市場原理(2012年01月14日)
世界経済の状態を見るには、いくつかのアプローチがあるのでしょう。例えばフィッチがフランス国債の格下げを年内は見送ると発表しましたが、昨晩はS&Pが格下げをすると言う観測予測が報じられています。市場関係者は自分の独自予想を常にニュースの結果である事象によって確かめています。フィッチの発表では思うような反応をしてないから、もう一度、ユーロ圏を叩いてみるのですね。これで先の安値を割るような下げを演じるなら、まだ欧州問題は改善が必要だと言うことです。でもこのように脅しても下げないようなら、今までのECBのやり方で充分だと市場が判断したことになり、新たな政策を求めなくなり次の段階に進みますね。しかし、市場が安値を割り込むようなら新たな対策が必要だと言うことですね。これが市場原理の市場経済です。
市場経済とは…様々なニュースに対応する様子で結果が決まります。選択と結果ですね。問題が生じた時に正しいアプローチでないと市場は反乱を起こし株価が暴落したりします。正しい選択なら株価は上がりますね。これが市場原理です。基本的に市場は常に政策などの選択を評価する場で、その結果を表している体温計のようなものです。そうして基本的に適度なインフレ状態を保つことで成長を続けてきました。人間心理そのものです。「明日は今日より良い生活を…」アメリカンドリームはまさにその体制ですね。無名の若者が大金持ちになるアップルのスティーブ・ジョブズのような英雄が生まれ、その現象に憧れ皆が努力する。これが市場経済です。だから希望を与え続けるには、市場が正しい評価を下し社会に刺激を与えねばなりません。
選択と結果の評価を下している場が、市場と言うことです。経営者は株価の高安で経営の評価を下され、国の政策は株価全般や名目GDPの水準で評価されます。日本は面白いですね。国民幸福度なんか…負け犬の遠吠えに聞こえます。きっと今の僕の心理も同じでしょう。思うように動かない政策に苛立ちを覚え、ずいぶんな時間が経過します。まぁ、歴史を見れば20年程度の低迷は短い時間ですね。権力闘争に明け暮れる自民の態度は変わらない現実を感じますね。自分たちが行った政治の結果、残した負の遺産である借金なのに…まだ権力闘争をしています。反省の欠片もない。本日の日経新聞には亀井静香の悪政である「中小企業金融円滑法」の事が載っています。100社のうち、5社または7社しか復帰しない博打を許容する法律です。
このような間違った選択を繰り返しているから市場が沈みますね。また1年先送りです。当然、市場は低迷を余儀なくされます。66兆円は、今の日本にとって大きな金額ですね。3メガバンクで金利が1%の上昇で2兆円が飛ぶのだそうですね。7%になったら12兆円の損失を被りますね。昨日、三菱UFJの業績を載せて株価が騰がらない不思議の解答ですね。間違った選択を繰り返す能力のない官僚と政治家を打破する可能性があるのが橋下大阪市長で彼だけに期待を背負わせるのは可哀そうですね。誰かが後押しして上げないとなりません。
野田政権の閣僚メンバーをみるとガックリします。相変わらず派閥の力量の上での産物です。…と言うのは田中直紀の起用です。小沢さんに、何故、支持が集まるのか分かる気がします。角栄が「こいつを頼む」と言い、駒形さんに預けた経過を知っている人間としては短命内閣を読んで小沢さんらしいバランスが働いたのでしょうね。考え過ぎかな…創生会結成のお詫びかな?と人事を見て考えました。枝野さんは留任ですね。東電も政治力がなくなったものです。折角のチャンスを逸しましたね。これを見て分かることは既得権力者の時代も終わりつつあると言うことで、新しい幕開けが近づいているのでしょう。岡田さんの真価が問われる局面ですね。
まぁ、内政はどうでも良いのです。容易に片付かない金融危機の対応は二番底を付けて立ち上がるのかどうか…米国の金融株の動向が注目されます。日本は2013年にBIS規制が強化されます。欧州危機はその為の準備ですね。所詮、金融機能が正常に働く状態にならなければ、株式が力強い上昇をするわけがありません。買い一本で臨む以上、待たねばなりませんね。亀井静香の負の遺産処理やBIS規制など…また超えるべき課題は多くありますね。でも米国金融は下のグラフのように注目される位置に来ているようです。きっともっと掘り下げて解説しないと皆さんには理解出来ないかもしれませんね。日経に太郎君の記事が載っていましたね。今年の有望株の一つですね。短期で2倍程度まで可能性がありますが…仕掛け人が存在するかどうか。

