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2012年03月31日

ここからが…正念場

政策の選択は難しい。過去、日本は最悪の選択を何度もしています。なんといっても太平洋戦争への選択は最悪で…今のイランのような立場でしたが日本は選択を誤りました。当時の新聞はすべて戦争へ一直線で、朝日新聞などは煽っていたと言います。今の消費税の引き上げもそうかもしれません。僕はある仮説から消費税引き上げを支持しています。しかし本当は小沢氏の意見が正しいような思いも同時に抱いています。この程度の無駄の削減なのかな? 時限の経費節減などポーズのように思えるし、新卒者の採用カットなど生ぬるく見え官僚得意の戦略を感じもしますが…消費税引き上げは何れせねばならないと思っています。

一見すると好調に見える米国経済、FRBの政策に異論がある人は多いですね。この後コントロールできないインフレになると言うものです。でもある意味で先進国から新興国への所得移転が進み差は縮まり、今度は物価高によって先進国が引き離すのは自然な流れです。問題はどの程度の物価高なのか? 可処分所得が大きく失われ混乱を期すのかどうか…金融危機前の預金準備は100億ドルだったけれど、11年末には1兆6000億ドルに膨らんでいるといます。(下のグラフ)

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私は米国金融が痛手を受け拡大したデリバティブの円滑な処理の為に行った流動性の供給だとQEを判断しています。詰まり失った損失の銀行経営を助けているから、大恐慌のようなリセッションに入らなかったと思っています。もし仮にこのFRBによる金融機関の痛みの助けがなければ…大変な事態に陥っており、最後は戦争でけじめを付けるのでしょう。ある意味で需要を起こすために強烈な破壊活動が必要なのでしょう。

その様な観点から見れば、「アラブの春」は産油国で理に適っている仕掛けかも知れません。原油価格が上がり、その対価を破壊からの修復に使い需要バランスを円滑にさせる。新興国の開発ラッシュもある意味で理屈ですね。金融デリバティブの発展がリスクの拡大を招き新興国が発展した。ここで一番怖いのは新興国から先進国へ所得の流れが動くときに、極度の現象、マーリン計画はある意味で金融の保護主義かもしれません。だから注意が怠れませんね。

何故、アップルの配当や自社株買いが象徴的な動きなのか?
企業の内部留保が市場に流れ出すので…あと一歩なのですね。もっと加速させ設備投資意欲を起こさせ需要を生ませれば、FRBの役割は終了に向かいます。現状はどう考えても世界の金融システムは正常に働いているとは言えません。日本はせっかくのチャンスを生かしていませんね。欧州危機はある意味でチャンス、イタリア国債への投資は博打ですが、投資の範囲でしょう。でも野村はしませんでした。日本の銀行は新興国への出店チャンスですが、内向き姿勢を貫いています。世界の銀行で一番リスクを取れるのは日本ですね。

だから日銀のインフレターゲット論は市場に効いたのですね。間もなくカンフル剤が消えます。もう一度、資産の買い入れなどを発表すれば、今度は彼らの態度を疑う人は居なくなりますね。だから消費税率の引き上げの中で成長目標の数字が重要なのですね。名目3%実質2%と順ザヤ目標で…可処分所得が増える成長モデルを謳っています。実質だけの数字では意味がなく、名目を取り上げたことに意義があります。果たして実行するかどうか…。

現在の相場は完全に調整パターンに入っています。日経225のRSIは下がり始め人気株も減っています。ここまではこれまでも何度も繰り返してきた過程に似ています。私は何度も今度は本物と考え強気を貫き銀行株を買い続けてきましたが…全て失敗しました。呆れて…とうとうお客様に株をお奨めできなくなってしまったのです。だから証券マンを自ら辞めました。他にも理由はありますが…。ここでまた下げ相場に入るのが今までのパターンですね。

