RSI(2012年01月28日)
今日の株式教室はテクニカル論を展開する予定です。僕にとっては屈辱ですね。本来はファンダメンタルでの判断が基本ですが…こんな事をやることは、あまり意味がありません。目先の株価の予想など、誰にでもわかるものではなく、単に過去からの確率論に過ぎないからですね。しかし不確実性が増すグローバル化への移行の中で、システム売買の運用成績が好調で、バフェットのような王道の投資が負け続けているからです。日本は特に後ろ向きのデフレ社会ですからね。企業物価と消費者物価の話が日経に載っていましたが、価格転嫁が出来ない後ろ向きなのですね。つまり勝ち組は限られる社会です。基本は総体的には沈み、部分的に活躍する場でしょう。「ゾゾタウン」のビジネスモデルは世界で通用するパターンでアジア展開を急いでいます。日本の誇るインターネット・コンテンツと実体経済の融合です。技術革新による先進国型の変化が育っています。まぁ、自民党も馬鹿ではありませんから、森政権がIT投資を進めた延長線上の成果でもあるのでしょう。代わって菅内閣の選択は、日経トップの電力会社の1兆円超えの赤字ですね。国民一人当たり1万円の損失ですね。安心・安全は必要だが、線引きは難しい問題です。貿易赤字に転落し食えなくなっても建前論を押し通すかどうか…理想と現実の狭間の選択ですね。私など何も急がなくても…浜岡原発の対応を批判しました。どちらが正しいのでしょう。
さてゴタクは兎も角、今日は最近勉強しているテクニカル論、アルゴリズムなる投資のお勉強の話です。なかなか奥が深く簡単にアイディアが見つかりません。僕の勝手な解釈ですが、アルゴリズム投資と言っても幅が広く、定まった言葉の解説はないのでしょう。最近はネットが発達し、コンピュータ機能が向上し、複雑な計算も瞬時にできますから、リアルタイムで数学を用いてイレジュラーな動きに追随するパターンから、そのオーバーした異常な動きを捉え、逆張りするパターンなど、色んな形が考えられます。株式だけでなく為替や資源価格を組み合わせた投資など…。ようするにアイディアは無限にあり、そのアイディアの実験をするのがアルゴリズム投資なのでしょう。先日の報道ではネット上の溢れる言葉の数から、特定の文句を選び、日経平均株価を予測するソフトを売り込んでいましたね。何でもありですね。要するに自分の考えるアイディアを用いて売り買いする方法を総じてアルゴリズムと呼んでいるようです。現在の比重はおそらく7割以上の売買が目先投資なのでしょうね。ディーリングをしてみると分かりますが、概ね、追随型の順張りの方が成績は良いようですね。要するに、その日、株が高ければ買いから入り、安ければ売りから入るパターンで現状を容認する投資です。トレンドを重視するわけです。
この特性に鑑み、私はオシレーター系のRSIと言う相対力係数に注目しました。広く一般化されていると言うことは多くの人が経験値で選んだと言う評価でもあるでしょうし、計算の方法がシンプルで人間心理に合っているように感じますね。人間と言うのは感情の動物で自分の持っている株が上がればうれしいし、下がれば哀しく感じますからね。要するにRSIは値上がり幅と値下がり幅の二つの割合を、0~100までを指数化した数字ですね。値上がり幅を(値上がり幅+値下がり幅)で割るわけです。あとは期間の問題で14日間が一般的ですから、この期間は経験値に基づくものでしょう。過去14日間、値上がりすれば100になり、値下がりすれば0になります。その割合ですね。
先日、日経新聞に報道されていましたが、コマツは12日間の連続値上がりで終わりました。惜しかったですね。僕は9連騰で売り始めましたね。でも損を出して踏んでいますが…。確率論の問題ですね。おそらく200日線をクリアせずに調整かな? 何度もIRNETでは先導株として東京エレクトロンを掲げています。此方が今回の欧州危機からの回復で先行した銘柄ですね。同じような展開が、TDK、ホンダ、コマツにも当て嵌まると想定しています。コマツの株価回復が遅れているのは政府系の社会基盤整備関連だからでしょうか?考えてみれば分かりますがインフレ・ターゲット論の採用は設備投資を促進させますから、エレクやファナックなどを押し上げる時代的な背景を持っていますね。一方、同じ設備投資ですが、コマツはどちらかと言えば新興国派です。政府系の社会基盤の比重が大きいから2007年のようなスケールはないのでしょう。


新興国開発のグローバル化を読んでいれば、2003年~2007年のコマツの大相場に乗れたわけですね。でも僕はあの時は銀行を手掛け、国内に拘りがあり、失敗を犯しています。グローバル化の概念が希薄だったのです。やはり大きなスケールのバックボーンは大切ですね。小泉・竹中改革で日本はデフレを脱して効率社会に移行すると言う想定は2006年からの既得権勢力の巻き返しにより幻想に終わりました。2番底とはよく言ったものですね。1989年から2003年、折角、巻き起こった改革の痛みが既得権勢力の巻き返しにより藻屑に消えました。2006年からの2番底は未だに続いています。まだ先が見えませんね。過去の幻想を断ち切る為に行財政改革が断行されないと時代の変化を認識できないのでしょう。消費税の引き上げと公務員改革法、こんなもんじゃ…株屋の痛みは理解できないでしょう。国債の消化難になり炎上しないと駄目なのでしょうかね?
何か、NECやパナソニック、ソニーなど…間もなくトヨタも同じようなものでしょう。ソフトバンクには期待しているのですが…どうかな?冒頭に掲げたゾゾタウンのグローバル化を応援していましたね。おそらく先進国の技術革新は情報化の支配ですよ。文化の香りが生まれ始めています。最近のユニクロは価格破壊のイメージがすっかり消えましたね。内外価格差の解消を目指したユニクロやニトリのイメージが変わり始めています。長く続いた内外価格差の是正であるデフレが終焉するのでしょう。スイスのような選択もあったように感じますが…過去を悔いても仕方がない。ネット文化は我が国が誇る先端技術の結晶で情報化がキーワードになっていますね。皆が参加する社会化現象です。唯一のインフレ型のやる気が溢れる社会ですね。既得権力者が存在しない為に成功できる確率が高いのでしょう。ただ今回のゲームの様に社会規制の問題は常に出てきますが…2006年と同じ選択の失敗を犯さないで欲しいものです。
冒頭のテクニカル論は述べようと思いましたが、グラフ等を作り解説するのが面倒になってきましたね。ほぼ2週間の上昇で強い銘柄は200日線をクリアして株価波動を変え始めています。基本的にはECBやFRBの政策が過度の警戒感を解いた結果ですね。しかし予断は許せませんね。綱引き状態だからですね。ECBの大量の資金供給は実体経済には回っていません。米国はGSEの問題が片付いていません。どんなに頑張ってもこれだけの資産価格の下落調整が短期間に済む筈がありません。3割の価格下落を埋める為に3%成長を10年続けねばなりません。日本は政策対応が失敗し14年の歳月がかかりました。収益還元法価格になっても地価は底這い状態ですね。流動性の罠は続いています。だから金融規制を問う事は必要だが急いではなりません。理想と現実の選択か「トリレンマ」とは…奇妙な響きですね。米国はまだ5年ですからね。はたしてインフレ・ターゲット論だけで、設備投資に火が付くかどうか…。市場と言うのは欲張りですからね。押したり引いたりする綱引き状態はまだ続くのでしょう。