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問われる対応力(2012年01月21日)

最近、米国では住宅投資が復活している様子で、中古住宅販売の在庫数が適正水準の6.2か月程度まで下がってきたと言う。ただ統計資料もいい加減なもので、途中で集計の仕方を変えるらしく、歴史的に継続的な検証が難しくなっている。3年程度は併記発表してくれるといいのだが…統計資料は時代に合わせ集計の仕方を変えるので、通常は僅かな修正にとどめるべきだが米国の中古住宅販売数はかなり以前の発表の数字と違っているらしい。

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世の中の変化を、自分の生活に取り入れることが出来る人間と、なかなか自分の殻を変えられない人間がいる。東証はオリンパスの上場維持を決定したがライブドアと一体、何が違うのだろう? むしろ本体の決算を長くに渡り偽った罪は重いと思うが…。IHIは粉飾数字を元にして増資を実行し詐欺の片棒を担ぐ東証と批判したが、ルールは自分達の都合により変えられフェアな精神は消えるらしい。東証と大証の統合もその事例だが…僕はこのような事例を見るたびに、日本には本当の意味でフェアな環境でなく市場原理が根付かない原因の一つではないかとも考えるが…僕の考えはきっと間違っているのだろう。

でもオリンパスは上場が維持できてよかった。本来は善意の投資家が損失を被る処置をとるべきではないと考えている。だから今回の事例を見て、もしライブドアの株主が東証を相手に訴訟を起こしたら勝てるのではないかと考えるが…そんな暇な人間は居ないのだろう。最近、この年になって自分の性格がようやく分かり始めてきた。考え方の基本は人間が生きてきた生活感に影響を受けるのだろうが…もともと外務員などは捻じ曲がった精神構造なのだろう。長い相場の低迷で時代に合った投資が必要なのだろうが、僕はずっと従来型の教科書通りの投資感覚を抱いてきた。でも米国と違い日本は市場原理主義に、一線を置く考え方。どちらが幸せなのか分からないが…。

時代の対応に合わせ、自分の考え方を変化させ、投資方法も変化させるべきなのだろうか?どう考えても理屈に合わない安い株価が存在すると…通常はTOBがかかり儲かる筈なのに、この手の投機資金を否定し続け、ブルドックの問題が発生し、最高裁の今井判事はブルドックを支持した。よって海外投資グループは、日本株に一線を引いたのがブルドックから発生した日本株の悲劇。このような事例はたくさん存在する。オリンパスは上場を維持できたのは、きっと個人の不正な蓄財はなく、菊川さんが純然な気持ちで会社を愛していたのだろう。業績推移をみれば素晴らしい経営者の一人だろうが…根底の部分で、昔のお家大事の家老職だったのだろう。

株式投資をしながら世の中を考えると、色んなことを考えさせられる。理不尽な処置もたくさんあるし、理解できない現象もたくさん生まれる。市場経済はそのようなドラマが見られ市場を通じてルールが決められていくのだろう。今回の欧州危機も厳格に財政規律を問うなら解決の道は財政の統一で政治体制も一本化すべき話。ユーロ加盟国は1国になるべきだが通貨だけを共有しようとしたことに、問題の発端がある。この歪をついたのが市場経済だ。そうして格付け会社を使い、市場関係者は正義? 市場のルールを追求しようとする。金融危機が発端になり、膨れ続けるCDSの残高を見て、この投機を戒めたのがBIS規制。

日本はバブル崩壊で体力もなく、このお祭りに参加する力がなく被害を免れたが…。日本はもともと右肩上がりで総資産経営を実施してきたので、資本の価値観、効率化と言う概念がなかった。故に売り上げ至上主義に陥り、シェア争いをしてきたが、その間違いが双日などの結果に現れ、価値観が大きく変化している。この総資産経営の枠組みを変えようとしているのが、みずほだろうが…未だに体質は依然のまま…パナソニックなども…多くの会社がまだ時代対応に変化しきれていない。

野村本体がイタリア国債投資のリスクを取らずに、この提案者は野村を去ったけれど…野村らしい選択だと思ったね。でもリーマンを買収するようなリスクも平気で犯し、僕にはチグハグな展開に見える。野村のやくざ絡みの損失補てんの結果、証券業界は政治力を失い日本は過剰なコンプライアンス規制に突入し、現代にいたる。その結果、産業資金の有効活用が消えたようになっているのも、銀行が融資をしなくなり国債投資をするのも、日本の活力を奪っている。お金など使うものだが…どこか曲がっている。ずいぶん長い時間、堅実派とよばれる人たち清貧思想の世界が続いているが…どこで変化するのだろう。

日経新聞は微妙に姿勢を変化させている。あれほど欧州危機を煽っていたが…ユーロが買われ微妙にコメントを修正し始めた。これ以上、叩けない位置にある株価が僅かな買い物、いや、売りが減ったと言う安心感だけで、急反転し出している銘柄が多く存在する。市場に合わせた目先的な対応と、自分の生き方とのギャップを大きく感じるが、やはり時代に合わせ自分を変化させるのが正しい生き方なのだろう。いつまでも負け犬の遠吠えは続けていられない。