世界の中央銀行の流動性供給と言う環境が整い、震災もあり、時間も限られ、消費税法案が通過すれば、政策官僚は完全な政策変更を実施すると言うのがカタルの仮説ですね。これが最後のチャンスに見えます。ここで大きく政策をデフレからインフレへ転換しないと何れ強制的に開国を迫られ、強烈な円安と物価高になるジンバブエのような状態になるかも知れません。極端ですが…あるえる話。未来都市建設から、資産インフレを起こせば日本の富は増えていき、復活できますね。日本には様々な技術が眠っています。だから日立の2000円説を唱えるのですが…気が早いと言われますね。

全ては政策の選択です。銀行株などが水準訂正をしてある程度のゆとりが相場に感じられ、本来なら循環物色になる筈ですね。調整局面でも今まで下げていたネット株などの循環物色が起こり、一部の金融相場銘柄も物色されるはず。だから方向性としてマツダやグリーなどの銘柄に注目しています。ただ時間が見えない…一つの分野が陰り、もう一つの分野がすんなり補い、尚且つ活発になるかどうか…。でもDENAのあの数字はすごかったですからね。僕はあの時は分からなかったのです。何故、株価が2倍にも急騰するのか?だから売ったのですね。でも後でわかりました。日本だけで株価が4倍だから今度は市場が大きな海外で株価は10倍程度まで上がる可能性があります。マツダも同じですね。まだ赤字の数字ですが…V字型に転換する可能性が大きい。

株式相場の読みは時代の先を感じることですね。だから面白いのです。この発想はなかなか素人には理解できないかもしれません。メディアは会社が発表した数字の後追いをしますが、時代の流れを先読みしてそれに賭けるのが投資だと思います。だから米国で起こっているFRB批判もイギリスの実験も面白いのですね。日銀は資産の買い入れに動き、新しい転換の流れを明確に示すべきです。3万人を大きく超える自殺者の数字、増え続ける鬱病患者の数、エルピーダの倒産、シャープの台湾企業への物乞い、すべて政策に誤りがあるからですね。その選択の結果です。原発処理を誤りました。東電はある意味で狡賢く、悪者です。しかしあれは曖昧な法があったから救うべきでした。一部の人間が責任を脱がれるために東電の責任にしたが…国家責任にして処理すれば、原発も存在し、貿易赤字も膨らまず、何より電力料金が上がりません。ところが電力料金がまた上がる選択をあの時にしましたね。その結果、企業の国際競争力は大きく落ち込み、また弱体化して行きます。

私のような末端の馬鹿者がこんな理屈を直ぐに理解できるのだから、政策官僚が理解できない筈がありません。今なら国民の理解を得られます。フクシマをエゴ贔屓し未来都市を建設しても…あれだけの被害を受けたのだから、少しは援助しても仕方ない…だから今未来都市の実験をすべきなのですね。好機なのですよ。このチャンスを生かす政策を実行してほしいのです。ピンチは改革のチャンスですね。

投稿者 kataru : 14:06 | コメント (0)

2012年03月24日

日銀の姿勢は…

やはり世界の金融界の話題として日銀の態度が大きく関心を呼んでいるらしい。しかしインフレターゲット論効果も時間切れの様相。昨日の日経新聞の夕刊のラウインドアップのコラムでNYの西村さんは「日銀緩和策、評価は水物?」とデフレ脱却の可能性に触れ、同じことをイギリスのFTは報じており日経新聞の朝刊にも掲載されている。更にWSJでは『政府は23日、日銀審議委員に河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミスト(47)を充てる同意人事を国会に提示した。同氏は財政再建派のエコノミストとして知られている』と報じている。河野氏の見解は世界の流れに逆行するもの。

今、世界の中央銀行総裁が集まり(ただしドラギは欠席との事)QE政策の検証がなされている。この量的緩和策は実験であり過去にないから果たして実際の景気に有効な作用を及ぼしているか不明、これからインフレに悩まされるかもしれないし…他の副作用が出て来るかもしれない。しかし今の流れは中央銀行の量的緩和による流動性供給により、企業内部資金が、設備投資に向かうかどうかが最大の関心事。日本、米国、EUも強い巨大企業は内部留保が厚くなり勝ち組の様相で先日アップルは自社株買いと配当の発表をしたが、内部資金は大きく減らない。VWも好調な企業のひとつ…

