« 記事の解釈の仕方 | 最新の記事 | 気になる動き »
金融相場かな?(2012年03月10日)
実に9週間連続の陽線を実現したとか…この記録は1988年1月からの記録だそうです。因みにネットを検索すると8週連続は1996年以来と言い、7週連続は2008年4月以来とか…1987年2月から6月にかけて17週間連続陽線と言う記録があるそうです。自分で調べた訳ではないので、間違っていたらごめんなさい。ネット上の抜粋です。通常は必ず自分で書くときは裏を取るのですが…。最近は時間がなくて…今回の1988年1月からの相場は最後の華だったように記憶しています。バブル相場の末期でプラザ合意から円高への対応で澄田総裁が為替介入を実施し、その資金を非不胎化していたために資産インフレが起こり最後は銀行員が貸し出し競争に走ったのが1988年頃の話ですね。あの時は1988年で実際の相場は終わっています。後の1年は日経平均株価の先物からのゲームですね。放り上げるだけ放り上げ、叩こうとしたのでしょう。既に僕はキャリア10年の証券マンだったのですが…無知でしたね。今のような知識があれば…石井久さんのように振る舞えたかも知れません。
1988年から1989年にかけては先物からの誘導で値嵩株だけが実体がなくても株価が騰がりました。当然、後で急落していったのですが…。東宝などは象徴的な銘柄の一つでしたね。今回もファーストリテイリングは良く騰がっていますね。11月25日は12090円ですから…そこから現在は17800円まで上昇し47%UPしています。野村証券と遜色ありません。まぁ、野村の方が高いですが…このような値嵩株の上昇が日経平均株価の9週間上昇の中身です。だから迷うのですね。24年ぶりの快挙とか聞くと…ようやく長いデフレを脱却して、資産デフレの世界が大きく変化するんじゃないか?とも考えているわけです。実際に地価がピークを打つのは1992年頃の話で…株が2年から3年ほど先行して動いていました。でも1989年の末にピークを打ちましたが1990年の後半は既に不動産業界では投げ売りが始まる寸前の動きだったと思います。
あの頃は竹下政権だったかな? 地価を下げようと…金融の仕組みも分からずに…事前準備なしにやるものだから銀行が軒並み大被害を受け、その後始末が2003年までかかる訳ですね。だから米国の金融危機の損害は大きいのでしょう。もっとも三重野さんとバーナンキの対応は180度違うから日本ほど時間はかからないでしょうが…。政策って重要なのですね。
僕が、いつも時間がないと述べていましたが…とうとう時間切れになっている可能性があるのですね。この背景には昨年の大震災が強く影響しています。ただでさえも森政権の「ゆとり教育」などと言うノー天気な政策の為に日本人の資質が劣化している所に、清貧思想の為に過剰な保護を求めるムードがメディア中心に広がっています。弱者救済を旗印に今も大震災の被害者の救済をしていますが、彼らは延長された失業保険でパチンコをして遊んだり、ゲームに興じて支援を求めている便乗組も多く存在しますね。勿論、本当に大変な人もいます。しかし…過剰な支援は必要なのかな? 半年もあれば…考える時間は充分でしょう。
経常収支の赤字、労働費用の上積み、今度は帰宅困難者の対策ですか…企業は過剰な費用負担を強いられます。安全・安心を求まればきりがないと思いますが…。これが日本的な良さと言えば良い面かも知れませんが、単純に費用対効果を考える市場経済の世界ではROEの劣化に過ぎません。環境保護対策など…いろんな負担があります。原発停止による燃料費用の増大は一時的なのでしょうか? まだ結論は出ていませんね。もし時間切れなら強制的にインフレの世界に突入ですね。
企業はグローバル化に目覚め、雇用までもグローバル人材の確保に走り始めました。ようやく日本は鎖国制度を解除します。やがて移民を受け入れる日も来るでしょう。さて問題は本物の流動性による金融相場かどうかですね。限りなく本物に近い相場ですが…先ほどのファーストリテイリングなどの例も、引っかかる点ですね。昨日の今日の市況で2点の疑問点を掲げています。政治とスター株の存在ですね。テクニカル面でも値嵩株の高騰が目につくのですね。そんなわけで少し長いトレンドの日経平均を見てみるとAの地点を支店にする下降波動とBの地点を支店にする抵抗線をそれぞれ引いてみました。今は直近のBを抜いただけですね。果たしてこの後Aの地点を支店としている抵抗線を抜けるかどうか?
チャート上は前の二つの山を抜かないトレンドが変化したとは言いません。10891円を綺麗に抜かないと金融相場のイメージが湧きませんね。ただ国内勢が売っているのに相場が20日を待たずして反発しており、売り物は限られている印象です。本物の金融相場はこんなもんじゃありません。もっとスケールが大きく、流動性相場と言う意味は…1000円台の株を1000万株単位で買う法人が出て来るのですね。今はみずほの100万株は程度の発注でしょう。違いますか? 株価の桁が違い、発注の規模も違うのですね。僕が考えている時間切れのインフレ相場に繋がるなら…こんなスケールじゃないですね。だからまだまだ「走り」に過ぎません。9週連続の24年ぶりか…でも良い響きだな。
