰しますね。ただし海外展開がモタツキ収益が見込めないとなると…PERは10倍を割れ8倍程度の評価になるでしょうね。要するにDENAの焦点は海外収益にある訳です。国内ではありません。だから3Qの数字を見て悲観することもないし、市場の過剰反応だと考えているわけです。

今回はDENAを取り上げましたが同じような焦点がチタンにもあり、その背景をしっかり見ないと株価の推移に心が揺れ動き動揺するわけですね。企業業績の背景を知ることは重要なのですね。その会社のどこが焦点になっているか?この考え方は非常に重要です。