金融機関が痛手を受けリスクが取れなくなり、加えて倫理面でバーゼルやボルガールールなどの規制を受けている。つまり資金の出し手が不在なので中央銀行が代わって代役を担っている状態だが…この異常な状態に脅えるマネーがあり企業は内部留保を必要以上に高めている。企業は市場経済の中で競争状態にあるので、貨幣価値を引き下げればお金が動き出す。ハッキリした方向性が重要なのでしょう。

最近日本はようやく円高を利用したM&Aが加速し…一つの流れになっています。震災後、あらゆる条件が円安方向に流れており、国会では盛んにデフレ脱却が話題になり消費税増税の条件にもなっています。故に、世界の金融マンは異常なほど…日銀の行動に目を向けるのですね。2月のバレンタイン緩和策が市場の話題になり、その前の国会中継辺りから、円・ドル相場に変化が生まれました。この時期は2月の初めです。この動きはFRBが2%のインフレ目標を掲げた影響があり、世界的な協調姿勢か?と思われたのでしょう。

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この為に世界のお金は「円・ドルキャリー取引」に向かったのです。その様子が為替動向からも窺えます。ところが3月も資産買い入れ枠増額の発表を市場は期待していましたが、日銀は否定こそしませんが行動に移しませんでした。だから疑心暗鬼になっているのですね。デフレからの脱却も日本の景気回復も簡単なことなのですね。政策が重要なのです。円高の為にマーチは海外生産になり、完成車の輸入まで進み、トヨタは2年連続で下請け叩きを実施しています。できなければ海外から部品を調達するでしょう。多くの自動車部品を海外から調達して円高に対応し完成車を輸出しているのが現実でしょう。その為に日本の雇用は失われ、時間闘争をしています。失われた時代を異常に長引かせているのは日本銀行なのでしょう。勿論、河野さんが指摘するように日銀だけの責任ではありませんが、日銀は一番罪が重いですね。ある意味で犯罪者です。日本人を総鬱状態にするまで自殺者を増やし続けるのでしょうか?

何故、ノスタルジアに走るのか?
昭和30年代の時代背景に憧れる「3丁目の夕日」現象は、あの時代は貧しくとも日本人には希望があったのですね。時代が変わっていき豊かになっていく変化を皆が感じられたから郷愁の心を生むのでしょう。デフレからの脱却は金融政策だけではなく、未来都市の建設など…国民に希望を与えないとなりません。既に技術的な課題はクリアできており、後は音頭を取るだけの話です。まだ日本には財政的にゆとりが若干残っています。間もなく時間切れですね。自ら変化できるのか?それとも強制的に変化させられるのか?どちらか分かりません。今は尊王攘夷の開国論の時代に似ていますね。

あの時は黒船来航が引き金になり、改革が起こりました。同じ時代構造なのでしょう。今の相場の焦点はここにあります。日銀の姿勢がどうなのか…白川さんの心の中の読み合いです。

投稿者 kataru : 13:34 | コメント (0)

2012年03月17日

気になる動き

世界中の株式相場はバラ色に見え始めています。この要因の一つは欧州危機の対応の為にECBが100兆円の資金供給をしたことが一番で、二番目が米国の景気回復ですね。これはFRBの批判のあったQE2並びに不胎化QE3と言う幻想が人間心理に反映し、蓄積された企業の内部留保が投資に向かい始めました。つまり流動性の罠からの脱出に成功しつつあるのですね。日本では過去のバブルにおいて、この大切な時期に清貧思想が蔓延しさらに委縮したために、この流動性の罠の状態から抜け出せずに推移しました。

しかし一見すると、流動性の罠を抜け出したように見えますが…NY大学のトマス・フィリッポン経済学教授は、金融部門のGDP割合は7.5%が適正水準と考えていると言い現在は8.5%程度なのだと言う認識は必要ですね。失われた損失は簡単に取り戻せませんし時間がかかるのです。最近ではギリシャからイタリアに生きましたがスペインが再び話題に上るように…金融市場は常に上下しますね。

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最近の悪材料は、VIX指数の5年ぶりの低水準の低下と言う事でしょうか?完全に警戒感が薄れています。確かに10週連続の陽線は完全な金融相場に見えますが…目先のアヤにも警戒すべきかもしれません。やはり注目はムーディーズがレーティングを引き下げた野村証券でしょう。信用を重んじる金融会社にとって致命的な格下げ問題は日経新聞がいくら好意的に捉えても…広範囲に影響を与えます。まずだんだん有力な顧客は逃げますね。だって倒産騒ぎのゴタゴタに巻き込まれたくありません。何しろ劣後債を発行して流動性を補ったのです。まだ野村土地建物、野村総研などと売る物はいくらでもありますから、直ぐにどうのこうの…と言う話しではありませんが、今の相場の力を見る上の試金石の銘柄の一つですね。

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もう一つ気になる材料は、先日のNY市場の200ドルを超す急落ですね。3月6日の動きです。34億台だった出来高が42億台に膨らみ売られましたが、直ぐにFRBは反応し不胎化QEの話がWSJに掲載されたのは記憶に新しいですね。機敏な対応の後にFRBは過酷な条件下でも自己資本比率は低下しないとストレステストを発表しました。シティーだけが僅かに基準を満たさなかっただけです。昨日のNY市場の動きは微妙な動きですね。株価は小幅安ですが、出来高が51億台に膨らんでいます。6日の200ドルを超える急落と合わせると…VIX指数の動きも、ポジションの軽減化を促す内容に見えます。

このところ日経225のRSI80台の列挙件数は100を割り込み一時の勢いを失っています。当たり前の話ですが、どの指数も一服感が漂っていますから、当然、調整はあるのでしょう。どんな形になるかだけの話しでしょうが…消費税法案の動きも微妙な段階で大きくポジションを持つ場面ではないでしょうね。株の相場は仕手化の材料株の物色になるのではないかと推測しています。

投稿者 kataru : 14:18 | コメント (0)

2012年03月10日

金融相場かな?

実に9週間連続の陽線を実現したとか…この記録は1988年1月からの記録だそうです。因みにネットを検索すると8週連続は1996年以来と言い、7週連続は2008年4月以来とか…1987年2月から6月にかけて17週間連続陽線と言う記録があるそうです。自分で調べた訳ではないので、間違っていたらごめんなさい。ネット上の抜粋です。通常は必ず自分で書くときは裏を取るのですが…。最近は時間がなくて…今回の1988年1月からの相場は最後の華だったように記憶しています。バブル相場の末期でプラザ合意から円高への対応で澄田総裁が為替介入を実施し、その資金を非不胎化していたために資産インフレが起こり最後は銀行員が貸し出し競争に走ったのが1988年頃の話ですね。あの時は1988年で実際の相場は終わっています。後の1年は日経平均株価の先物からのゲームですね。放り上げるだけ放り上げ、叩こうとしたのでしょう。既に僕はキャリア10年の証券マンだったのですが…無知でしたね。今のような知識があれば…石井久さんのように振る舞えたかも知れません。

1988年から1989年にかけては先物からの誘導で値嵩株だけが実体がなくても株価が騰がりました。当然、後で急落していったのですが…。東宝などは象徴的な銘柄の一つでしたね。今回もファーストリテイリングは良く騰がっていますね。11月25日は12090円ですから…そこから現在は17800円まで上昇し47%UPしています。野村証券と遜色ありません。まぁ、野村の方が高いですが…このような値嵩株の上昇が日経平均株価の9週間上昇の中身です。だから迷うのですね。24年ぶりの快挙とか聞くと…ようやく長いデフレを脱却して、資産デフレの世界が大きく変化するんじゃないか?とも考えているわけです。実際に地価がピークを打つのは1992年頃の話で…株が2年から3年ほど先行して動いていました。でも1989年の末にピークを打ちましたが1990年の後半は既に不動産業界では投げ売りが始まる寸前の動きだったと思います。

あの頃は竹下政権だったかな? 地価を下げようと…金融の仕組みも分からずに…事前準備なしにやるものだから銀行が軒並み大被害を受け、その後始末が2003年までかかる訳ですね。だから米国の金融危機の損害は大きいのでしょう。もっとも三重野さんとバーナンキの対応は180度違うから日本ほど時間はかからないでしょうが…。政策って重要なのですね。

僕が、いつも時間がないと述べていましたが…とうとう時間切れになっている可能性があるのですね。この背景には昨年の大震災が強く影響しています。ただでさえも森政権の「ゆとり教育」などと言うノー天気な政策の為に日本人の資質が劣化している所に、清貧思想の為に過剰な保護を求めるムードがメディア中心に広がっています。弱者救済を旗印に今も大震災の被害者の救済をしていますが、彼らは延長された失業保険でパチンコをして遊んだり、ゲームに興じて支援を求めている便乗組も多く存在しますね。勿論、本当に大変な人もいます。しかし…過剰な支援は必要なのかな? 半年もあれば…考える時間は充分でしょう。

経常収支の赤字、労働費用の上積み、今度は帰宅困難者の対策ですか…企業は過剰な費用負担を強いられます。安全・安心を求まればきりがないと思いますが…。これが日本的な良さと言えば良い面かも知れませんが、単純に費用対効果を考える市場経済の世界ではROEの劣化に過ぎません。環境保護対策など…いろんな負担があります。原発停止による燃料費用の増大は一時的なのでしょうか? まだ結論は出ていませんね。もし時間切れなら強制的にインフレの世界に突入ですね。

企業はグローバル化に目覚め、雇用までもグローバル人材の確保に走り始めました。ようやく日本は鎖国制度を解除します。やがて移民を受け入れる日も来るでしょう。さて問題は本物の流動性による金融相場かどうかですね。限りなく本物に近い相場ですが…先ほどのファーストリテイリングなどの例も、引っかかる点ですね。昨日の今日の市況で2点の疑問点を掲げています。政治とスター株の存在ですね。テクニカル面でも値嵩株の高騰が目につくのですね。そんなわけで少し長いトレンドの日経平均を見てみるとAの地点を支店にする下降波動とBの地点を支店にする抵抗線をそれぞれ引いてみました。今は直近のBを抜いただけですね。果たしてこの後Aの地点を支店としている抵抗線を抜けるかどうか?

チャート上は前の二つの山を抜かないトレンドが変化したとは言いません。10891円を綺麗に抜かないと金融相場のイメージが湧きませんね。ただ国内勢が売っているのに相場が20日を待たずして反発しており、売り物は限られている印象です。本物の金融相場はこんなもんじゃありません。もっとスケールが大きく、流動性相場と言う意味は…1000円台の株を1000万株単位で買う法人が出て来るのですね。今はみずほの100万株は程度の発注でしょう。違いますか? 株価の桁が違い、発注の規模も違うのですね。僕が考えている時間切れのインフレ相場に繋がるなら…こんなスケールじゃないですね。だからまだまだ「走り」に過ぎません。9週連続の24年ぶりか…でも良い響きだな。

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投稿者 kataru : 14:54 | コメント (0)

2012年03月03日

記事の解釈の仕方

株価を決めるものは、人間の心でしょう。
先ほどNHKのテレビでポルトガルの「ファド」(Fado=運命) の放送をしていました。なんでもアマリア・ロドリゲスと言う有名な人の「カモメ」をテーマにしていました。魂で歌うファッドか…。

最近のニュースで注目されるのは、金融危機の影響から倒産を強いられたGMがプジョーに出資すると言うニュースですね。金融機関とは違いかなり早い立直りです。同時にもう一つ驚いたのは、日本では考えられない市場経済の仕組みでしょう。普通ならあり得ません。2009年に破たんするのですから、僅か3年で他の企業に出資するなんて…市場経済と言うのは再生を促進させ、やり直しができると言う事。そうして日本人の感覚にないのが、目一杯に与えられた原資を使って経営者は一所懸命に頑張ると言う姿勢の違いですね。オリンパスも大王製紙も企業統治のあり方を問われました。フジテレビの買収事件も新日鉄の株式持ち合いも、全て日本式の経営結果の姿です。市場原理の世界では与えられた原資を有効に使うのが経営者の務めですが、日本の経営者は保身に傾いてないでしょうか? 果敢に挑戦を繰り返すGMの姿は、市場経済下の経営の仕方を改めて考えさせられました。

此方のニュースの方が重さは大きいかな?
ECBの資金供給の規模を巡る話ですね。当初は100兆円、直近の予想は50兆円。現実は57兆円でした。私は20~30兆円じゃないか?とも考えていました。信用力が問われないのなら、1%での多額の調達はリスクがなく利ザヤを稼げます。短期債に投じれば利ザヤが抜けますからね。しかし逆説的に言えば、それだけ欧州の金融機関は痛んでいるとも言えます。本来は中央銀行の力を借りなくても自力で利益を捻出するのが普通ですね。中央銀の力を借りると言うことは、それだけ体力がないとも捉えられます。ドイツが原則論を振り回すのはモラルハザードの問題でしょう。EUの価値を高めるには自制が必要です。

円高が最近まで定着していたのは、日銀がFRBやECBのように多額の支援をしてないからとも捉えられますね。しかしその割に日本の銀行株の水準は低評価です。その背景はおそらく総資産経営なのでROEが低いからですね。無駄な資産を多く持っているからです。この点はGMの経営手法と違う点ですね。店舗などは借りても収益を上がられるはずですね。もしそれで利益率が下がるなら店舗は売るべきでしょう。これがROEの考え方です。しかし20年以上に及ぶ資産デフレを減損会計で処理してきた経営者は失格でしょう。本当なら早めに売り、政策の転換で自前の物件にするのが筋ですね。日本の銀行が総資産経営をしているのは自己資本比率が低く資産規模が大きいことから分かります。

しかし日銀が本当に政策を転換し、世界の中央銀行の意向を受けるなら、デフレからインフレへ日本は転換したなら、今度は総資産経営が生きてきます。更に円高から円安の流れにある筈です。この仮説が過剰流動性相場に繋がっています。しかし…この3か月間、スター株らしい動きを見せるものはなく、先物から全体相場が上昇しているようにも感じますね。世界の中央銀行が100兆円、100兆円とベースマネーを投じているわけで、信用乗数効果は、少なく見積もっても5倍はくだらないでしょう。だから日経平均株価も上昇し、11月末の250兆円から2月は287兆円と37兆円も膨らみました。この現象は世界の中央銀行による流動性の供給の影響です。今は僅かな金額ですが…金融政策の効果は時間差があります。そうしてバランスが、一度、変化すると加速するのです。

だからグラフからも分かるように…本物の相場ならこんなものではありません。それはこれからの日本の政策にもよるわけです。1983年からの相場は1985年にプラザ合意があり、その対応に日銀が致命的な政策ミスを犯した結果、バブルが発生しました。1983年からの動きは5倍ですね。しかし2003年からの動きは2倍に過ぎません。今回は先進国の技術革新と言う産業革命に匹敵する情報化革命から未来都市の夢がありますね。最後はロボットが一般家庭に登場するかもしれません。一回目の過剰流動性は1983年から1989年と6年間続きました。2回目は2003年から2007年ですが実質的には2006年でしょう。およそ半分の3年でした。今回はどうでしょうかね?

果たして、本当にデフレからインフレへ転換し、先進国の成長が約束される情報化革命から未来都市建設の相場に移行するのでしょうか? 夢は大きく、可能性のあるシナリオの一つなのです。

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投稿者 kataru : 13:42 | コメント (0)